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カザフスタン

中央アジア最大の経済規模を持つ内陸国。原油・ウラン・穀物を輸出し、中国と欧州を結ぶ中間回廊の陸上区間の大半がこの国を通る。

Kazakhstan · Capital Astana

概況 · 2026年8月時点

カザフスタンは世界最大の内陸国であり、国土面積は世界9位である。人口は2,059万人(世界銀行、2024年)で、1平方キロメートルあたり7.4人という人口密度は世界でも最も低い部類に入る(世界銀行の国別概況、2026年8月時点)。北でロシア、東で中国と接し、中国と欧州を結ぶ中間回廊の陸上区間の大半がこの国を通る。

稼ぎ頭は資源である。財の輸出に占める燃料の割合は56.7%(世界銀行、2024年)で、テンギス、カシャガン、カラチャガナクの三大油田が生産の中心をなす。ウランでは、国営のカザトムプロムが単体で世界最大の生産者であり、カザフスタン全体の生産は世界の一次生産の約4割を占める。原子力発電の燃料供給を考えるうえで避けて通れない国である。

資源以外では、小麦をはじめとする穀物、銅・亜鉛・鉄鋼などの金属、近年はタングステンなどの重要鉱物の開発が進む。付加価値でみた産業構成は農業3.9%、工業32.1%、サービス57.9%(世界銀行、2024年)で、消費とサービスの比重は資源国としては小さくない。金融では、決済・EC・銀行を一つのアプリに束ねたカスピ・ケーゼットが2024年にナスダックへ上場しており、資源とは別の層も育っている。

基本情報

正式名称カザフスタン共和国(Republic of Kazakhstan)
首都アスタナ(最大都市はアルマトイ)
人口2,059万人(世界銀行、2024年)
名目GDP2,915億ドル(世界銀行、2024年)。域内8か国で最大
一人あたりGDP1万4,155ドル(世界銀行、2024年)
実質GDP成長率6.5%(2025年)、5.0%(2024年)(世界銀行の国別概況、2026年8月時点)
消費者物価前年同月比12.3%(2025年12月)。2024年は8.6%(世界銀行)
政策金利18%(2025年末、カザフスタン国立銀行。世界銀行の国別概況による)
通貨テンゲ(KZT、記号 ₸)
産業構成農業3.9%/工業32.1%/サービス57.9%(付加価値ベース、世界銀行、2024年)
主な輸出原油・石油製品、ウラン、鉄鋼・非鉄金属、小麦。燃料が財の輸出の56.7%(世界銀行、2024年)
対内直接投資20億9,300万ドル(純流入、国際収支ベース、世界銀行、2024年)
加盟する主な枠組みユーラシア経済連合(EAEU)、上海協力機構、テュルク諸国機構、CAREC

石油とウラン、そしてその運び方

カザフスタンの輸出を支えるのは、カスピ海沿岸の三大油田である。テンギス油田の拡張により2025年の原油生産は13.5%増え、これが同年の成長率を押し上げた(世界銀行の国別概況、2026年8月時点)。国営のカズムナイガスはテンギスに20%、カシャガンに約16.9%、カラチャガナクに10%の権益を持ち、三つすべてに関わる。

問題は運び方である。原油の大半はカスピ海沿岸からロシア領を通って黒海のノヴォロシースクへ抜けるCPCパイプラインで運ばれる。一本の経路への依存が、この国の輸出収入を地政学に直結させている。カスピ海を船で渡ってバクーへ抜ける中間回廊の整備が続くのは、この構造を薄めるためでもある。

ウランは国営カザトムプロムが担う。2025年の生産量は2万5,000〜2万6,500トンU(100%ベース)で、世界の一次生産の約2割にあたる。同社は2018年11月にロンドン証券取引所とアスタナ国際取引所へ上場し、4億5,130万ドルを調達した。

鉄道は国有のカザフスタン鉄道(KTZ)が1万5,000キロ超の路線網を運営し、2025年に3億1,980万トンを運んだ。石炭、穀物、金属、石油製品という主要輸出品はほぼすべてこの線路を通る。

