資料写真:バクーの新市街/Adil Sattarov(Unsplash License)出典

運輸・インフラ

アゼルバイジャン・ジョージア国境の赤い橋で貨物車1,030台が滞留。両国税関が解消策を協議

アゼルバイジャン陸上運輸庁の集計で、対ジョージア国境の赤い橋検問所に出国待ちの貨物車1,030台が並んだ。対イランのアスタラ37台、対ロシアのサムール47台とは桁が違う。国家税関委員会はAPAの照会に、両国税関当局が協議を行い滞留解消の措置を実施する予定だと回答した。

この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)、点は各国の首都の位置。

アゼルバイジャンの国境検問所で出国を待つ貨物車の台数が公表され、対ジョージア国境の赤い橋検問所だけが突出した。陸上運輸庁(AYNA)の集計として、APA-Economicsが伝えた。

赤い橋で列に並ぶ貨物車は1,030台。対イラン国境のアスタラは37台、対ロシア国境のサムールは47台で、もう一つのマズムガラ検問所は待機ゼロだった。ジョージア方面の一つの検問所に、他の全方面を合わせた台数の十数倍が集中している。

検問所接する国出国待ちの貨物車
赤い橋ジョージア1,030台
サムールロシア47台
アスタライラン37台

滞留はジョージア側で起きている。APAの地方支局によれば、マルネウリ方面に向かう列が数キロにわたって伸びており、それがアゼルバイジャン側の車両の動きにも波及して、通過までの待ち時間を押し上げている。赤い橋は域内でも主要な貨物路の一つで、通常は毎日数百台の貨物車が通過する。

現場の待ち時間は日単位である。国際輸送に従事する運転手のハサン・サルソイ氏は、ジョージア側の駐車場に入るのに3日、入ってからさらに4日並んだと述べた。アゼルバイジャンへの入国が滞る理由を尋ねると「ジョージア側が動いていない」と言われるという。35年にわたってアゼルバイジャンとの間を往復してきたという別の運転手は、これほどの混雑は経験がないとしたうえで、ウクライナでの戦争で海上輸送が貨物車を運べなくなり、流れがこの経路に集まった結果だとの見方を示した。滞留が増えれば各国が保安検査を強めるため、さらに時間がかかるという説明である。運転手たちは、待機が積荷のリスクと自らの費用負担を増やし、燃料消費と休息時間、納期にも響くと訴えている。

アゼルバイジャン国家税関委員会はAPA-Economicsの照会に対し、両国税関当局の指導部の間でアゼルバイジャン・ジョージア国境における貨物車の滞留について協議が行われたと回答した。「滞留を解消し、国境通過の手続きをさらに速めるために必要な措置を実施する予定である」としている。具体的な措置の中身と時期は示されていない。

この数字が示すのは、中間回廊の陸上区間がジョージア一国に強く依存しているという構造である。アゼルバイジャンからカスピ海西岸を出て黒海やトルコ方面へ抜ける貨物は、実質的にジョージアを通ることになる。しかもジョージア側の処理能力には別の負荷がかかっている。ポチ港では1〜7月のコンテナ取扱が40万TEUを超え一般貨物が60%増えた。海路の貨物も同じ国に向かって増えている。対ロシア陸路の唯一の国境であるカズベギ税関が8月13日にデヴドラキ渓谷の警報で全面停止し、歳入庁が同日中に通関手続きの全面回復を発表した一件も、代替の効かない通過点が警報ひとつで止まりうることを示している。

人手の側にも余裕がない。ジョージアの国際輸送会社は運転手の欧州流出に直面しており、車両を止めている会社もあると伝えられている。国境の処理が遅れれば、1台あたりの回転が落ち、限られた運転手と車両の稼働はさらに下がる。滞留は通関の問題にとどまらず、輸送会社の採算に直結する。

税関当局の協議は始まったが、赤い橋に並ぶ1,030台という数は、施設と人員の処理能力に対して流入量が上回っている状態を示している。措置の中身が検査手続きの簡素化にとどまるのか、検問所の増設や他の通過地点への振り分けにまで及ぶのかで、効果の持続時間は変わる。運転手の一人が「通せないのなら他の国境へ回してほしい」と述べたのは、この分岐を突いている。

この記事の日付 2026年8月18日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月20日 0:28

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