資料写真:バクーの海岸沿い/Viceskeeni2(CC0)出典

金融・投資

アゼルバイジャンとウズベキスタンが「永遠の友好条約」に署名。2030年までに貿易10億ドルへ、同日に8件が着工・開業

アリエフ大統領のウズベキスタン国賓訪問に合わせ、8月23日にタシケントで第3回最高国家間評議会が開かれ、永遠の友好条約が署名された。2030年までに貿易額を10億ドルに引き上げる計画など9項目の文書も交わされ、アゼルバイジャン企業の8件の事業が同日に着工・開業した。

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アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が8月23日、国賓としてウズベキスタンを訪れ、タシケントのククサロイ迎賓館でシャフカト・ミルジヨエフ大統領と第3回最高国家間評議会を共同議長として開いた。ウズベキスタン大統領府によれば、首脳会談の後に二国間文書の署名式が行われ、両大統領が「永遠の友好に関する条約」と第3回最高国家間評議会の決定に署名した。アゼルバイジャン大統領府も、両大統領が参加して文書の署名・交換式がタシケントで開かれたと発表している。

条約の内容を伝えているのはAPAの現地取材である。同社によれば、条約は両国の関係を永遠の友好、相互信頼、戦略的パートナーシップおよび同盟の上に置き、それぞれの国情に沿った発展の道と方式の選択を相互に支持すると定めた。安全保障の側面では、相手国の主権・安全・領土保全を損なうブロックや同盟に参加しないこと、第三国が相手国に不利益となる目的で自国領域を使うことを認めないこと、相手国の主権・安全・領土保全を損なう組織や集団の設立と活動を自国領域で許さないことを、双方が約束している。協力分野としては、国連の役割の強化、議会間関係の拡大、エネルギー・輸送物流・デジタル・農業・グリーン経済・電子商取引・情報通信・宇宙技術での共同事業、貨物と旅客の輸送を円滑にする相互接続的な輸送体系の構築と通過回廊の潜在力の向上、言語教育や地域間協力、観光の相互振興が並ぶ。

署名は発効ではない。条約の全文は8月23日時点でどちらの大統領府にも掲載されておらず、発効の条件も批准の手続きも確認できない。発効の日程についても、両府とも公表していない。形式は異なるが、同じアゼルバイジャンが結んだ二国間文書には手続きの実例がある。トルクメニスタンとの5文書は6月22日にバクーで署名され、アゼルバイジャン側が大統領令で承認したのは2か月後の8月21日、その命令もなお外務省に相手国への通知を命じる段階だった。こちらは政府間協定と了解覚書で、国家間の条約が通常たどる議会の批准とは別の、より軽い経路である。それでも2か月を要している。

署名された文書の一覧は、ウズベキスタン大統領府のロシア語版の発表に載っている。両大統領が署名した2件のほか、両首脳の立ち会いのもとで次の文書が交わされた。

分野文書
社会保障年金支給分野の協力に関する協定
文化文化分野の協力に関する協定
観光観光分野の協力に関する協定
貿易2030年までに貿易額を10億ドルへ引き上げるための計画
投資・貿易投資・貿易分野で到達した合意を実施するための実務行動計画
外交両国外務省の2027〜2028年協力プログラム
司法両国法務省の2027〜2028年協力プログラム
使役犬使役犬分野の経験交流と協力に関する覚書
地方ウルゲンチとハンケンディ、ブハラとラチン、ウルゲンチとナヒチェバンの姉妹都市関係樹立に関する議定書

経済面で重いのは貿易と投資の2件である。10億ドルという貿易目標には、2030年までという期限が付いた。ミルジヨエフ大統領は評議会で、過去5年間に相互貿易が3倍になったと述べたうえで、次の目標を10億ドルに置くと説明している。APAの集計では2025年の二国間貿易額は前年の3倍超にあたる7億9,500万ドルなので、この水準からの上積みとしては大きな飛躍ではない。ただし期限が入ったことで、達成の可否を後から検証できるようになった。

年金の協定は実務的な意味を持つ。ウズベキスタン外務省のアミル・スルタノフ局長がアゼルバイジャンの記者団に説明したところをAPAが伝えており、両国の領域で就労した国民の年金の算定・再算定・支払いの具体的な仕組みを定めるという。労働移動が実際に起きている二国間で、社会保障の接続は制度の穴を埋める。

姉妹都市の3組にも方向性が出ている。ウズベキスタン側のウルゲンチとブハラに対し、アゼルバイジャン側はハンケンディ、ラチン、ナヒチェバンで、カラバフとナヒチェバンに寄っている。アリエフ大統領は共同記者発表で、カラバフへの投資誘致におけるミルジヨエフ大統領の役割に触れ、定員960人のミルゾ・ウルグベク名称の学校、ハンケンディでの縫製生産、最初の大規模工業企業がウズベキスタンと結びついていると述べた。

