タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領は8月21日、ログン市でログン水力発電所の建設従事者と面会し、国家予算からの定期的な支出と並行して、国際金融機関と開発パートナーから追加の資金を集めるための具体的な措置を取っていると述べた。国営通信ホバルが22日に伝えた。
大統領によれば、2020年以降に世界銀行との協力が定着し、事業の最初の2段階について総額6億5,000万ドルの贈与契約が結ばれた。世界銀行が第2段階のために作成した事業評価文書も同じ枠を示している。第1段階は2024年12月17日に3億5,000万ドルが承認され、第2段階は2026年6月30日に特別引出権(SDR)2億1,920万、3億ドル相当が承認された。第2段階のうち2億1,610万ドル相当は、国際開発協会(IDA)のグローバル・地域機会ウィンドウから拠出される。
第2段階の資金が充てられるのは、1〜4号機(合計設備容量およそ2,520メガワット)の電気機械設備の設計・供給・据付と5号機・6号機の交換用ランナーの供給(ロット1)、その5号機・6号機のランナーと発電機の据付(ロット1Aとロット1B)、右岸に残る構造物の建設(ロット3A)、住民移転・生計回復計画の実施、事業実施の支援、水文気象観測である。IDAの3億ドルの内訳は、建設関連が1億8,200万ドル、事業実施の支援が9,200万ドル、住民移転・生計回復計画が2,100万ドル、水文気象が500万ドルとなっている。第1段階の事業評価文書によれば、第1段階は3号機と4号機の電気機械設備(合計設備容量およそ1,260メガワット)と、5号機・6号機の交換用ランナーの設計・供給を対象としていた。
大統領はさらに、アジアインフラ投資銀行(AIIB)、イスラム開発銀行、サウジ開発基金、クウェート基金、OPEC基金、カタール開発基金、イタリアの国営投融資機関、アブダビ基金との間で、融資と贈与の契約が総額19億ドルを超えて署名済みだと述べた。一方、世界銀行が第2段階の文書に載せた2026年5月時点の一覧では、第1段階の3億5,000万ドルとは別に確保された協調融資は9億4,000万ドルとされている。
世界銀行の一覧による資金枠と承認状況は次のとおり。
| 資金の出し手 | 想定枠(100万ドル) | 2026年5月時点の状況 |
|---|---|---|
| 世界銀行 | 650 | 第1段階の3億5,000万ドルを2024年12月に承認。2025年12月に発効し支出中 |
| AIIB | 500 | 第1段階の2億7,000万ドルを2024年12月に承認。2025年12月に発効、支出条件の達成待ち |
| カッサ・デポジティ・エ・プレスティティ(イタリア) | 150 | 2025年10月に1億5,000万ドルを承認。発効条件の充足待ち |
| 欧州投資銀行・欧州委員会 | 550 | 2026〜27年に審議の見込み |
| アジア開発銀行 | 500 | 2026〜27年に審議の見込み |
| イスラム開発銀行 | 150 | 2023年に1億5,000万ドルを承認。発効・支出中 |
| サウジ開発基金 | 100 | 2023年に1億ドルを承認。発効・支出中 |
| アブダビ開発基金 | 100 | 2025年に1億ドルを承認。発効・支出中 |
| OPEC国際開発基金 | 100 | 2024年に1億ドルを承認。発効・支出中 |
| クウェート・アラブ経済開発基金 | 100 | 第1期の2,000万ドルを2024年に承認、支出中 |
| カタール開発基金 | 50 | 2025年に5,000万ドルを承認、支出中 |
| 国家予算 | 2,090 | 継続的に拠出 |
| 事業収入 | 1,250 | 2027年の輸出開始後を見込む |
大統領が名前を挙げた8機関について、この表の承認済みの額を足すと9億4,000万ドルになる。まだ承認されていない分まで含めて8機関ぶんの想定枠を合計しても12億5,000万ドルにとどまり、どちらの数え方でも19億ドルには届かない。しかも大統領が述べたのは署名済みの契約であり、承認よりも後の段階を指す。どちらも公表された資料に基づく数字だが、この差がどこから生じているのかは、両者の資料からは特定できない。
