カザフスタンが炭素市場の受け皿づくりを進めている。ニサンバエフ・エコロジー・天然資源相によれば、同国は3100万ヘクタールの国有林基金のうち、森林のない520万ヘクタールを炭素事業の適地として特定した。アスタナ・タイムズが伝えた。
同相はパリ協定に基づく炭素事業市場の育成をめぐるセミナーで、「投資家が排出の削減・吸収と炭素ユニットの創出に参加する新しい機会が開かれる」と述べた。
背景には国際公約がある。カザフスタンは温室効果ガスの排出を1990年比で2030年までに15%、2035年までに17%削減すると約束している。潜在力が集中するのは林業、農業、エネルギー効率の3分野だという。
制度も追いついてきた。温室効果ガスの排出・吸収の国家規制に関する改正規則が8月10日に施行され、パリ協定6条に基づく気候事業の詳細手続きが定まった。妥当性確認、検証、モニタリング、承認、ベースラインシナリオ、国際移転可能な緩和成果(ITMO)といった概念が定義され、検証済みの削減・吸収成果を国際的に移転する手順も整った。
6条の仕組みへの参加は任意である。事業者はまず事業構想を関係当局の審査に出し、承認されれば登録に進み、事業計画・モニタリング計画・持続可能な開発計画を作る。文書は妥当性確認と審査を経て、実施後に成果の検証を受ける。
同相は、排出枠の無償割当を含む既存の規制が技術更新の動機づけとして不十分だとも指摘した。炭素隔離地の整備は劣化した放牧地の回復や緑地の拡大につながり、農家がカーボンファーミングを通じて炭素市場に参加する道もあるという。
投資家にとっての論点は制度の信頼性である。クレジットの品質と検証の厳格さが国際市場で認められなければ、520万ヘクタールという適地の広さは意味を持たない。8月10日に施行された細則がその試金石になる。
