エネルギー・資源

ウズベキスタンの新設火力で1,600メガワットが緊急停止。KEGOCのデータではカザフスタンで962メガワットの負荷遮断

ウズベキスタン・エネルギー省は9月25日、シルダリヤ州にあるEDF社の新しい火力発電所で05時05分に1,600メガワットが緊急停止したと発表した。試運転中の発電所で、発表に原因の記載はない。カザフスタンでは962メガワットの負荷が遮断されたと、KursivがKEGOCのデータとして伝えた。

資料写真:ガス処理プラント/Kinkz27(CC BY-SA 4.0)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。点は本文に出てくる場所(シルダリヤ州、アルマトイ)。

ウズベキスタン・エネルギー省は9月25日、シルダリヤ州にあるEDF社の新しい火力発電所で同日05時05分(現地時間、以下同じ)に1,600メガワットの出力が緊急停止したと発表した。発表によれば、この発電所は新しく建設されたもので、現在も試運転と調整の作業が続いている。

省の説明では、緊急停止を受けて事故時の自動装置が作動し、同国の一部の地域で電力供給が一時的に途切れた。途切れたのは主に農業用の揚水ポンプと家庭の需要家である。復旧の過程では蓄電システムと発電所にある予備の出力を立ち上げ、需要家を段階的に系統へ戻した。発表の時点で、供給の途切れた需要家はすべて系統に再接続されたとしている。復旧の時刻は書かれていない。事故の原因も書かれていない。発表にカザフスタンへの言及はない。

カザフスタン側の数字は、同国の経済紙Kursivが系統運用会社KEGOCのデータとして伝えたものである。それによると、05時02分にウズベキスタンの電力系統で1,516メガワットの発電が失われ、中央アジア統一電力系統の側から急激に負荷がかかったとしている。これによってカザフスタン国内の南北を結ぶ連系が予期せず分離し、同国の系統で遮断された負荷は合計962メガワットとなった。事故時の自動装置は正常に動作したとKEGOCは説明している。05時43分に同国南部の系統と中央アジア統一電力系統の並列運転が全面的に復旧し、需要家への制限はすべて解除された。9月25日時点で、KEGOC自身の報道発表にこの事故は載っていない。

エネルギー省の1,600メガワット・05時05分と、KEGOCの1,516メガワット・05時02分は、別の主体による別の計測である。前者は発電所で停止した出力、後者はウズベキスタンの系統で失われた発電を指している。幅や範囲として扱える数字ではない。

項目ウズベキスタン・エネルギー省の発表Kursivが伝えたKEGOCのデータ
時刻05時05分に発電所が緊急停止05時02分にウズベキスタンの系統で発電が脱落
出力1,600メガワット(停止した出力)1,516メガワット(失われた発電)
カザフスタンでの負荷遮断言及なし合計962メガワット
復旧時刻の記載なし。発表の時点で全需要家が再接続05時43分に南部系統と中央アジア統一電力系統の並列運転が全面復旧
原因発電所が停止した原因の記載なしカザフスタン側の事故はウズベキスタンでの発電の脱落によるとする。発電所が停止した原因の記載なし

中央アジアの電力系統は旧ソ連期の統一系統を土台にしており、各国の系統がつながっている。8月14日にはアルマトイで大規模な停電が起き、その原因の説明は8月17日の時点でカザフスタンとキルギスで食い違っていた。今回は8月の事象とは別の事故で、発電の脱落がウズベキスタン国内で起きた点は、エネルギー省の発表とKEGOCのデータで一致している。

大統領府は8月25日、シルダリヤ州で計1,573メガワットの電源が稼働したと発表している。今回のエネルギー省の発表は、緊急停止した発電所とこの1,573メガワットの関係に触れていない。発表は発電所の名称も総出力も事業費も記していない。

発表とデータから確かめられるのは、試運転中の大型電源の脱落が国境を越えて波及したことと、両国の系統で事故時の自動装置が作動したことである。原因は、エネルギー省の発表にも、Kursivが伝えたKEGOCのデータにも示されていない。8月14日の停電から約6週間で国境を越える波及が再び起きたことは、域内で電力を大量に使う設備を計画する側にとって、系統の分断への備えを見積もる材料になる。

この記事の日付 2026年9月25日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年9月25日 16:39

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