足元の景気

2025年の実質GDPは6.5%増と、2024年の5.0%から加速した。牽引したのは鉱業だが、小売も7.5%伸びており、その多くは家計の借り入れに支えられている。製造業は6.4%、サービスは5.5%の伸びだった。失業率は2025年第4四半期まで4.6%で横ばいである(世界銀行の国別概況、2026年8月時点)。

一方でインフレは加速した。消費者物価は2025年12月に前年同月比12.3%と、2024年の8.6%から大きく上がっている。輸入コストの上昇、準財政的な支出の拡大、公共料金の引き上げが要因で、カザフスタン国立銀行は政策金利を2025年末に18%へ引き上げた。実質賃金は2025年第3四半期に2%下がっている。

政府は2030年までに経済規模を2023年比で2倍にする目標を掲げる。世界銀行は、その達成には国家の関与を減らして競争を促すこと、インフラと人的資本への投資、脱炭素の前進が必要だと指摘している。

投資の受け皿

外国資本の受け皿として置かれているのが、2018年に首都アスタナで開業したアスタナ国際金融センター(AIFC)である。域内の商事紛争には英米法に基づく独自の法体系が適用され、専用の裁判所と国際仲裁センターが裁く。旧ソ連圏の司法に対する外国投資家の警戒を、制度ごと迂回する仕組みといえる。

国有企業の株式は政府系ファンドのサムルク・カズナが一元的に保有する。運用資産は約886億ドル(2025年末)で、カズムナイガス、KTZ、カザトムプロム、KEGOC、カザフテレコム、エア・アスタナの親会社がすべてここに集まる。大型の民営化や上場のニュースは、ほぼ例外なくこのファンドを経由する。

日本との関係

日本企業はカスピ海の上流事業に長く関わってきた。INPEXは1998年9月にカザフスタン北カスピ海沖合鉱区の権益を取得し、子会社のINPEX北カスピ海石油が7.56%を保有する。同鉱区のカシャガン油田は2016年10月に原油の出荷を始め、2025年7月に累計生産量が10億バレルに達した(INPEXの公表資料)。

開発協力では、JICAが独立後の首都アスタナの都市計画づくりとインフラ整備を支援し、鉄道輸送力増強事業、イルティシュ川橋梁建設事業、アスタナ空港改修事業、西カザフスタン道路改修事業などを手がけた。現在は経済・社会インフラの整備、持続的経済成長のための人材育成、環境保全・気候変動対策を重点分野としている。

