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EBRD、ウズベキスタンの2026年成長率予測を1.0ポイント上げ7.5%に。ジョージアも0.5ポイント上げ6.5%、他の6か国は据え置き

EBRDが9月24日に公表した地域経済見通しの2026年9月版(題名「Running dry」)で、中央アジア・コーカサス8か国のうち6月版から予測が動いたのはウズベキスタン(2026年を1.0ポイント上げ7.5%)とジョージア(2026年・2027年を0.5ポイントずつ上げ6.5%・5.5%)の2か国だった。

資料写真:カスピ海/Interfase(Public domain)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。

欧州復興開発銀行(EBRD)は9月24日、地域経済見通し「Regional Economic Prospects」の2026年9月版を公表した。題名は「Running dry」。中央アジア・コーカサスの8か国はすべて、巻頭の成長率表に実績値と2026年・2027年の予測が載る。

対象地域全体の2026年の成長率は2.5%で6月版から0.6ポイントの下方修正、2027年は4.0%で0.4ポイントの上方修正となった。改定の大半は、石油輸出の急減によるイラクの深い景気後退とその後の反発によるものだという。イラクを除くと2026年の下方修正は0.1ポイントにとどまり、要因として資金調達環境の引き締まり、欧州の干ばつ、黒海の海上封鎖を挙げた。

8か国のうち6月版から予測が動いたのは2か国だけである。ウズベキスタンの2026年が1.0ポイント上方修正されて7.5%、ジョージアは2026年・2027年がともに0.5ポイント上方修正されて6.5%・5.5%となった。EBRDは理由を、ウズベキスタンは内需の強さ、ジョージアは成長の裾野の広さに求めている。残る6か国は2026年・2027年とも6月版の予測から据え置かれた。

国・地域2025年(実績)2026年上期(実績)2026年(予測)2027年(予測)6月版からの改定(2026年/2027年、ポイント)
中央アジア(モンゴルを含む6経済)6.9%5.9%5.8%5.3%+0.2/0.0
カザフスタン6.5%4.1%4.7%4.5%0.0/0.0
キルギス11.1%11.9%8.7%7.0%0.0/0.0
タジキスタン8.4%8.2%7.9%7.0%0.0/0.0
トルクメニスタン6.3%6.3%6.3%6.3%0.0/0.0
ウズベキスタン7.7%8.5%7.5%6.0%+1.0/0.0
東欧・コーカサス(モルドバ・ウクライナを含む5経済)2.7%1.5%2.5%3.1%-0.3/-0.8
アルメニア7.1%6.0%5.5%5.5%0.0/0.0
アゼルバイジャン1.4%0.8%2.0%2.5%0.0/0.0
ジョージア7.5%7.9%6.5%5.5%+0.5/+0.5

中央アジアの行は域内5か国にモンゴルを加えた6経済の集計値である。2026年の5.8%は0.2ポイントの上方修正である。この6経済のうちEBRDが上方修正したのは、ウズベキスタンと、記録的な鉱業生産をあげたモンゴルである。東欧・コーカサスの行はモルドバとウクライナも含む。トルクメニスタンの上期6.3%は、EBRDが「公式」と明記した政府公表値である。

表の実績値と国別記述には、本サイトが既に報じた数字がある。ジョージアの上期7.9%、アルメニアの第1四半期5.2%・第2四半期6.7%、カザフスタンの1〜7月の原油生産8.9%減と年間産油目標の9,600万トンへの改定、タジキスタンの1〜7月の固定資本投資35.9%増、ウズベキスタンの上期の固定資本投資17.5%増である。キルギスは表の上期が11.9%、報告書本文の1〜7月が11.1%と期間が違い、後者は建設の60.6%増とともに既報にあたる。

EBRDは中央アジアについて、中東の紛争に伴う世界的なエネルギー価格の高止まりとロシアの燃料市場の混乱を挙げ、コーカサスについては中東の紛争と、アルメニアの場合はロシアの貿易制限を挙げている。原油はブレント1バレルあたり紛争前の約65ドルから2026年4月に100ドル超へ上がり、なお紛争前を30〜60%上回るという。ガス価格は2月から70%以上上昇したとする。中央アジアでは食料とエネルギーの価格上昇でインフレ圧力が強まったとし、下振れリスクとして主要貿易相手国の成長鈍化、ロシアからの燃料供給の途絶、貿易路の寸断、商品価格の下落を挙げている。

キルギスは燃料輸入の9割超をロシアに頼る。当局は一時的な燃料補助金(推計で約10億ソム、996万ユーロ)、小売燃料価格の上限、料金・手数料の1年間の引き上げ停止などを導入した。送金流入は上期に9%減った。

東欧・コーカサスの上期1.5%は予想より弱かったとEBRDはみる。ウクライナのインフラへの攻撃激化と、アゼルバイジャンの石油・ガス生産の縮小が理由である。アゼルバイジャンの1〜7月の成長率は1.4%で、石油・ガス部門が0.6%減、非炭化水素部門が2.2%増だった。

経常収支はいずれも直近4四半期ベースである。EBRDは、アルメニアの赤字が2026年第1四半期に対GDP比8.3%へ拡大し、ジョージアの赤字は前年同期の6.0%から1.9%へ縮小したとしている。アルメニアでは、輸出の混乱の長期化とロシアの追加制裁が下振れ要因、アゼルバイジャンとの和平枠組みの進展、「トランプ・ルート」、トルコとの国境の開放、EUとの協力の深化が上振れ要因として挙がっている。報告書は政策金利を「夏の間6.5%で据え置かれた」と記すが、アルメニア中央銀行はその後、9月15日に0.25ポイント引き上げて6.75%とした。

題名の「Running dry」についてEBRDは、石油輸出・水・世界の貯蓄の3つで制約が強まっていると説明する。ただし水の分析が扱うのは中欧・バルト諸国の干ばつと、ドナウ川・ライン川の記録的な低水位で、2026年に中欧・バルト諸国では国土の38%が中程度以上の農業干ばつリスクにさらされた一方、それ以外の地域では発生度合いが長期平均並みかそれを下回ったとしている。

この記事の日付 2026年9月24日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年9月25日 16:39

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