カザフスタンのエルメク・コシェルバエフ外相とオーストリアのベアーテ・マインル・ライジンガー欧州・国際問題相が、国際的な海上安全保障と、欧州市場向けカザフ産原油の安定供給について協議した。カザフスタン外務省の発表としてトレンド通信が伝えた。
議題の中心はカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)をめぐる情勢である。CPCはカザフスタン西部の油田からロシア領内を経てノヴォロシースクの黒海沿岸ターミナルへ原油を運ぶ経路で、同国の原油輸出の大部分がここを通る。両者はこの経路が途切れることなく機能することの重要性を確認した。オーストリアが受け取るカザフ産原油の相当な割合がこの経路を通っているためである。
カザフスタンにとってCPCは長年の弱点である。自国の原油を売るのに他国の領土とインフラに依存しており、その国はいま戦争の当事者である。黒海沿岸のターミナルは攻撃の対象にもなってきた。外相が欧州の相手国と海上安全保障を並べて協議した事実そのものが、この経路の脆弱さを示している。
農業では別方向の動きがあった。イランのアクバル・ファティ農業次官が、ユーラシア経済連合の農工政策評議会の第7回会合の場で、カザフスタン産農産物の輸入を増やし、優先分野での実務協力を広げることに関心を示した。カザフスタンのアイダルベク・サパロフ農業相と会談したもので、同相はイランをカザフ産農産物の輸出拡大にとって最も有望な市場のひとつと位置づけた。
国内でも農業の基盤整備が進む。トルキスタン州サイラム地区で、家畜取引所の建設が始まった。オーストラリアの技術を用いるもので、事業主体はRED GOLD社である。州当局は「わが国に類例のない大規模かつ重要な事業」と説明し、トルキスタン州の投資の潜在力を高める取り組みのひとつだとしている。
原油は北へ、農産物は南へ。輸出の方向を分散させようとする動きが、同じ週の発表に重なって表れている。
