ウズベキスタン大統領府は、9月19日にヌクスでカラカルパクスタン共和国の社会経済発展をめぐる会議が開かれたとして、その内容を公表した。エネルギーでは、2030年までに合計3,300メガワットの風力発電所を稼働させ、「グリーン」エネルギーの比率を76%に高め、400メガワットの蓄電設備をつくる計画が示された。人工知能とデータセンターのために設けられた特別区域では、6事業・総額80億ドルが実施されるとしている。
現状として発表が挙げたのは、近年に860メガワットの新しい発電設備が稼働したこと、ベルニー地区とカラウザク地区の風力発電所の建設により「グリーン」エネルギーの比率が23%に達したこと、発電量が4倍に増えて53億3,000万キロワット時になり、住民と企業の年間の需要のほぼ3倍に当たることである。比較の基準年も、比率の分母が発電量か設備容量かも書かれていない。2030年の3,300メガワットと、クングラード地区に建設される1,500メガワットの風力発電所との関係も示されていない。
| 項目 | 発表が示した数値 |
|---|---|
| 近年に稼働した新しい発電設備 | 860メガワット |
| 「グリーン」エネルギーの比率(現状) | 23% |
| 発電量(4倍に増加) | 53億3,000万キロワット時 |
| 風力の合計出力(2030年までの計画) | 3,300メガワット |
| 「グリーン」エネルギーの比率(2030年) | 76% |
| 蓄電設備(2030年までの計画) | 400メガワット |
| 人工知能・データセンターの特別区域 | 6事業・総額80億ドル |
| 同区域の投資家向け電力供給(指示) | 1ギガワット |
| クラウド技術と人工知能の年間輸出(課題) | 6億ドル |
| カーボンクレジットによる年間収入(可能性) | 5,000万〜1億ドル |
| 森林カーボンクレジットの対象(年内) | アラル海地域の5万ヘクタール |
特別区域の6事業は、名も相手先も金額の内訳も示されていない。発表は、5年間の計画を作り、投資家に1ギガワットの安定した電力供給を確保することが指示されたとしている。3年でヌクス市、クングラード、カラウザク、タヒアタシュに1,500人分の高収入の職をつくり、クラウド技術と人工知能の分野の年間輸出を6億ドルに引き上げることも課題として挙がった。データセンターとデジタル通貨の生産については、前日の発表が中国のパートナーとの22億8,100万ドルを挙げているが、80億ドルとの関係は書かれていない。
カーボンクレジットは、2月20日と9月18日の同共和国に関する大統領府の発表には無かった項目である。「グリーン」エネルギーをカーボンクレジットに転換することで年5,000万〜1億ドルの収入を得られる可能性があるとし、1か月以内に仕組みを立ち上げて主要な輸入国と交渉することが課題とされた。クレジットの輸出で得た資金はインフラ整備に向ける資源への上乗せとなり、カラカルパクスタン内に残るとしている。年内にはアラル海地域の5万ヘクタールで「森林カーボンクレジット」の計画を始めるとした。
既報と重なる部分もある。訪問中に着工したとされる47事業・総額70億ドルと、クングラード地区の1.5ギガワット・26億ドルの風力発電所、A-380号線の92キロ区間・2億3,300万ドルは、いずれも9月18日の発表にある。風力発電所の相手先の企業名も、道路事業の協力先も、今回の発表には書かれていない。データセンター向けの1ギガワットの確保も、9月22日の電力部門の発表を伝えた記事で触れている。カラウザク地区の風力は2025年の100メガワットと2026年の200メガワットが稼働済みである。A-380号線では、クングラード地区を通る240キロ区間で3億8,400万ドルをかけたコンクリート舗装が行われたとしており、これは着工ではなく完了した工事である。
80億ドルは、前日に着工が公表された47事業の総額70億ドルを上回る。ただし発表は6事業を特定せず、実施主体も時期も、既に公表済みの事業が含まれるかどうかも書いていない。区域について発表が並べているのは、5年間の計画の策定と1ギガワットの確保という指示だが、計画の対象が区域を指すかどうかは書かれていない。大統領府は2月20日の発表で、人工知能の発展に外国投資50億ドルという数字も示していた。
