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カザフスタンAI・デジタル発展省

カザフスタンの人工知能・デジタル政策を所管する省。2025年に情報デジタル化省から改組された。データセンター、ロボティクス、電子政府の施策を発表する。

Ministry of Artificial Intelligence and Digital Development of Kazakhstan
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

カザフスタンAI・デジタル発展省は、同国のデジタル政策、通信、電子政府、航空宇宙・電子産業を所管する省である。2025年9月18日に大統領が署名した令により、デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省を改組して設けられた。イノベーションに関する機能は科学・高等教育省へ移された。

カザフスタンは人工知能とデータセンターへの投資を国家戦略として掲げており、デジタル分野の規制と誘致の窓口がこの省になる。通信事業、暗号資産を含むデジタル資産、電子政府サービス、衛星と宇宙産業の政策もここに集まっている。

正式名Ministry of Artificial Intelligence and Digital Development of the Republic of Kazakhstan
設置2025年9月18日に大統領が署名した大統領令により、デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省を改組して設置
大臣ジャスラン・マディエフ(副首相兼任、2026年8月時点)
所在地アスタナ市マンギリク・エル通り55/14 C2.4
所管航空宇宙・電子産業、科学技術の発展、測地・地図・空間データ、情報化・電子政府・個人データ保護・デジタル資産の情報セキュリティ、通信、公共サービス提供の政策、データ管理
下部委員会航空宇宙委員会、情報セキュリティ委員会、電気通信委員会、公共サービス委員会、デジタル資産・先端技術委員会
言語カザフ語・ロシア語・英語

設置の経緯

2025年9月8日の国民向け年次教書で、大統領カシムジョマルト・トカエフはデジタル法典の策定を加速し、人工知能を中心に据えた省を設けると述べた。これを受けて9月18日に大統領令が署名され、デジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省がAI・デジタル発展省へ改組された。新省は前身の権利義務を承継し、イノベーションに関する機能は科学・高等教育省へ移管された。

省の職員向けの電子メールは今も旧称に由来するmdai.gov.kzのドメインを使っており、gov.kz上のページのアドレスは/memleket/entities/maiddである。

2026年8月時点で大臣を務めるのはジャスラン・マディエフで、副首相を兼ねている。

位置づけ

カザフスタンでは、デジタル分野の政策と通信の規制を一つの省が担う体制が続いてきた。前身のデジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省は、電子政府、通信、宇宙産業、イノベーションを所管していた。2025年の改組では、このうちイノベーションが分離され、人工知能とデータ管理が前面に出た。

省の所管には、通信事業者の規制(電気通信委員会)、情報セキュリティと認証センターの認定(情報セキュリティ委員会)、公共サービスの提供(公共サービス委員会)、衛星と宇宙産業(航空宇宙委員会)、暗号資産を含むデジタル資産(デジタル資産・先端技術委員会)が並ぶ。分野が広く、対外的な窓口としても機能する。

測地・地図・空間データが所管に含まれるのは、地図情報の整備が電子政府と土地行政の基盤になるためである。

所管の範囲

省の説明によれば、所管は航空宇宙産業と電子産業、国の科学技術の発展、測地・地図・空間データ、情報化・電子政府・個人データとその保護・デジタル資産・プロジェクト管理の各分野における情報セキュリティの確保、通信分野、公共サービス提供に関する国家政策の策定、そしてデータ管理である。

下部委員会として、航空宇宙委員会、情報セキュリティ委員会、電気通信委員会、公共サービス委員会、デジタル資産・先端技術委員会が置かれている。

公式ページには分野別の欄があり、航空宇宙産業、測地・地図、デジタル資産産業、電気通信・通信、電子産業、情報セキュリティ、認証センターの認定、電子政府と公共サービス、イノベーション、イノベーションへの国家支援措置が並ぶ。

信頼できるソフトウェアと電子産業製品の登録簿(Register of trusted software and electronic industry products)への登録に関する問い合わせ窓口も省が公開している。この登録簿は、公的調達で国産品を優遇する制度に関わる。

公表しているもの

省のプレスセンターでは、宇宙分野の国際会議、人工知能人材育成の事業、IT教育プログラム、都市部での新技術の実証といった発表が出る。2026年8月時点で掲載されていた発表には、宇宙分野の国際会議「SPACE DAYS KAZAKHSTAN 2026」、アスタナ・ハブによるIT人材育成事業の募集、アスタナでの空飛ぶタクシーの実証飛行などがある。

デジタル分野の規制は法令の形で示されるため、制度の内容を確認するには省の発表とあわせて法令データベースに当たることになる。

問い合わせ窓口として、官房、人事部、市民申立ての相談、許認可に関する質問、登録簿に関する質問、報道窓口、倫理担当官の連絡先が公開されている。

デジタル変革の構想など、政策の基礎になる文書は法令データベース(adilet.zan.kz)で本文が公開されている。省のページからもそこへの案内がある。

省は電子政府(egov.kz)と公共サービスの運営に関わっており、行政手続きの電子化に関する発表もここから出る。

利用上の注意

省の名称と所管は2025年の改組で変わったばかりで、それ以前の資料は前身のデジタル発展・イノベーション・航空宇宙産業省の名で出ている。時系列で追うときは、どちらの名称の時期かを確認する必要がある。

通信・インターネットの普及に関する統計は国家統計局が公式統計として公表しており、省の発表と数字の範囲が一致しないことがある。

デジタル資産に関する制度は、アスタナ国際金融センター(AIFC)の枠組みと国内法の枠組みの二つが並存する。どちらの制度の話かによって規制当局が異なるため、区別して読む必要がある。

省の発表はロシア語版が先に出て、英語版が後から追いつく形になることが多い。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

MENTIONED IN

カザフスタン初のロボット・AI複合施設が8月18日にアスタナで着工。QAZBOTが研究開発から現地生産まで2026.08.19カザフスタンAI・デジタル発展省によると、同国初のロボット・AI複合施設の建設が8月18日にアスタナで始まった。主体はQAZBOT Technologiesで、研究開発から現地生産までを一か所に集める。翌19日のフォーラムで次官は、上海での合意を受けたカザフスタンと中国の技術協力の成果と位置づけた。