近年はカザフスタン自身が近隣国へ開発援助を行う側に回っており、その実施機関KazAIDの体制づくりへの協力も進んでいる。

参考資料

このページの数字は2026年8月時点のものである。新しい統計が公表されしだい更新する。 日々の動きは下の記事一覧で追える。

LATEST NEWS

ソリッドコア・リソーシズの株主総会、買付の3決議を可決。賛成率94.37〜99.11%、上限1億291万5,952株の取得条件が満たされる2026.09.30カザフスタンの金生産会社ソリッドコア・リソーシズは9月30日、同日の株主総会で株式買付に関する3つの決議すべてが可決されたと発表した。賛成率は94.37〜99.11%。決議が可決されなければ株式を取得しないという買付の前提条件が満たされた。受付は9月9日から開いており、10月12日午後5時(アスタナ時間)まで続く。カザフスタンの年金積立、民間運用への委託申請は9月7〜22日で約690億7,000万テンゲ。実際の移管は9月1〜22日で194億テンゲ超2026.09.29カザフスタンの統一積立年金基金ENPFは、積立金を民間運用へ最大100%まで委託できる制度が9月7日に始まり、9月7〜22日に約3万9,870件・約690億7,000万テンゲの申請を受け付けたと国営通信カズインフォルムの取材に明らかにした。実際の移管は期間の異なる9月1〜22日で194億テンゲ超・1万6,664件。先週の中央アジア・コーカサス:EBRDがウズベキスタンの2026年成長率予測を7.5%へ上方修正、シルダリヤ州の新設火力で1,600メガワットが緊急停止(9月21日〜27日)2026.09.28EBRDが9月24日に公表した地域経済見通しで、中央アジア・コーカサス8か国のうち6月版から予測が動いたのはウズベキスタン(2026年を7.5%へ)とジョージア(6.5%へ)の2か国だけだった。25日にはシルダリヤ州の試運転中の火力発電所で1,600メガワットが緊急停止したとウズベキスタン・エネルギー省が発表した。カザフスタンでも合計962メガワットの負荷が遮断されたと、KursivがKEGOCのデータとして伝えている。ウズベキスタン大統領府はカラカルパクスタンとアンディジャンの事業を相次いで公表し、カザフスタンの銀行部門の1〜8月の純利益は13.6%減った。ウズベキスタンの新設火力で1,600メガワットが緊急停止。KEGOCのデータではカザフスタンで962メガワットの負荷遮断2026.09.25ウズベキスタン・エネルギー省は9月25日、シルダリヤ州にあるEDF社の新しい火力発電所で05時05分に1,600メガワットが緊急停止したと発表した。試運転中の発電所で、発表に原因の記載はない。カザフスタンでは962メガワットの負荷が遮断されたと、KursivがKEGOCのデータとして伝えた。EBRD、ウズベキスタンの2026年成長率予測を1.0ポイント上げ7.5%に。ジョージアも0.5ポイント上げ6.5%、他の6か国は据え置き2026.09.24EBRDが9月24日に公表した地域経済見通しの2026年9月版(題名「Running dry」)で、中央アジア・コーカサス8か国のうち6月版から予測が動いたのはウズベキスタン(2026年を1.0ポイント上げ7.5%)とジョージア(2026年・2027年を0.5ポイントずつ上げ6.5%・5.5%)の2か国だった。ソリッドコア・リソーシズ、日本ゴールドと探査提携。3年でカナダドル3,500万(米ドル2,500万)の探査費を全額負担し、5区域で段階的に最大80%の権益を取得する権利2026.09.23カザフスタンの金生産会社ソリッドコア・リソーシズは9月23日、カナダの日本ゴールドと、日本の5探査区域を対象とする提携を発表した。3年間の探査費カナダドル3,500万(米ドル2,500万)を全額負担し、完了すれば選んだ1つ以上の区域で49%、調査費を続けて出せば最大80%の権益を得る。私募で株式18.81%も取得した。先週の中央アジア・コーカサス:韓国と中央アジア5か国がソウルで第1回首脳会議、アルメニア中銀が政策金利を6.75%へ引き上げ(9月14日〜20日)2026.09.21韓国と中央アジア5か国は9月16日、ソウルで第1回首脳会議を開き、2年に1度の開催を宣言に記した。カザフスタンのトカエフ大統領は訪韓中に約190億ドルの商業上の合意が署名されたと述べ、ウズベキスタン大統領府は署名や投資の決定に触れずに約120億ドルの有望プロジェクトが準備されたとしたが、どちらも案件ごとの金額は示されていない。アルメニア中銀は2022年12月以来の利上げで政策金利を6.75%とし、欧州議会は同国産品の従価税を免除する規則で第1読会の立場を採択し、理事会の承認と官報掲載を待つ。カザトムプロム、ロシアの硫酸の輸出制限を「禁止するものではない」と説明。12月31日まで輸出は首相・副首相の決定による、ロシアの供給者は2026年分の契約を履行する用意2026.09.21カザトムプロムは9月21日、ロシア政府が9月12日付の決定で定めた硫酸の一時的な輸出制限について、現時点の情報では輸出の禁止ではなく、輸出量の承認手続きを改めるものだと説明した。ロシアの供給者は2026年分の契約を履行する用意があると確認し、輸出の許可に必要な書類を当局へ出しているという。カザフスタン国立銀行副総裁、外貨預金金利の段階的な自由化に着手できるとし、変更は10月から導入の予定と述べる2026.09.21カザフスタン国立銀行のモルダベコワ副総裁は9月21日に公表されたKapital.kzのインタビューで、外貨預金金利の段階的な自由化に着手できるとし、変更は10月から導入する予定だと述べた。何をどこまで緩めるかは示していない。預金保証基金が新規の個人の固定金利の外貨預金に定める上限金利は現在全区分で1.0%だが、副総裁は自由化がこの上限に及ぶかどうかに触れていない。