承認の段階も機関によって違う。発効して支出が始まっていると記されているのはイスラム開発銀行、サウジ開発基金、アブダビ開発基金、OPEC国際開発基金の4つで、カタール開発基金は支出中とだけ書かれている。AIIBは支出条件の達成待ち、イタリアの資金は発効条件の充足待ちである。クウェート基金は1億ドルの枠のうち2,000万ドルしか承認されていない。枠として最大の欧州投資銀行・欧州委員会とアジア開発銀行は、どちらもまだ理事会にかかっていない。
工事の進み方は段階によって差がある。世界銀行の集計では、2026年初めの時点でダム本体(ロット2)はおよそ59%、左岸の先行工事(ロット4)はおよそ87%、右岸の構造物(ロット3)はおよそ31%、電気機械設備(ロット1)は14%が完了した。貯水池の水位は2025年9月に標高1,100メートルに達し、2026年には1,140メートルまでの湛水が計画されている。第1段階でダムを標高1,185メートルまで、第2段階で1,300メートルまで上げる。完成時の高さは335メートル、貯水容量は13.3立方キロメートル、設備容量は3,780メガワットである。
4号機については、ロット1の請負業者であるオーストリアのフォイト・ハイドロの試験設備で7月29日から31日にランナーの試験が行われ、輸送が始まった。ランナーは2026年9月末に発電所へ到着する計画で、面会の場では、ログンHPPとロット1の請負業者が2027年9月に4号機を運転開始させるため必要な措置をすべて講じるよう指示が出された。仮設のランナーを永久のものへ交換することで、夏から秋の季節に2基の発電能力を合計600メガワットまで引き上げられる。ホバルは、この規模がサングトゥダ第1水力発電所の発電能力にほぼ等しいと説明している。ロット1の契約は2021年1月30日に結ばれ、4基分の電気機械設備と補助設備の設計・調達・輸送・据付・試運転に加え、5号機と6号機の永久ランナー2基の製造・納入を含む。ダム本体を対象とするロット2はイタリアのウェビルドが請け負っている。
国内からの資金も増えている。2025年には共和国予算から81億ソモニが建設に振り向けられ、2026年は計画で114億ソモニが見込まれている。今年1〜7月には、すべての資金源を合わせて建設・据付工事に84億ソモニが支出された。2008年から現在までの累計は、国家予算とその他の資金源を合わせて603億ソモニになる。現場では2万人を超える労働者と技術者が働き、機械の台数は4,000台に達している。
発電の使い道は当初の想定から変わった。世界銀行は完成後の年間発電量をおよそ1万4,400ギガワット時と見込み、これは現在のタジキスタンの発電量のおよそ6割、中央アジア全体のおよそ7%にあたる。このうち輸出に回る比率は、第1段階の文書のおよそ7割から、第2段階ではおよそ5割へ下がった。ウズベキスタンとカザフスタンとの間で最終的に結ばれた電力売買契約の数量を反映したもので、国内需要の予測が上方修正されたことが主な理由である。ウズベキスタンとは2025年に政府間協定が結ばれ、カザフスタンとは調整が続いている。中央アジア地域向けの輸出目標も、2035年12月までに年6,000ギガワット時から5,000ギガワット時へ引き下げられた。
資金計画の重さは変わっていない。第1段階の承認時点で、残る工事の費用は62億9,000万ドル、当時のGDPの44%にあたると見積もられていた。世界銀行の一覧では、国家予算からの20億9,000万ドルと、2027年の輸出開始後に見込む事業収入12億5,000万ドルが、外部資金と並ぶ資金源として置かれている。国際通貨基金と共同で作られた債務持続性分析は、タジキスタンの公的債務を持続可能としつつ、債務不履行に陥る危険は高いと評価しており、電力部門の未払いも積み上がっている。大統領が国際金融機関からの追加資金を強調した背景には、想定枠のうち大きい2件、欧州投資銀行・欧州委員会の5億5,000万ドルとアジア開発銀行の5億ドルがまだ承認されていないという事情がある。
