ジョージアの国際貨物輸送で、運転手の不足が事業の制約になっている。輸送調査機関の輸送回廊研究センター(TCRC)の分析として、ビジネス専門媒体BPNが伝えた。
賃金が上がらない理由として同センターが挙げるのは、車両1台あたりの月間走行距離の低さである。国際輸送における車両の稼働率が低ければ、それは輸送会社にとって深刻な財務上の損失であり、賃上げを妨げる要因になる。
差は大きい。欧州市場で稼働する欧州企業の車両は、ジョージアの輸送会社の車両と比べて、月間走行距離と稼働率が平均で4〜5倍あるという。稼働率が高ければ賃上げの余力が生まれるが、ジョージアの会社にはその余力が乏しい。
結果として人材が流出している。同センターはこう記す。「貨物自動車の運転手の不足は、ジョージアの国内市場でここ数年、深刻に見られている。運送会社が運転手の募集を出す告知は、SNSでしばしば目にする」
さらに深刻な段階に入っている会社もある。「一部の会社は運転手が見つからないために車両を止めている。この問題はジョージアで一層深まるだろうと各社は口をそろえる。ジョージアの運転手はしばしば国を離れ、海外に仕事を探しに行くからである」
欧州での賃金水準は月2,300〜3,700ユーロとされる。ジョージアの賃金水準と比べれば、移動の動機は明確である。
この問題は、同国が掲げる輸送回廊としての役割と正面から衝突する。ジョージアは中国と欧州を結ぶ中間回廊の要衝に位置づけられ、ポチ港のコンテナ取扱は7%、一般貨物は60%増えた。アジア開発銀行と欧州投資銀行の融資でそれぞれ2億5,000万規模の道路事業が入札にかかっている。ユーラシア開発銀行によれば、中央アジアの輸送案件は717億ドルにのぼる。
道路と港湾に資金が入っても、そこを走るトラックの運転手がいなければ貨物は動かない。ジョージア鉄道の貨物輸送量が2025年1〜9月に4.9%減った一方で港湾の取扱が増えているという不整合の一因も、こうした陸送側の制約にあるのかもしれない。
インフラへの投資額は統計に表れるが、運転手の頭数は表れにくい。回廊の実効性を測るには、こうした指標も見る必要がある。
