ウズベキスタン大統領府は9月18日、カラカルパクスタン共和国で11事業・5億9,200万ドルが稼働し、47事業・70億ドルの建設が始まったと公表した。これらの事業で8,000人の高収入の職が生まれるとしている。数字は大統領府が示したもので、大統領の発言の引用はない。発表は共和国への訪問の一環と書くだけで、都市名も式典の日付もない。
発表が金額を示した事業のうち、2番目に大きいのが中国のパートナーとのものである。クングラード地区とタヒアタシュ地区で、デジタル通貨の生産と人工知能向けのデータセンターの整備を総額22億8,100万ドルで実施するとした。発表は「デジタル通貨の生産」と書くだけで、方式も相手企業の名も記していない。
この分野の制度は5か月前にできている。4月17日署名・20日施行の大統領決定PP-143が、共和国の全域を区域とする特別マイニングゾーン「Besqala Mining Valley」を設けている。区域のレジデントになれるのは共和国の領域で国家登録して活動する法人だけで、採掘による所得は2035年1月1日まで税と手数料を免除される一方、レジデントは毎月、収入の1%を区域の運営主体に支払う。大統領府の発表として初めて示されたのは、この枠組みの下での金額と地区の組み合わせである。
稼働した側で金額が示された3件のうち最も大きいのは、タヒアタシュ地区のLinkwiseのモジュール型知能計算センターで、第1期が動き出した。事業費1億5,000万ドルはセンター全体の額で、発表は第1期の額だとは書いていない。大統領府は同社の国籍を書いていないが、IT Park Uzbekistanは2025年11月4日、中国の上海LinkWise Data Intelligence社がタヒアタシュ火力発電所の隣に計算センターを建てる計画を示し、運営主体として子会社LINKWISE LLCを設立すると公表した。第1段階に約7億ドル、全段階で出力300メガワットという数字を挙げていた。1億5,000万ドルが7億ドルのどこに当たるかも、22億8,100万ドルの事業との関係も書かれていない。
建設が始まる側にはゼンギボボ鉱床の金採掘(カラウザク地区)のような小さい事業も入る。金額が示されたのは次の9件である。
| 区分 | 事業 | 金額 |
|---|---|---|
| 稼働 | シェイフ・ハリファ病院(ヌクス、アラブ首長国連邦と協力、100床) | 2,700万ドル |
| 稼働 | Linkwiseのモジュール型知能計算センター(タヒアタシュ地区。第1期が稼働) | 1億5,000万ドル |
| 稼働 | SAPSAN TRANS NO'KISの公共交通事業(ヌクス。発表は「実施が始まった」) | 2,000万ドル |
| 建設開始 | ACWAとの風力1.5ギガワットと系統連系(クングラード地区。発表の表現は「活発な段階に移る」) | 26億ドル |
| 建設開始 | 中国のパートナーとのデジタル通貨生産とデータセンター(クングラード地区、タヒアタシュ地区) | 22億8,100万ドル |
| 建設開始 | A-380号線の92キロ区間(アジア開発銀行と協力) | 2億3,300万ドル |
| 建設開始 | 娯楽・商業施設(ヌクス、トルコのパートナーと) | 1億300万ドル |
| 建設開始 | ゼンギボボ鉱床の金採掘(カラウザク地区) | 2,000万ドル |
| 建設開始 | 商業施設(アムダリヤ地区) | 1,500万ドル |
大統領府は2月20日の発表で、今後5年間に工業とサービスの分野で72億ドルの事業を実施する計画だとしていた。今回の70億ドルは47事業の合計で、対象は6分野にまたがり、年数は示されていない。2月に挙がった大型投資事業7件のうち、タヒアタシュ地区の計算センター、ヌクスの廃棄物発電、カラウザク地区の金の工場(2月は石炭からの抽出)は、今回の事業と地区も分野も重なる。
風力300メガワットと蓄電100メガワットも、この日に新たに動いた設備ではない。エネルギー省が8月28日に示した内訳でも、カラウザク地区は2025年に100メガワット、2026年に200メガワットである。100メガワットの稼働は2025年12月5日、200メガワットと蓄電100メガワットは8月25日の163事業の一斉稼働で、300メガワットは2基の合計である。
ACWAとの26億ドルは70億ドルの3分の1を超えるが、発表は着工とは書いていない。
アジア開発銀行との協力によるA-380号線では、92キロ区間で工事が始まったとした。事業費2億3,300万ドルは大統領府の数字で、発表は借款の承認時期にも条件にも触れていない。ヌクス市の電気バス112台と車庫の整備は欧州復興開発銀行との協力事業で、今回の発表に金額はない。EBRDが3,700万ドルの供与を発表したのは6月である。
内訳は公表されていない。47事業のうち金額付きで名指しされたのは6件で、足すと52億5,200万ドル、残る約17億4,800万ドルは何の事業か示されていない。稼働した11事業も金額付きは3件・計1億9,700万ドルで、うち1億5,000万ドルは第1期だけが動いた計算センターの全体の額である。合算は本サイトによる。
70億ドルが何の額かも発表は定義していない。投資額か事業費かの区別も資金の出し手もなく、外国のパートナーの参加で実施されるとあるだけである。名指しされた事業には国際金融機関との協力、外国企業との共同事業、官民連携が混在している。
大統領府は、今年末までに外国投資が25億ドルに達する見込みだとした。これは2月20日の発表が2025年の直接投資の実績として示した額と同じである。今回の発表は「外国投資」とだけ書き、直接投資に限るとは示していない。年末の外国投資が25億ドルに届くかどうかが、この日の数字を後から確かめられる数少ない手がかりになる。
