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カスピ・ケーゼット(Kaspi.kz)

決済、マーケットプレイス、フィンテックを一つのスーパーアプリに束ねたカザフスタンの生活インフラ企業。ナスダックに上場し、トルコのEC最大手ヘプシブラダを傘下に収めている。

Joint Stock Company Kaspi.kz
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

カスピ・ケーゼット(Kaspi.kz)は、カザフスタンの決済・EC・金融を一つのアプリに束ねた「スーパーアプリ」の運営会社である。もとは商業銀行だったが、スマートフォン決済と分割払い、そしてマーケットプレイスを組み合わせて国民生活のインフラといえる存在になった。2024年にナスダックへ上場し、中央アジア発の企業としては例外的に米国市場で評価される。2025年からはトルコのEC最大手ヘプシブラダを傘下に収め、国外展開に舵を切っている。

正式名Joint Stock Company Kaspi.kz
本拠カザフスタン・アルマトイ
上場ナスダック(ティッカーKSPI)。カザフスタン証券取引所(KASE)にも上場
事業決済(Payments)、マーケットプレイス(Marketplace)、フィンテック(Fintech)の3プラットフォームを一つのスーパーアプリで提供
売上高前年比19%増(2025年通期、トルコ事業を除く)
純利益前年比10%増(2025年通期、トルコ事業を除く)
取扱高決済総額(TPV)46兆4,000億テンゲ、流通取引総額(GMV)9兆1,000億テンゲ、金融取扱高(TFV)11兆7,000億テンゲ(いずれも2025年)
調整後EBITDA1兆6,000億テンゲ(2025年)
利用状況アクティブ利用者1人あたり月77回の取引(2025年)
海外展開トルコのEC最大手ヘプシブラダを買収。両国で約2,000万人の利用者と20万の加盟店

3つのプラットフォーム

決済プラットフォームは、店頭のQR決済、送金、公共料金の支払いを担う。2025年の決済総額(TPV)は46兆4,000億テンゲで前年比19%増、取引件数は14%増えた。アルマトイでは手のひら認証による決済「Kaspi Alaqan」を導入し、3か月で市の成人人口の約3分の1が登録したという。

マーケットプレイスは、EC(e-Commerce)と実店舗での分割払い購入(m-Commerce)、旅行予約のKaspi Travelからなる。2025年の部門売上は9,000億テンゲ(23%増)、純利益は3,690億テンゲ(6%増)だった。ECの流通総額は3兆2,000億テンゲ、実店舗経由は2兆9,000億テンゲで、消費者と加盟店がオンラインへ移行しつつある。広告収入は64%増と急伸した。

フィンテックは消費者信用と預金を扱う。2025年の金融取扱高(TFV)は11兆7,000億テンゲで13%増。内訳は後払い(BNPL)が41%、汎用ローンが36%、加盟店・小規模事業者向け融資が18%、自動車ローンが5%である。リスクコストは2.2%、不良債権比率は6.1%(2024年は5.4%)だった。

トルコ進出と2026年の逆風

2025年、トルコのEC大手ヘプシブラダを傘下に収めた。同社の2025年の流通総額は2,127億トルコリラで前年比7%増、第4四半期の月間アクティブ利用者は370万人だった。カスピは当面ヘプシブラダを調整後EBITDAが均衡する水準で運営し、成長投資を優先する方針を示している。トルコのRabobank A.Ş.の買収も進めており、決済・金融をECに接続する自社モデルの移植を狙う。

国内では規制と税制の逆風がある。2026年から銀行の法人税率が事業向け融資を除いて20%から25%へ引き上げられ、カザフスタン国立銀行は2025年8月に最低準備率を引き上げた(2026年4月にさらに引き上げ)。同社は2026年の国内利益の伸びが売上の伸びを下回るとの見通しを示している。

2025年第4四半期分から四半期配当を再開し、米国預託株式(ADS)1株あたり850テンゲを提案した(株主承認が前提)。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

カスピ・ケーゼット(Kaspi.kz)とは | Caspian Intelligence