カザフスタン、炭化水素の56区画を12月25日にオークションへ。4月に出した区画の再出品を含む2026.09.21カザフスタン・エネルギー省が炭化水素の地下資源利用権をめぐる電子オークションを公告し、56区画を出品する。入札は12月25日、参加申請の締切は11月18日と国営通信カズインフォルムが伝えた。4月30日の公告と面積・署名ボーナスが同じ区画が含まれ、先に出された30区画については、9区画分しか申請がなかったとKursivが伝えている。カザフスタンの銀行部門、1〜8月の純利益は13.6%減の1兆6,099億テンゲ。純金利収入はほぼ横ばい、純手数料収入は25.5%減2026.09.18カザフスタン国立銀行が9月18日に公表した商業銀行の合算損益計算書で、2026年1〜8月の純利益は1兆6,099億テンゲと、前年同期から2,541億テンゲ(13.6%)減った。利息収入は16.1%、利息費用は30.7%増え、純金利収入は0.4%減とほぼ横ばい。純手数料収入は25.5%減った。カザフスタンのエネルギー・住宅公共サービスの近代化、最初の14施設で工事完了・投資273億テンゲ。EPC入札に約300件の申し立て2026.09.18カザフスタン首相府は9月18日、エネルギーと住宅公共サービス(熱供給・上下水道など)の近代化を掲げる国家プロジェクトの進捗を公表した。最初の14施設で工事が完了し、投資額は273億テンゲ。組成された事業は347件・8,390億テンゲで、うち77件・1,260億テンゲが着工した。EPC業者を決める入札には7月以降、約300件の申し立てがあった。カザフスタン、固体鉱物のロイヤルティ導入を2027年から2029年へ移す案。税法典導入プロジェクトオフィス第28回会合の参加者が支持2026.09.17カザフスタン首相府は9月17日、税法典導入プロジェクトオフィスの第28回会合で、固体鉱物へのロイヤルティの適用開始を2027年1月1日から2029年1月1日へ移す案を参加者が支持したと発表した。提案したのは産業建設省で、発表は税率の設定などを追加の検討を要する論点として挙げている。韓国と中央アジア5か国、ソウルで第1回首脳会議。宣言で2年に1度の開催に合意し、産業・供給網の協力で覚書2026.09.16韓国と中央アジア5か国は9月16日、ソウルで第1回首脳会議を開き、ソウル宣言を採択した。宣言は、首脳会議を2年に1度開くとし、カザフスタンが2028年にアスタナで第2回を開く用意を示したことを他の国が支持したと記した。産業・供給網の協力の覚書が結ばれ、産業相の協議体も設けられた。先週の中央アジア・コーカサス:アゼルバイジャン中銀が8月に15億ドルの買い介入、ABBがダヴル銀行株51%の取得を完了(9月7日〜13日)2026.09.14アゼルバイジャン中銀は8月に15億ドルの買い介入を実施し、中銀によると外貨準備は過去最高の153億ドルになった。ジョージアの総国際準備も過去最高を更新した。ウズベキスタンでは、アゼルバイジャンのABBがダヴル銀行株51%の取得を完了し、国家資産の購入時の前払金を35%から15%へ下げる大統領令の内容も公表された。カザフスタンではKaspi.kzの臨時株主総会が、第2四半期の配当を1株1,000テンゲに増やす提案を承認した。トカエフ大統領、BRICSプラス会合(13日)で演説。加盟国・パートナー国との2025年の貿易は約720億ドルと述べ、AI分野のパートナーシップを提案2026.09.13カザフスタンのトカエフ大統領は9月13日、ニューデリーでのBRICS首脳会議のBRICSプラス会合で演説し、加盟国・パートナー国との2025年の貿易が約720億ドルに達したと述べた。AI分野のパートナーシップを提案し、新開発銀行はカザフスタンを含むBRICS諸国の採算の取れる事業への融資を検討しうるとも述べた。アスタナ・ファイナンス・デイズ2026、AIXが炭素クレジットの取引を開始。AFSAはジョージア国立銀行と相互アクセスの覚書2026.09.10アスタナ国際金融センター(AIFC)が9月9〜10日に開いたアスタナ・ファイナンス・デイズ2026で、アスタナ国際取引所が自主的炭素クレジットの取引を始め、規制当局のAFSAは清算参加証書を適格投資に指定した。AFSAはジョージア国立銀行と相互アクセスの覚書を結んだ。取引量や金額はいずれも示されていない。Kaspi.kzの臨時株主総会、第2四半期配当1株1,000テンゲを承認。前回の850テンゲから18%増で、9月9日から支払い2026.09.10カザフスタンのKaspi.kzの臨時株主総会は9月9日、第2四半期の配当を1株1,000テンゲとする取締役会の提案(8月10日公表)を承認し、支払開始日を9月9日とした。前回の850テンゲから18%増。6月末の流通株式数で計算すると総額は約1,900億テンゲで、同四半期の連結純利益の約73%にあたる。東カザフスタン州タルバガタイ地区で養殖・加工施設が着工。設計能力は年最大4,000トン、新規雇用150人以上2026.09.09東カザフスタン州知事府は9月9日、タルバガタイ地区トゥグル村で魚の養殖と高度加工を行う複合施設の建設が始まったと発表した。設計能力は水産加工品で年間最大4,000トン、稼働後の新規雇用は150人以上を見込む。事業者はZAISAN SEEで、投資家はポーランド国籍の個人である。投資額は発表に書かれていない。カスピ海のクルク〜バクー航路、旅客輸送の再開へ両国の運輸当局が着手。停止前の利用は年間およそ1,500人2026.09.09在アゼルバイジャン・カザフスタン大使館は9月9日、カザフスタンがクルク港とバクー港を結ぶフェリー航路での旅客輸送の再開を提案し、アゼルバイジャン側が支持したと発表した。旅客輸送は2020年に新型コロナウイルスの流行で取りやめになり、停止前の利用は年間およそ1,500人だった。

