資料写真:カスピ海の砂浜/Interfase(Public domain)出典

週間まとめ

先週の中央アジア・コーカサス:4か国停電、BTCの減送続く、送金は西へ(8月11日〜17日)

8月第3週の域内は、停電が示した電力網の相互依存と、統計が示した構造変化の週だった。8月14日の停電はカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンの4か国に波及し、原因の説明はいまも食い違う。BTCパイプラインの石油輸送は1〜7月で8.6%減り、ジョージアとウズベキスタンの送金統計は送金元の重心が欧米へ移りつつあることを示した。

この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)、点は各国の首都の位置。

週間まとめの初回です。毎週月曜に、前の1週間の主要な動きを5分で読める分量で振り返ります。

最大の出来事は8月14日の停電である。キルギスのトクトグル水力発電所の緊急停止(カザフスタン側の説明)またはカザフスタン国内の送電線障害(キルギス側の説明)を発端に、停電はカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンの4か国へ広がった。アルマトイでは地下鉄が止まり、交差点では市民が交通整理をした。復旧は当日中に進んだが、原因をめぐる両国の説明は週明けも食い違ったままである。ソ連期に一体で設計された中央アジアの電力系統が、いまも国境をまたいで連動していることを、これ以上ない形で示した。

エネルギーの統計は、アゼルバイジャンの構造変化を裏づけた。バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインの石油輸送は1〜7月に1477万トンと前年同期比8.6%減った。減っているのは主にアゼルバイジャン自国産で、カスピ海を渡ってくる中央アジア産は17.7%を占めるまでになった。一方で同国の風力発電は22倍の6億kWhへ跳ね、石油ガス部門への投資は33.6%増えた。生産が細るなかで投資が増える。成熟した油田を延命しながら、電源と輸送の構成を組み替えている国の姿である。

送金の統計は、労働移動の地図が描き替わりつつあることを示した。ジョージアに7月に入った送金は3億5005万ドルで、首位は米国、ロシアからは7.2%減った。ウズベキスタンでも上期の受取93億ドルのうち、英国からが62%、EUからが27%増えている。ロシアへの出稼ぎに家計が依存する構図は、両国で少しずつ薄まっている。

カザフスタンは制度の話題が続いた。資産回収の累計は1兆1540億テンゲ(25億ドル)に達し、うち6176億テンゲが上水道と医療を中心に466事業へ配分された。韓国は同国を雇用許可制(EPS)の18番目の送り出し国に指定し、約1万1000人とされる無許可就労の正規化へ道筋がついた。地質探査の対象は年内に220万平方キロへ広がり、タングステンでは11億ドル規模の事業が動いている。

空と港では、アゼルバイジャン航空がバクー〜アティラウ線を週4便で開設し、カスピ海を挟む両国の石油都市が直行で結ばれた。ポチ港の1〜7月のコンテナ取扱は40万TEUを超えて7%増、一般貨物は60%増と、中間回廊の荷動きの伸びが続く。

今週の予定は2つ。8月23日にカザフスタンでクルルタイ選挙の投票があり、9月14日にはトビリシ環状道路第4・5工区の国際入札が締め切られる。予定の一覧は「今後の予定」ページにまとめている。

この記事の日付 2026年8月18日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月18日 15:50

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