カザフスタンの統一積立年金基金ENPFは、年金積立金を民間の運用会社へ最大100%まで委託できる制度が9月7日に始まり、9月7日から22日までに約3万9,870件・約690億7,000万テンゲの申請を受け付けたことを、国営通信カズインフォルムの取材に明らかにした。うち約1万500件・282億テンゲは、積立金の全額を投資ポートフォリオ運用会社(UIP)へ移す申請である。
申請は移管の完了ではない。同じ取材でENPFが示した、国立銀行の運用からUIPへ実際に移った額は、集計期間の異なる9月1日から22日までで194億テンゲ超、加入者1万5,289人の口座から1万6,664件だった。同じ取材でENPFは、この期間の加入者1人あたりの移管額の平均を約120万テンゲとしている。移管の集計には制度改正前の9月1日から6日が含まれる。改正前は2023年7月以降、義務的年金拠出と義務的職業年金拠出は最大50%、任意年金拠出は最大100%までの委託だった。ENPFは法令で定める期間内に移管するとしており、受理から移管までの具体的な日数は示していない。
9月1日から22日までに最も多くの資金が移ったのはセントラス・セキュリティーズだった。ENPFの統計によれば、国立銀行からUIPへの移管は年初から8月31日までの8か月間で7万3,456件・約666億6,000万テンゲあり、ハリク・ファイナンスが約298億4,000万テンゲで首位、セントラス・セキュリティーズは約163億6,000万テンゲだった。下の表の9月の額はカズインフォルムの取材によるもので、5社を足すと194億2,590万テンゲになる。
| 運用会社 | 9月1〜22日の移管額 | 年初〜8月31日の移管額 |
|---|---|---|
| セントラス・セキュリティーズ | 61億7,000万テンゲ | 約163億6,000万テンゲ |
| ハリク・ファイナンス | 60億テンゲ | 約298億4,000万テンゲ |
| BCCインベスト | 34億4,000万テンゲ | 約94億1,000万テンゲ |
| アラタウ・シティ・インベスト | 33億8,000万テンゲ | 約101億8,000万テンゲ |
| タンサル・キャピタル | 4億3,590万テンゲ | 約6億8,000万テンゲ |
制度の根拠は2026年7月7日付の法律第334-VIII号で、社会法典の改正が9月7日に発効した。ENPFの9月7日の発表によると、義務的年金拠出、義務的職業年金拠出、任意年金拠出によって個人年金口座に積み立てた分について、最大100%をUIPの信託運用へ委託でき、加入者は委託する額を自分で決め、複数のUIPを選べる。9月21日の説明では、移した積立金を別のUIPへ移すか国立銀行の運用へ戻せるのは、移管の日から1年を経たあとに限られる。
ENPFが9月25日に公表した9月1日時点の運用報告によると、UIP6社が預かる年金資産は1,512億8,000万テンゲで、国立銀行の運用分を含む年金資産の総額28兆4,496億テンゲの0.53%にとどまる。6社のうちハリク・グローバル・マーケッツは2027年からの信託運用契約の解除をENPFに通知しており、2026年1月1日から同社への新規の移管申請は受け付けられていない。年初から8月31日までに同社へ移ったのは297件・約1億9,000万テンゲで、上の表には入っていない。ENPFの9月29日の発表によると、2021年から2026年8月31日までの累計の移管は18万500件・約1,790億テンゲに達し、上記の7万3,456件はこのうち2026年分である。移管の権利を使った加入者は2021年の2,400人から2026年(8月31日時点)の4万2,600人へ18倍近くに増えた。