COMPANIES

カザフスタンの主要企業一覧75社を業種・規模・所有者とともに整理(2024年通期)カズムナイガスカズムナイガス(KazMunayGas、KMG)は、カザフスタンの国営石油ガス会社である。国を代表して地下資源利用契約に参加する立場にあり、同国の三大油田であるテンギス、カシャガン、カラチャガナクのすべてに権益を持つ。自社で操業する中堅油田群、国内の原油パイプライン網、タンカー船隊、国内3か所の製油所とルーマニアの2か所の製油所、そして石油化学の合弁を傘下に収める垂直統合型の企業である。カザトムプロムカザトムプロム(NAC Kazatomprom JSC)は、カザフスタンの国営原子力企業であり、世界最大のウラン生産者である。2025年の生産量は自社と合弁相手の権益を合算した100%ベースで2万5,839トンU、権益に応じた持分ベースで1万3,519トンUだった。同年の世界の天然ウラン一次生産は6万6,490トンUと同社は見積もっており、持分ベースで約20%、グループの鉱山全体では約39%を占める計算になる。単独の企業としてこの規模に並ぶ相手はいない。カザフスタン鉄道(KTZ)カザフスタン鉄道(Kazakhstan Temir Zholy、KTZ)は、カザフスタンの国有鉄道会社であり、同国の幹線鉄道網を運営する事業者である。営業キロは1万6,000キロ、主要本線の展開延長は2万1,100キロにのぼり、17の州と3つの直轄市を結ぶ。石炭、鉄鉱石、穀物、石油製品といった同国の主要な貨物は、そのほとんどがこの会社の線路を通る。従業員は11万8,506人(2025年)で、国内最大級の雇用主でもある。サムルク・カズナサムルク・カズナ(Samruk-Kazyna)は、カザフスタンの主要国有企業の株式を一元的に保有する政府系ファンドである。石油ガスのカズムナイガス、鉄道のKTZ、ウラン世界最大手のカザトムプロム、送電のKEGOC、通信のカザフテレコム、ガスのQazaqGazと、この国の基幹産業の親会社がすべてここに集まる。唯一の株主はカザフスタン政府で、取締役会の議長は首相が務める。カザフスタンの大型民営化や国有企業の改革のニュースは、ほぼ例外なく同ファンドを経由する。カスピ・ケーゼット(Kaspi.kz)カスピ・ケーゼット(Kaspi.kz)は、決済・電子商取引・消費者金融を一つのアプリに束ねた「スーパーアプリ」の運営会社である。カザフスタン国内では2025年末に月間1,570万人が利用し、そのうち1,070万人が毎日開いている。人口2,050万人の国でこの数字であり、公共料金の支払い、店頭でのQR決済、送金、分割払い、住民票や運転免許といった行政手続きまでが同じ画面のなかで完結する。日常生活のインフラに近い位置にある。エア・アスタナエア・アスタナ(Air Astana)は、カザフスタンのフラッグキャリアである。傘下の格安航空会社(LCC)フライアリスタンと合わせ、2025年に970万人を運んだ中央アジア最大の航空グループで、2024年には地域の航空会社として初めてロンドンを含む3市場への上場を果たした。

