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サングトゥダ第1水力発電所

サングトゥダ第1水力発電所(OJSC Sangtudinskaya GES-1)は、タジキスタン南部のヴァフシュ川に立地する出力67万キロワットの水力発電所と、それを保有・運営するロシア・タジキスタン合弁の株式会社である。ロシア側が株式の75%マイナス1株、タジキスタン側が25%プラス1株を持つ。ソ連時代に着工して中断した工事をロシア資本で完成させたもので、タジキスタンの電力供給とロシアとの経済関係の双方にとって象徴的な事業になっている。

Sangtudinskaya GES-1

解説 · 2026年8月時点

サングトゥダ第1水力発電所(OJSC Sangtudinskaya GES-1)は、タジキスタン南部のヴァフシュ川に立地する出力67万キロワットの水力発電所と、それを保有・運営するロシア・タジキスタン合弁の株式会社である。ロシア側が株式の75%マイナス1株、タジキスタン側が25%プラス1株を持つ。ソ連時代に着工して中断した工事をロシア資本で完成させたもので、タジキスタンの電力供給とロシアとの経済関係の双方にとって象徴的な事業になっている。

設計上の年間発電量は27億キロワット時で、2025年1月時点の累計発電量は350億キロワット時を超える。ヌレク水力発電所やログン水力発電所に次ぐ規模の電源であり、冬季の電力不足が続くタジキスタンにとって重要な位置を占める。

正式名OJSC Sangtudinskaya GES-1(ОАО «Сангтудинская ГЭС-1»)
設立2005年2月16日(ロシアのインテルRAO UESとタジキスタン・エネルギー工業省が設立合意に署名)
所在ヴァフシュ川(ヌレク貯水池の下流)、ドゥシャンベの南東約110キロ
出力67万キロワット(16万7,500キロワットの水車発電機4台)
設計年間発電量27億キロワット時
ダム高75メートル。貯水池容量2億5,800万立方メートル(有効容量1,800万立方メートル)
株主ロシア側75%マイナス1株、タジキスタン側25%プラス1株
営業運転開始2008年1月20日(1号機)/2009年7月31日(全4基そろい公式に完工)
累計発電量350億キロワット時超(2025年1月時点)
総出資額8億4,700万ドル(2025年の改定議定書で確認)

建設の経緯

建設は1980年代後半に始まったが、1990年代初めの時点で工事は全体の20%しか終わっておらず、内戦の勃発によって中断した。工事再開に向けたロシアとタジキスタンの交渉は2003年に始まり、2004年に政府間協定が結ばれた。

2005年2月16日、ロシアのインテルRAO UESとタジキスタン・エネルギー工業省がドゥシャンベで会社設立の合意に署名し、工事を完成させるための事業会社としてロシア・タジキスタン合弁のOJSCサングトゥディンスカヤGES-1が設立された。

1号機は2008年1月20日、タジキスタンの電力系統が崩壊寸前まで追い込まれた厳冬のさなかに、予定を前倒しして発電を開始した。2号機は2008年7月1日、3号機は同年11月15日に運転入りし、4号機の稼働と発電所全体の完工式は2009年7月31日に両国大統領の出席のもとで行われた。

2025年の条件改定

同発電所の売電条件と、タジキスタン側の電力公社バルキ・トジクが抱える未払金は、長く両国間の懸案だった。2025年6月、タジキスタンの下院(マジリシ・ナモヤンダゴン)は、運営協力協定の改定議定書を承認した。

改定の内容は、まず総出資額を8億4,700万ドルと再確認したうえで、優遇料金を導入するものである。2025年の売電単価は1キロワット時あたり1.5米セントとされ、従来の3.168セントから2.1分の1に下がる。単価は2032年に2.2セントへ緩やかに戻り、2033年から2048年までは3.3セントで固定される。投資回収期間は双方について15年延長され、合計35年、終期は2048年となった。

あわせて、2024年12月31日までに積み上がった未払金32億5,700万ソモニ(約2億9,700万ドル)を、2025年から2034年にかけて段階的に帳消しにすることが定められた。議会の分析によれば、改定条件がもたらす財務上の効果は2025年から2049年までで5億8,800万ドルと見込まれている。

改定の第一の目的は、電力公社バルキ・トジクの財務状態の改善に置かれている。ロシア側にとっては回収期間を延ばして投資の回収を確保し、タジキスタン側にとっては当面の資金繰りを楽にする取引であり、両国のエネルギー協力の再調整という性格を持つ。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

サングトゥダ第1水力発電所とは | Caspian Intelligence