アスタナ国際金融センター(AIFC: Astana International Financial Centre)は、カザフスタンが2018年に首都アスタナで開業させた金融特区である。2017年万博の施設を転用して置かれた。
最大の特徴は法域の切り離しである。AIFC域内の商事紛争には、カザフスタン国内法ではなく英米法(コモンロー)に基づく独自の法体系が適用され、専用のAIFC裁判所と国際仲裁センターが裁く。裁判官には英国等から実務家を招いており、公用語は英語である。旧ソ連圏の司法に対する外国投資家の警戒を、制度ごと迂回する仕組みといえる。
税制面では、センター参加者に対して主要な法人関連税の免除が長期で約束されている。金融業の登録企業を誘致し、域内の資本市場を育てるのが狙いである。
中核にAIX(アスタナ国際取引所)がある。国営石油のカズムナイガスや国営原子力のカザトムプロムの株式が取引され、カザフスタン企業の民営化・上場の受け皿として使われてきた。
この地域の資本市場は、ジョージアの主要銀行がロンドン上場(バンク・オブ・ジョージア、TBC、ライオン・ファイナンス)という形を取るのに対し、カザフスタンは国内に国際基準の市場を作るという別の道を選んだ。どちらも「自国の法制度だけでは国際資本を呼べない」という同じ問題への答えである。
このサイトでは、AIXでの上場・増資、カザフスタン企業の資本調達をテーマ「資本市場」で追っている。