GUIDE

テンギス油田とカシャガン油田とはカザフスタンの石油生産を左右する二つの巨大油田について、埋蔵量と生産量、操業会社の出資構成、テンギスの拡張事業FGP-WPMPの完了、カシャガンが硫化水素と海氷に阻まれた経緯、CPCに偏った輸出経路、そして国家財政に占める位置を、操業会社と国営カズムナイガスの公表資料にもとづいて整理する。CPC(カスピ・パイプライン・コンソーシアム)とはカザフスタンの原油輸出の大半を担うCPCパイプラインについて、経路と設備、株主構成、拡張の経緯、輸送実績、2025年以降に相次いだ攻撃と停止、代替ルートの限界を整理する。アスタナ国際金融センター(AIFC)とはカザフスタンがアスタナ市内に設けた金融特区AIFCについて、根拠となる憲法的法律、英米法にもとづく独自の法体系、AIFC裁判所と国際仲裁センター、規制当局AFSA、2066年までの税の免除、登録企業と誘致した投資の規模、世界の金融センター指数での位置づけを、公表資料にもとづいて整理する。ホルゴスとは(中国・カザフスタン国境の物流拠点)中国とカザフスタンの国境にある物流拠点ホルゴスについて、内陸港の取扱量と出資構成、鉄道の国境駅アルティンコルとドストゥクの違い、経済特区と国際国境協力センターの仕組みを整理する。中間回廊(カスピ海横断国際輸送ルート)とは中国と欧州をカスピ海経由で結ぶ輸送路「中間回廊」について、経路と積み替えの実際、カザフスタン・アゼルバイジャン・ジョージア3国の鉄道が作った運営の枠組み、輸送量、集まる投資、そして隘路と対策を、運営主体の発表にもとづいて整理する。中央アジア・コーカサスの政府系ファンドとはカザフスタンの国民基金とサムルク・カズナ、アゼルバイジャンのSOFAZ、ウズベキスタンの再建発展基金など、域内の政府系ファンドを性格の違い(歳入の安定化、国有資産の持株、開発金融)ごとに整理し、規模、予算への移転の仕組み、為替への効き方、数字の読み方を解説する。ユーラシア経済連合(EAEU)とはロシア主導の経済統合の枠組みEAEUについて、関税同盟から連合への成り立ち、最高評議会・委員会・裁判所という機関の構え、共通関税と労働移動の実際、オブザーバー国、そして中央アジア・コーカサスの加盟3か国にとっての意味を整理する。中央アジア統一電力系統(CAPS)とは中央アジア4か国の送電網がなぜつながっているのか。ソ連期の設計、水と電力の交換という仕組み、1990年代からの分断と再統合、2026年8月の4か国停電、そして南アジアへ延びるCASA-1000までを整理する。