GUIDE · インフラ・地理2026年8月時点

CPC(カスピ・パイプライン・コンソーシアム)とは

カザフスタンの原油輸出の8割超を担うCPCパイプラインの経路、能力、株主構成と、単一ルートへの依存が同国経済にもたらすリスクを解説する。

CPC(カスピ・パイプライン・コンソーシアム)は、カザフスタン西部の巨大油田から黒海岸のロシア領ノヴォロシースク近郊まで原油を運ぶ全長約1,511キロのパイプラインである。2001年に運転を始めた。カザフスタンのパイプライン原油輸出の8割超がこのルートを通っており、同国の輸出収入と国家財政は事実上このパイプラインの稼働状況に依存している。

正式名Caspian Pipeline Consortium(CPC)
経路カザフスタン西部テンギス油田 → ロシア領 → 黒海のノヴォロシースク近郊ユジナヤ・オゼレエフカ
全長約1,511キロ
運転開始2001年
能力カザフスタン産で年7,250万トン、ロシア産を含め年8,300万トンまで
輸送実績6,301万トン(2024年)。2025年は約7,400万トンの見込み
主な株主ロシア連邦31%(うちトランスネフチ管理24%)、カザフスタン20.75%(カズムナイガス19%ほか)、シェブロン15%、ルクオイル12.5%、モービル7.5%、ロスネフチ・シェル7.5%ほか

なぜカザフスタン経済の急所なのか

カザフスタンの三大油田(テンギス、カシャガン、カラチャガナク)の原油は、いずれもCPCを主な出口としている。ロシア領を通り、積み出し港もロシア領内にあるため、ロシア側の事情や黒海情勢がそのまま輸出量に響く。

実際、ターミナルの停止や損傷が起きるたびにカザフスタンは減産を強いられてきた。貯蔵能力に限りがあり、パイプが止まれば油田の生産を絞るしかないためである。2026年もテンギス油田の停止とCPCターミナル周辺の混乱が重なり、原油生産は前年同期比で1割近く落ち込んだ。

代替ルートをめぐる動き

この一極依存を薄める方策として繰り返し議論されるのが、カスピ海をタンカーで渡ってアゼルバイジャンのBTCパイプラインへつなぐルートである。アクタウ港とクリク港の能力増強、カスピ海のタンカー船腹の増強がその前提になる。

ただしタンカー輸送と積み替えを挟むぶん費用がかさみ、量的にもCPCを置き換えられる規模ではない。現実には、CPCを主とし、BTC経由を保険として太らせるという方向で進んでいる。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。

← 用語解説の一覧へ