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キルギス投資信用銀行

Kyrgyz Investment and Credit Bank CJSC
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

キルギス投資信用銀行(KICB)は、2001年に開発金融の枠組みで設立されたキルギスの商業銀行である。アガ・カーン経済開発基金(AKFED)を筆頭株主とし、パキスタンのハビブ銀行とキルギス政府が株主に並ぶ。国際的な開発金融機関の資金で立ち上げられた銀行が、そのまま国内有数の商業銀行に育った例として、中央アジアでは目立つ存在である。

経済専門紙エコノミストの集計によれば、2026年6月30日時点の総資産は1,102億ソムで、キルギスの商業銀行のなかで第5位にあたる。国立銀行の登録簿に載る支店は24である。電子ウォレット「Elsom」を早くから展開し、農村部での金融アクセスを広げてきたことでも知られる。

正式名ЗАО «Кыргызский Инвестиционно-Кредитный Банк»(Kyrgyz Investment and Credit Bank CJSC、KICB)
設立2001年
免許キルギス国立銀行の免許第046号。免許登録簿への記載は2001年7月10日
本店キルギス・ビシケク市エルキンディク大通り21
支店24(2026年8月14日時点、キルギス国立銀行の登録簿)
株主アガ・カーン経済開発基金(AKFED)72%、ハビブ銀行(パキスタン)18%、キルギス共和国内閣付属国有財産管理国家庁10%(2025年4月時点、同行サイト)
総資産1,102億ソム(2026年6月30日時点、Economist.kgの集計)
頭取アリ・アリフ・マフムード氏(キルギス国立銀行の登録簿)
電子マネー発行許可(2015年9月16日)
過去の公表値自己資本7,050万ドル、授権資本1,750万ドル、顧客32万4,000人超、顧客預金2億8,600万ドル、ATM184台、支店45(いずれも2021年2月時点、アガ・カーン開発ネットワーク)

設立と株主

同行は2001年に設立された。キルギス国立銀行の免許登録簿によれば、免許第046号の登録日は2001年7月10日である。アガ・カーン開発ネットワークは、傘下のアガ・カーン経済開発基金(AKFED)が同行の創設者の一つであり主要株主であると説明している。

同行が自社サイトで公表していた株主構成は、AKFEDが72%、パキスタンのハビブ銀行が18%、キルギス共和国内閣付属の国有財産管理国家庁が10%である(2025年4月時点の記載)。開発金融の主体、外国の商業銀行、キルギス政府という三者の組み合わせが20年以上維持されてきたことになる。

AKFEDはアガ・カーン開発ネットワークのうち経済開発を担う部門で、途上国において出資・専門経営・技術支援を通じて事業体を育てることを目的に掲げる。ハビブ銀行はパキスタン初の商業銀行として設立された金融機関である。読み手は、この銀行が営利を目的とする商業銀行でありながら、株主構成の上では開発金融の性格を併せ持つ点を念頭に置く必要がある。

事業と規模

アガ・カーン開発ネットワークの記載によれば、2021年2月時点で同行の自己資本は7,050万ドル、授権資本は1,750万ドルで、これによりキルギスで最も資本の厚い銀行だとされていた。同時点の顧客は32万4,000人超、顧客預金は2億8,600万ドル、貸出残高(グロス)は1億6,610万ドル、ATMは184台、支店は45、従業員は1,100人超である。これらは5年以上前の数字であり、現在の規模とは異なる。

同行は本来の業務として、農業、製造業、建設、軽工業といったキルギスの主要産業に中長期の資金を供給することを掲げてきた。これに加えて個人向け市場へ展開し、預金では上位2行、貸出では上位4行に入るまでになったと同ネットワークは記している。決済分野では、国立銀行に次ぐ規模で国内の銀行間処理センター(IPC)に出資しており、エルカルト、Visa、MasterCard、ユニオンペイのカードを扱う。

2020年2月には電子ウォレット「Elsom」を刷新した。遠隔地でも銀行商品を使えるようにする仕組みで、利用者50万人が国内外への送金、口座の開設と管理、入金を行えるとされる。全国1万か所を超える代理店がElsomのサービスを提供している。2021年には、マイクロファイナンス会社のZAO「第一マイクロファイナンス会社(FMFC)」を買収した。零細・中小企業向けの少額融資について、マイクロクレジットの国際的な実務と、銀行の厚い資金基盤、デジタルの提供経路を組み合わせる狙いだと説明されている。

キルギスの銀行部門における位置

経済専門紙エコノミストの集計では、キルギスの商業銀行23行の総資産は2026年6月末時点で1兆4,900億ソムに達し、上位5行で67.7%を占める。同行はエルディク銀行、Aバンク、Mバンク、バカイ銀行に次ぐ第5位で、総資産は1,102億ソムである。

上位行のうち2行が国有、2行が国内の民間資本であるのに対し、同行は国際的な開発金融機関を主要株主とする点で性格が異なる。国立銀行が2025年12月29日に定めた資本の日程では、商業銀行の最低授権資本は2026年7月1日に10億ソム、2030年7月1日に30億ソムとなり、システム上重要と判定された銀行には2027年7月1日から80億ソムが課される。上位行はこの日程に対応できる規模を持つが、資本の追加が必要になった場合、外国の株主が応じるかどうかが論点になる。

読み方の注意

同行のウェブサイトは自動化されたアクセスを遮断しており、月次・四半期の財務諸表を外部から機械的に取得することができない。株主構成については同行が過去に公開していた記載の保存版、事業の内容についてはアガ・カーン開発ネットワークの説明、免許と支店数についてはキルギス国立銀行の登録簿、総資産については各行の公表財務諸表を集計した経済専門紙エコノミストの順位表が、外部から確認できる主な材料になる。

アガ・カーン開発ネットワークの記載にある自己資本・顧客数・支店数は2021年2月時点の値であり、現在の数字ではない。とくに支店45という記載は、国立銀行の登録簿にある24(2026年8月14日時点)と大きく食い違う。これは「支店(филиал)」と、より小規模なサービス拠点を含めた数え方の違いによる可能性があるが、公表資料からは確認できない。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

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