週間まとめ

先週の中央アジア・コーカサス:アゼルバイジャン中銀が8月に15億ドルの買い介入、ABBがダヴル銀行株51%の取得を完了(9月7日〜13日)

アゼルバイジャン中銀は8月に15億ドルの買い介入を実施し、中銀によると外貨準備は過去最高の153億ドルになった。ジョージアの総国際準備も過去最高を更新した。ウズベキスタンでは、アゼルバイジャンのABBがダヴル銀行株51%の取得を完了し、国家資産の購入時の前払金を35%から15%へ下げる大統領令の内容も公表された。カザフスタンではKaspi.kzの臨時株主総会が、第2四半期の配当を1株1,000テンゲに増やす提案を承認した。

資料写真:カスピ海の砂浜/Interfase(Public domain)出典
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9月7日、アゼルバイジャンとジョージアの中央銀行がそろって準備高の過去最高を発表した。アゼルバイジャン中央銀行は8月に外国為替市場で15億ドルの買い介入を実施したとし、経常収支の黒字と金融部門の脱ドル化を背景に、市場で外貨の供給が需要を上回ったと説明した。中銀によると、外貨準備は年初来38億ドル、率にして33%増えて過去最高の153億ドルになった。中銀は買い入れた外貨を再び市場へ振り向けることも排除しないとしたが、その時期はアゼルバイジャン語版が期限を置かず、英語版は「年内に」と書いている。国家統計委員会が9日に公表した戦略外貨準備は9月1日時点で907億6,970万ドル、前年同期比15.7%増で、中銀の公式外貨準備とは別の指標だが、統計委員会の表には定義も内訳も書かれていない。ジョージア国立銀行は8月時点の総国際準備が前年同月比56.4%増の81億4,000万ドルとなり過去最高を更新したと発表した。貨幣用金は11億4,920万ドルで準備の14.1%を占める。1〜7月の外貨純購入額は25億6,660万ドルだったが、前月比6億1,300万ドルの増加のうち買い入れによる分は発表に書かれていない。

ウズベキスタンでは為替と銀行の両面で動きがあった。中央銀行は9月10日、9月15日から公定為替レートの算出に銀行間の店頭市場で成立した取引を加えると発表した。為替取引所と店頭の取引の加重平均レートを基に決めるが、両者の比重も店頭取引の規模も示されておらず、変更が公定レートの水準に影響するかどうかは発表から読み取れない。翌11日には、アゼルバイジャン国際銀行(ABB)がダヴル銀行の株式51%の取得を完了したと発表した。タシケント共和国証券取引所の記録では、10日にダヴル銀行の普通株計5,100万株が1株32,281.28スムで6件約定し、売買代金の合計1兆6,463億4,528万スムはABBが示した総額1.646兆スム(約1億4,000万ドル)と合う。取得の計画そのものは6月から段階を追って公表されてきたが、価格はそれまでの発表に書かれておらず、この約定で取引所の記録に残った。

株主への還元では、カザフスタンの上場企業2社が動いた。米ナスダックに上場するKaspi.kzの臨時株主総会は9月9日、第2四半期の配当を1株1,000テンゲとすることを承認した。前回の850テンゲから18%の増額で、8月10日の決算で公表された取締役会の提案どおりである。総会結果の発表に総額は書かれておらず、6月30日時点の流通株式で計算すると約1,900億テンゲ、同四半期の連結純利益の約73%にあたる。金生産会社ソリッドコア・リソーシズは9月8日、最大12億ドルを株主に還元する市場内公開買付を提案した。買付価格は1株11.66ドルで、対象は発行済み株式の約23.2%にあたる最大1億291万5,952株だが、実施は9月30日の株主総会での決議の可決が前提で、筆頭株主マーデンとネシス最高経営責任者は買付に応じないと撤回不能の確約をしている。12億ドルの枠は会社が示すネットキャッシュ7億4,700万ドルを上回り、手元資金14億ドルは下回る。会社は資金需要を超える現金の一回限りの還元と位置づけている。

制度の面では、カザフスタンで債券の課税を見直す方向が支持され、国際金融センターでは新しい取引と覚書が発表された。国民経済省は9月7日、準国家部門の債券を国内の取引所で取得して取引所外で売却した場合の譲渡益を非課税とする方向が税法典導入プロジェクトオフィスの会合で大筋で支持されたと発表した。準国家部門のテンゲ建て債券の残高は約17兆6,000億テンゲで、国債に占める非居住者の平均シェア8.1%を当てはめた潜在的な投資額は約1兆4,000億テンゲとされるが、これは試算値で実際の保有額ではなく、法改正の内容も時期も書かれていない。9月9〜10日のアスタナ・ファイナンス・デイズ2026では、アスタナ国際取引所(AIX)が自主的炭素クレジットの取引を始めた。取引の場を設ける計画は2024年11月にアスタナ国際金融センター(AIFC)が示しており、新しいのは取引が実際に始まったことである。規制当局のアスタナ金融サービス機構(AFSA)は清算参加証書を適格投資に指定し、ジョージア国立銀行とは相互アクセスに関する覚書を結んだが、相互アクセスがいつ、どの業務から始まるかは書かれていない。取引量や発行額など、実際に動いた資金の大きさを示す数字は一連の発表に出ていない。

