資料写真:ギャンジャの街並み/İlkin Mete(CC BY-SA 3.0)出典

運輸・インフラ

ザンゲズル回廊の完成は2030年とTCRC見通し。アルメニア領42キロが全体の工程を決め、中間回廊に残る時間は4年

ジョージアの輸送回廊研究センター(TCRC)が8月27日に公表した分析は、ザンゲズル回廊の完成時期を2030年と見込む。回廊は7区間で、アゼルバイジャン領は2027〜29年、トルコ側224キロは2029年末が目標だが、未着工のアルメニア領42キロが全体の工程を決めるとみる。2030年は同センターの見立てである。

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ジョージアの調査機関、輸送回廊研究センター(TCRC)は2026年8月27日、ザンゲズル回廊の完成時期を2030年と見込む分析を公表した。残る4年で中間回廊を貨物の主要な経路として定着させ、ジョージアはこの期間を鉄道インフラの整備と車両の系統的な更新に充てるべきだというのが結論である。2030年は同センターの見立てであって、当事国が公表した工程ではない。

同センターは回廊を7区間に分ける。アゼルバイジャン領に5区間、アルメニアとトルコに各1区間である。

区間領域距離状況(同センター)
アラト〜オスマンルアゼルバイジャン60キロ6月時点で60%、2027年完成予定
オスマンル〜ホラディズアゼルバイジャン145キロ既設線の改修、2028年見込み
ホラディズ〜アグバンドアゼルバイジャン110キロ8月時点で75%、目標は2028年
オルドゥバド〜サラムメリクアゼルバイジャン7キロ着工済み、アルメニア国境方向
ナヒチェバン線(トルコ方向)アゼルバイジャン187キロ期限は未定、同国は2029年を想定
カルス〜イグドゥル〜アラルク〜ディルジュトルコ224キロ2029年末の完成予定
メグリアルメニア42キロ未着工

アリエフ大統領は8月23日、タシケントでアゼルバイジャン本土側の工事は来年の完成が見込まれると述べた。ナヒチェバンの改修を含まないため、同センターはこれを部分的な発言と見る。同大統領府が8月11日に示した工程では、同線を188キロから194.2キロとし、7キロは着工済みで、9月末までに6.3キロの軌道上部を敷設する計画である。国境際の700メートルは地雷除去とTRIPP経路の設計を待つ。同センターはこの区間について、6キロは土工が終わり700メートルで軌道を敷設中と記すが、大統領府の説明とは前後が入れ替わっている。同センターによればEBRDの事業化調査は9月に終わり、ADBは4月に融資の用意を表明したが、承認はまだない。

トルコ側の224キロは2025年の着工である。同センターはその資金を「日本のMUFG銀行が24億ユーロを供与する」と記すが、正確ではない。トルコ財務省が2025年7月22日に明らかにした内容を国営のアナドル通信が伝えたところでは、契約は同省とMUFG Bankが主導する債権団との間で結ばれ、スウェーデンとオーストリアの輸出信用機関、イスラム開発銀行傘下のイスラム投資輸出信用保険機構(ICIEC)の保証のもとで国際銀行と機関投資家が参加した。約24億ユーロは単独の融資ではなく協調融資の総額であり、13か月前に決着した話である。

全体の工程を決めるのはアルメニア領の42キロである。同センターがアルメニアの専門家に聞いたところでは、地形の制約でソ連期の路盤をたどるほかなく、駅舎も橋もトンネルも現行の基準に達していない。同センターはこれを踏まえ、着工が2027年なら最も楽観的な想定でも完成は2030年へずれると見る。アルメニアでは鉄道の受託管理制度の見直しが政府計画に入っている

同センターはジョージアに対し、車両の系統的な更新を軸とする10億ラリ規模の2026〜2028年の行動計画を期限どおり実行するよう提言している。この計画の存在は同センターの記述によるもので、ジョージア鉄道の公表資料では確認できなかった。同センターは8月21日にもゼモ・ラルシ検問所の分析で新道路の優先度に疑問を呈していた。今後2〜3年で特定の回廊へ定着した貨物は後から移し替えにくいというのが同センターの出発点であり、それに立てば、回廊が開くまでの4年は準備の猶予ではなく、貨物を先に押さえるための時間だということになる。

この記事の日付 2026年8月27日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月27日 19:28

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