アゼルバイジャンの2026年1〜7月の発電量は151億7200万kWhで、前年同期比3%減った。国家統計委員会の月次報告として、APAエコノミクスが伝えた。うち商品として出荷された分は147億3490万kWhで2.5%減である。
総量は縮んでいるが、内訳の動きは一様ではない。
| 項目 | 1〜7月の発電量 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 発電量 | 151億7,200万kWh | -3.0% |
| うち商品として出荷された分 | 147億3,490万kWh | -2.5% |
| 火力 | 114億4,150万kWh | -8.7% |
| 水力 | 21億9,570万kWh | +5.6% |
| 風力 | 6億600万kWh | 22倍 |
| 太陽光 | 3億5,070万kWh | +5.0% |
| バイオマス・廃棄物 | 1億4,100万kWh | +6.7% |
電源別の5項目を足すと147億3490万kWhになり、これは「商品として出荷された分」と一致する。発電量全体との差である4億3710万kWhは、電源別の内訳には現れない。統計委員会の表はこの差の中身を示していないので、電源構成の比率は発電量全体を分母に置いて読む必要がある。
減少は火力に集中している。火力は発電量全体の75.4%を占め、その部門が8.7%減った。一方で水力、風力、太陽光、バイオマスはそろって増えたため、総量の減少は3.0%にとどまっている。
風力の22倍という伸び率は、出発点がほぼゼロだったことの裏返しでもある。ただし6億600万kWhという水準は、太陽光の3億5070万kWhを上回り、水力の4分の1を超える。設備の規模としてすでに無視できる大きさではない。
再生可能エネルギーを合わせると、風力、太陽光、バイオマスで10億9770万kWhとなり、発電量全体の7.2%を占める。水力を含めれば32億9340万kWhで21.7%である。
電力部門の産出額は減っている。電力、ガス、蒸気の生産、流通、供給部門の産出額は20億8470万マナトで2.5%減った。上水道、廃棄物処理の部門は3億8390万マナトで0.6%減である。2025年通年ではそれぞれ34億8480万マナト(0.3%増)と6億5480万マナト(2.5%増)だったので、今年に入って方向が変わったことになる。
投資家の観点で意味を持つのは、この国が発電量を増やしながら電源を入れ替えているのではなく、総量が縮むなかで構成だけを動かしているという点である。新設の風力と太陽光が伸びても、火力の落ち込みを埋めきってはいない。輸出に回せる余力が生まれるかどうかは、国内消費と総発電量が今後どう動くかによる。
