解説 · 2026年8月時点
カザトムプロムは、カザフスタンの国営原子力企業であり、世界最大のウラン生産者である。同国のウラン生産は世界の一次生産の約4割を占め、そのほとんどを同社と合弁相手が担う。日本の読者にとっては、原子力発電の燃料供給を左右する企業として意味を持つ。
| 正式名 | JSC National Atomic Company Kazatomprom |
|---|---|
| 設立 | 1997年 |
| 本社 | カザフスタン・アスタナ |
| 事業 | ウラン鉱山の開発と生産、ウラン製品の販売 |
| 生産量 | 2万5,000〜2万6,500トンU(2025年、100%ベース)。世界の一次生産の約2割 |
| 資産 | 14の鉱山資産に27鉱床 |
| 上場 | 2018年11月にロンドン証取(GDR)とアスタナ国際取引所(AIX)へ。調達額4億5,130万ドル |
| 株主 | 政府系ファンドのサムルク・カズナが過半を保有 |
世界最大の生産者である理由
カザフスタンのウランは、地下の鉱床に薬液を注入して溶かし出す「原位置回収法(ISR)」で採掘される。坑道を掘る従来の鉱山に比べて費用が安く、環境負荷も小さいため、価格競争力が高い。この地質条件に恵まれたことが、同国が世界一の産出国になった最大の理由である。
同社は14の鉱山資産に27の鉱床を持つ。多くはフランスのオラノ、カナダのカメコ、ロシアのロスアトム、中国核工業集団などとの合弁で運営されており、権益に応じて生産量が各社に配分される。
生産の調整と市場
2025年の生産量は100%ベースで2万5,000〜2万6,500トンUと見込まれ、前年比13%増だった。一方で同社は2026年について減産方針を示している。ウラン価格を支えるために意図的に生産を絞る運営は、同社の経営の特徴である。
2018年11月にロンドン証券取引所とアスタナ国際取引所へ上場し、4億5,130万ドルを調達した。サムルク・カズナのIPOプログラムの第1号案件で、国有企業の透明化と国内資本市場育成の象徴とされる。上場企業として四半期の生産・販売実績を開示するため、世界のウラン需給を読むうえで重要な情報源になっている。
参考資料
- Kazatomprom — Investors(公式) ↗
- Cameco, Kazatomprom release 2025 production figures — World Nuclear News ↗
- Uranium and Nuclear Power in Kazakhstan — World Nuclear Association ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。