バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインによる原油の輸出量が、2026年6月に日量54万7,000バレルとなった。石油輸出国機構(OPEC)の月次統計をもとにアゼルバイジャンの媒体が伝えた内容として、ジョージアのビジネス専門媒体BPNが報じた。
短期では増加している。5月と比べると日量で10%、4万8,000バレル増えた。
一方、より長い比較では減っている。2025年6月と比べると日量で5%、3万1,000バレル少ない。
BTCパイプラインはアゼルバイジャンのカスピ海沿岸から、ジョージアを経てトルコの地中海側ジェイハンへ至る全長1,768キロメートルの原油輸送路である。ロシアとイランのいずれも通らずにカスピ海の原油を国際市場へ運ぶ経路として、2006年の稼働以来、地政学的な意味を持ち続けてきた。
ジョージアにとっては通過料収入の源であり、同時に自国が輸送回廊として機能していることの証しでもある。同じ時期にポチ港のコンテナ取扱が7%、一般貨物が60%増えている一方、ジョージア鉄道の貨物輸送は減少していた。パイプライン、港湾、鉄道で動きが分かれており、回廊全体が一様に伸びているわけではない。
前年同月比の5%減という数字は、カスピ海の産油量そのものの動向を反映している可能性がある。カザフスタンはカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)経由でロシア領を通る経路に依存しており、その安定性をめぐって同国外相が8月にオーストリアと協議したばかりである。BTCはその代替経路の候補でもあり、カスピ海の原油がどの経路を選ぶかは今後も動く。
