週間まとめの初回です。毎週月曜に、前の1週間の主要な動きを5分で読める分量で振り返ります。
最大の出来事は8月14日の停電である。キルギスのトクトグル水力発電所の緊急停止(カザフスタン側の説明)またはカザフスタン国内の送電線障害(キルギス側の説明)を発端に、停電はカザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、タジキスタンの4か国へ広がった。アルマトイでは地下鉄が止まり、交差点では市民が交通整理をした。復旧は当日中に進んだが、原因をめぐる両国の説明は週明けも食い違ったままである。ソ連期に一体で設計された中央アジアの電力系統が、いまも国境をまたいで連動していることを、これ以上ない形で示した。
エネルギーの統計は、アゼルバイジャンの構造変化を裏づけた。バクー・トビリシ・ジェイハン(BTC)パイプラインの石油輸送は1〜7月に1477万トンと前年同期比8.6%減った。減っているのは主にアゼルバイジャン自国産で、カスピ海を渡ってくる中央アジア産は17.7%を占めるまでになった。一方で同国の風力発電は22倍の6億kWhへ跳ね、石油ガス部門への投資は33.6%増えた。生産が細るなかで投資が増える。成熟した油田を延命しながら、電源と輸送の構成を組み替えている国の姿である。
送金の統計は、労働移動の地図が描き替わりつつあることを示した。ジョージアに7月に入った送金は3億5005万ドルで、首位は米国、ロシアからは7.2%減った。ウズベキスタンでも上期の受取93億ドルのうち、英国からが62%、EUからが27%増えている。ロシアへの出稼ぎに家計が依存する構図は、両国で少しずつ薄まっている。
カザフスタンは制度の話題が続いた。資産回収の累計は1兆1540億テンゲ(25億ドル)に達し、うち6176億テンゲが上水道と医療を中心に466事業へ配分された。韓国は同国を雇用許可制(EPS)の18番目の送り出し国に指定し、約1万1000人とされる無許可就労の正規化へ道筋がついた。地質探査の対象は年内に220万平方キロへ広がり、タングステンでは11億ドル規模の事業が動いている。
空と港では、アゼルバイジャン航空がバクー〜アティラウ線を週4便で開設し、カスピ海を挟む両国の石油都市が直行で結ばれた。ポチ港の1〜7月のコンテナ取扱は40万TEUを超えて7%増、一般貨物は60%増と、中間回廊の荷動きの伸びが続く。
今週の予定は2つ。8月23日にカザフスタンでクルルタイ選挙の投票があり、9月14日にはトビリシ環状道路第4・5工区の国際入札が締め切られる。予定の一覧は「今後の予定」ページにまとめている。