共同事業の規模については、両首脳が別々の50億ドルを挙げている。ミルジヨエフ大統領は、すでに多くの案件を一覧から外したうえでなお共同事業の総額が50億ドルを超えたと述べ、担当閣僚と副首相が一つ一つの数字に具体的な責任を負うと約束していると付け加えた。一方アリエフ大統領は、ウズベキスタンの観光分野だけで50億ドルの投資が計画されていると述べている。二つの50億ドルが同じ範囲を指すのか、片方がもう片方に含まれるのかは、両大統領府の発表にもAPAの報道にも説明がない。

投資の器についても、出典は複数の呼び名を使い分けている。アリエフ大統領が言及したのは共同投資基金で、5億ドルの規模のうち約1億6,000万ドル分について投資先の分野が既に特定されたという。同大統領は、アゼルバイジャンが他国とも同様の枠組みを持つが、ウズベキスタンとの基金が最も効率的で成果志向だと述べた。基金の外側にある案件のほうがむしろ大きく、タシケントで進むホテルと住宅の複合開発も枠外にあるとしている。ミルジヨエフ大統領のほうは複数形で「共同投資会社の資金」の活用を求めた。APAは別に、2023年に設立されたアゼルバイジャン・ウズベキスタン投資会社が投資協力の拡大で重要な役割を果たしていると伝えている。これらが同一の器を指すのかは、発表からは判断できない。政府間委員会はこれまでに15回開かれている。

この日は、アゼルバイジャン企業がウズベキスタンで手がける事業の開業式と起工式がオンライン形式で開かれた。アゼルバイジャン大統領府が列挙した8件の内訳は次のとおりである。

段階事業担い手
開業ダヴル銀行AR International Bank
開業石膏工場マタナト・A
開業ランダウの名を冠したSTEAM学校2校ランダウ・エデュケーション・グループ
起工SOCARの給油所5か所SOCAR
起工住宅・レクリエーション複合施設「シー・ブリーズ・ウズベキスタン」アガラロフ・デベロップメント
起工住宅複合施設「バクー・シティ」TuranAZ
起工銀鉱石の処理・選鉱工場Sur Gold and Silver Project
起工果樹園Gold Fresh Fruits

分野は銀行、建設資材、教育、給油所網、観光・住宅、鉱物処理、園芸にまたがる。この日に公表された分に限れば、資本の向きはアゼルバイジャンからウズベキスタンへの一方向である。逆向きについては、ウズベキスタン企業130社超がアゼルバイジャンで活動し、合弁のアゼルマシュがウズベキスタン側と協力してシボレー1万台超、イスズ300台超を生産してきたとAPAが伝えている。

輸送では、カスピ海をどう束ねるかが議題になった。ミルジヨエフ大統領は、中間回廊の整備の一環としてカスピ海での共同船隊の立ち上げを急ぐ必要があるとしたうえで、単一の運航事業者を置いたウズベキスタン・アゼルバイジャン独自の回廊の創設に関心があると述べた。アリエフ大統領はこれに対し、ウズベキスタン向けのフェリーの建造も加速すべきだとして、自国の造船所が現在フェリー・タンカー・貨物船など約10隻を同時に建造し稼働率100%で操業しているため、この案件に建造枠を確保するよう運輸次官に指示した。APAによれば、両国間の通過貨物量は2025年に140万トンだった。

アリエフ大統領はザンゲズル回廊についても言及した。アゼルバイジャン本土側の工事は来年の完成が見込まれ、ナヒチェバン自治共和国側でも着工した。ナヒチェバンの鉄道はアゼルバイジャン鉄道の一部と位置づけたうえで、参加と投資を望む企業や国のために国際コンソーシアムを設ける計画があり、参加者には相応の収入と保証された輸送量が伴うとした。アルメニア側の工事は今年末か来年初めに始まると米国側から伝えられているといい、アルメニア区間の鉄道が42キロなのに対しナヒチェバン区間は194キロだと述べている。

今回の一連の合意は、中央アジア5か国とアゼルバイジャンによる協議枠組みにアゼルバイジャンが正式に加わった流れの延長にある。アリエフ大統領は共同記者発表で、中央アジアとアゼルバイジャンは単一の地政学的・経済的地域を成すと述べた。カスピ海の両岸を一つの輸送・投資圏として扱う言い方が、条約と投資基金と船隊の話に一貫して現れている。評議会は、合意事項を期限どおりに実行するためのロードマップを採択した。2030年という期限が入った以上、10億ドルの貿易目標と50億ドルの案件一覧のうちどれだけが契約と船と工場になるかは、後から数えられる。

この記事の日付 2026年8月23日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月24日 1:06

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