国家資産では、ウズベキスタンの国家資産管理庁が9月8日、8月28日付の大統領令UP-177の内容を公表した。84社の国家持分、不動産1,242件、約8,000ヘクタールの土地を入札に出し、資産の総額は100兆スム、年内に少なくとも14兆スムの売却収入を見込む。購入時の前払金は35%から15%へ下がり、残額の分割払いは無利子になった。これらの仕組みは国家が出資する商業銀行の資産の売却にも適用できるが、対象となる資産の規模も件数も書かれていない。入札の規模は大統領が8月の企業家との公開対話ですでに述べたものだと同庁は明記している。大統領令の本文は、9月9日の時点では国家法令データベースに収載されていなかった。カザフスタン大統領府は9月9日、国家福祉基金サムルク・カズナのジャクポフ理事長がトカエフ大統領に2026年に計3.2兆テンゲ規模の投資事業を完了する計画だと報告したと発表した。この額は完了する事業の規模として示されたもので、2026年中の投資額は示されていない。2027〜2029年にはエネルギー、石油ガス、交通・デジタルインフラの分野で38事業・21兆テンゲを実施する予定だが、内訳も、21兆テンゲが総事業費か基金の負担分かも書かれていない。報告に挙がった個々の事業には以前から計画が公表されてきたものが含まれ、新たに示されたのはこれらの集計値である。

産業では、ウズベキスタン大統領府が9月10日、電機産業のプレゼンテーションで2030年までに生産を関連産業を含め110億ドル、輸出を50億ドルとする計画が検討されたと伝えた。1〜7月の輸出は7億600万ドルである。銅原料の代金の75%をウズサノアトエクスポルトが立て替える支援策は提案の段階で、発表は計画と提案を大統領が承認したとは伝えていない。同じ10日には、中国企業と進めるごみ焼却発電6事業で9月1日時点に2億8,680万ドルの投資が実行されたことも公表された。総事業費9億3,300万ドルは4月30日に公表済みで、稼働はカシュカダリヤ州とサマルカンド州が2026年、残る4州が2027年の予定とされた。アゼルバイジャンでは同じ日、アリエフ大統領がバクーのガラダグ地区でFabriora Groupの紙・衛生用品工場の開所式に出席した。大統領府によると投資総額は2,700万マナトで、同社は設備輸入の付加価値税と関税で100万マナトの免除を受けたが、生産能力も生産を始める時期も書かれていない。カザフスタン貿易統合省は9月9日、インド・チェンナイでのビジネスフォーラムを機に、カザフスタンのSP BKM社とソナリカ・グループのインターナショナル・トラクターズがトラクターの段階的な組立と現地化で価額1億2,000万ドルの文書に署名したと発表した。同省は「枠組み協定」と呼ぶが、在インド大使館は「合弁企業設立の覚書」として額を書いておらず、カザフスタン国内のどこで、いつ組立を始めるかも投資額も、どちらの発表にも書かれていない。同じ9日には東カザフスタン州知事府が、タルバガタイ地区で魚の養殖と高度加工を行う複合施設の建設が始まったと発表した。設計能力は水産加工品で年間最大4,000トンとされるが、投資額も稼働の時期も書かれていない。

インフラでは9月7日、欧州復興開発銀行(EBRD)が、アルマトイ市と同州のおよそ400万人に電力を供給する配電会社アラタウ・ジャリク・カンパニーに上限1,020億テンゲ(1億9,400万ユーロ相当)の長期融資を発表した。資金は自動検針と遠方監視制御の機器の調達、低圧・中圧の送配電設備の更新に充てるが、融資の期間と金利、契約の署名時期は書かれていない。カスピ海では在アゼルバイジャン・カザフスタン大使館が9日、カザフスタンがクルク港とバクー港を結ぶフェリー航路での旅客輸送の再開を提案し、アゼルバイジャン側が支持して両国の運輸当局が作業を始めたと発表した。旅客輸送は2020年に新型コロナウイルスの流行で取りやめになり、停止前の利用は年間およそ1,500人だった。再開の時期は書かれていない。

対外関係では、ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領とセルビアのブチッチ大統領が9月8日にベオグラードで会談し、戦略的パートナーシップの樹立に関する共同宣言に署名した。ウズベキスタン大統領府が挙げた二国間文書20件には自由貿易協定の交渉を始めるための作業部会の設置が含まれるが、交渉の開始時期は示されていない。8月30日にインドとの関係を包括的戦略パートナーシップへ引き上げた際には2030年までに貿易額を50億ドルにする数値目標が書かれていたが、セルビアとの間ではこれに当たる目標が示されておらず、貿易額も投資額も発表に出てこない。キルギスでは9月8日、閣僚会議がアクンベコフ副議長兼水資源・農業・加工産業相とパキスタン大使の会談でインゲン豆の対パキスタン輸出が協議されたと発表した。年間の輸出余力は5万トン超で、2年以内に二国間貿易を2億ドルとする水準は最近の高官往来の枠内で意向が確認されたとされるが、この会談で文書に署名したとは書かれていない。国内向けには、同じ日に水資源・農業・加工産業省が主要な食品の自給率を2030年までに100%へ引き上げる計画を示し、1〜6月の充足率はジャガイモが198.9%、果実・ベリー類が15.6%だった。ただし同省が同じ日に出したもう1本の発表は3品目で異なる値を示しており、算定の方法はどちらにも書かれていない。

今後の予定では、ウズベキスタンの公定為替レートの新しい算出方法が9月15日から使われる。ジョージア国立銀行は9月25日に8月分の外貨純購入額を公表する予定である。ソリッドコア・リソーシズの株主総会は9月30日に開かれる。ジョージア国立銀行は10月7日に次回の国際準備の数値を公表する予定である。ソリッドコアが見込みとして示した日程では、買付の受付は10月12日に締め切られる。「ABB Davr」ブランドでの営業開始について、ABBは「近日中」とし、頭取は10月ごろにはブランドが見られるだろうと述べていた。ウズベキスタンで民営化の再審査を禁じる法律は11月18日に施行される。

この記事の日付 2026年9月14日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年9月14日 23:48

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