解説 · 2026年8月時点
トタルエナジーズは、フランスに本社を置く国際石油・エネルギー企業である。1924年にフランスの石油自給を目的として設立されたコンパニー・フランセーズ・デ・ペトロールを前身とし、2021年に現在の社名へ改めた。石油・天然ガスの探鉱生産から精製、燃料販売までを一貫して手がけ、液化天然ガス(LNG)では世界第3位の地位にある。
近年は「炭化水素」と「電力(インテグレーテッド・パワー)」を二本柱に据える戦略を掲げ、再生可能エネルギーと蓄電池を組み合わせた電源開発に投資を振り向けている。カザフスタンでは1992年から石油ガス事業に関与しており、2020年代に入って太陽光と風力の大型案件を持ち込んだことで、同国のエネルギー転換に関わる主要な外国企業の一つになった。
| 正式名 | TotalEnergies SE |
|---|---|
| 創業 | 1924年、フランス。旧称コンパニー・フランセーズ・デ・ペトロール(CFP) |
| 本社 | フランス・クルブボワ |
| 事業 | 石油・ガスの探鉱生産、LNG、再生可能エネルギーと電力、精製・石油化学、燃料販売 |
| 生産量 | 炭化水素250万バレル(石油換算)/日(2025年、うち46%が天然ガス) |
| 電力設備 | 総設備容量39.7ギガワット、うち再生可能24.1ギガワット(2025年末) |
| 投資額 | 171億ドル(2025年、うち21%が低炭素) |
| 従業員 | 10万人超、約120か国(2025年末) |
| カザフスタン | 1992年から活動。カシャガン油田の北カスピ海プロジェクトに16.81%出資 |
規模
2025年時点の炭化水素生産量は日量250万バレル(石油換算)で、うち46%が天然ガスである。電力の総設備容量は2025年末で39.7ギガワット、そのうち再生可能エネルギーが24.1ギガワットを占める。給油所は世界で1万3,000か所超、電気自動車の充電ポイントは約7万8,000か所ある。
2025年の投資額は171億ドルで、そのうち21%が低炭素分野に充てられた。従業員は10万人を超え、約120か国で事業を行う。2050年までに自社操業分(スコープ1+2)の排出を実質ゼロにする目標を掲げ、2030年に向けては操業設備の純排出量を2015年比40%削減するなどの中間目標を置いている。
カザフスタンでの事業
上流では、巨大油田カシャガンを開発する北カスピ海プロジェクトの共同事業者として16.81%を保有する。同社がカザフスタンで活動を始めたのは1992年である。
再生可能エネルギーでは、ジャンブール州とクズロルダ州で合計12万8,000キロワットの太陽光発電所を運転している。加えて、ジャンブール州で計画する「ミルヌイ」陸上風力発電所は、出力100万キロワット(1ギガワット)に容量60万キロワット時の蓄電池を組み合わせるもので、同国で計画された風力発電所としては最大規模である。
ミルヌイは2023年6月に再生可能エネルギー金融決済センターとの間で25年間の電力購入契約(PPA)を結び、2023年12月のCOP28で投資協定に署名、2026年4月に最終投資決定に至った。年間発電量は4テラワット時、100万人分の電力に相当し、年間350万トンの二酸化炭素排出を避けられると同社は説明する。事業会社アクタス・エナジーの持ち分はトタルエナジーズ60%、サムルク・エナジー20%、カズムナイガス20%である。運転開始は2028年、フル稼働は2029年を見込む。
この地域は年平均風速が毎秒8.9メートルと風況に恵まれる一方、夏と冬の気温差が70度に達し、送電網から遠いため200キロメートル超の送電線を新設する必要がある。マーケティング分野では、子会社サフトの産業用蓄電池の供給と潤滑油の販売を行っている。
参考資料
- TotalEnergies at a glance(公式サイト、2025年末時点) ↗
- Mirny: A Giant Onshore Wind Project in Kazakhstan — TotalEnergies ↗
- TotalEnergies in Kazakhstan — TotalEnergies ↗
- EBRD invests US$ 250 million in Kazakhstan's wind farm with storage(EBRD、2026年4月) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。
