週間まとめ

先週の中央アジア・コーカサス:カザフスタン政府がコスタナイ州の風力1,000MW・蓄電300MWの協定を承認、ウズベキスタンの1〜8月の貿易赤字は前年同期の1.93倍(9月28日〜10月4日)

カザフスタン政府は、コスタナイ州で風力1,000メガワットと蓄電300メガワットを建設する協定の締結を承認した。投資は約3,800億テンゲで、事業会社は2025年4月の入札でこの規模の風力を落札していた。ウズベキスタンの1〜8月の貿易赤字は116億6,870万ドルで前年同期の1.93倍となり、非貨幣用金の輸出は前年同期の33.7%に落ちた。キルギス財務省は2027年予算法案を公開し、ソリッドコアの株主総会は株式買付の3決議を可決した。

資料写真:カスピ海/Interfase(Public domain)出典
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カザフスタン首相府は10月1日、エネルギー省と事業会社トゥラン・ウィンド・エナジーとの協定の締結を政府が承認したと公表した。北部のコスタナイ州に出力1,000メガワットの風力発電所と出力300メガワットの蓄電設備を建設する事業で、投資額は約3,800億テンゲ(10月1日の国立銀行の公定レートで換算すると約8億6,000万ドル)、着工は2027年春、完工と稼働は2029年末までの予定で、750人の雇用を見込む。承認の政府決定の番号と日付、資金の構成や出資者、蓄電設備の容量(メガワット時)は発表に書かれていない。事業そのものは今回初めて出たものではなく、電力市場の運営会社KOREMによれば、同社は2025年4月15日に統一電力系統の北部ゾーン向けに蓄電設備付きの風力を合計1,000メガワット選ぶ入札で落札者に決まっており、落札価格は上限の1キロワット時22.68テンゲに対して18.72テンゲ(いずれも付加価値税抜き)だった。首相府の発表はこの入札に触れていないが、社名と風力の出力は一致し、カザフスタン開発銀行の審査中の案件の一覧にも同社を借り手とするコスタナイ州の風力1,000メガワットの事業が、銀行審査の段階に向けて書類を集めている案件として載っている。今回新たに示されたのは、政府の承認と、投資額、工期、雇用の数字である。エネルギー省が8月に公表した時点で稼働中の再エネ施設は合計3.8ギガワット超で、この事業の風力1,000メガワットはその約4分の1に相当する。

ウズベキスタン国家統計委員会が9月30日に公表した1〜8月の対外貿易の暫定値によると、貿易高は574億260万ドルで前年同期比7.6%増えた。輸出は3.4%減の228億6,690万ドル、輸入は16.3%増の345億3,560万ドルで、貿易赤字は116億6,870万ドルと前年同期の60億4,490万ドルの1.93倍になった。輸出の減少は非貨幣用金によるもので、83億2,560万ドルから28億380万ドルへ前年同期の33.7%に落ち、輸出に占める割合は35.2%から12.3%へ下がった。統計委員会によれば金を除いた財の輸出は28.7%増の115億ドル、サービスの輸出は33.8%増の85億4,290万ドルだった。非貨幣用金の輸出28億380万ドルは1〜7月の暫定値と同じ額で、差し引きでは8月の分が0になる。いずれも暫定値で、統計委員会の発表は月ごとの金の輸出額もその理由も示していない。発表の数字から差し引くと、輸出の減少は7億9,480万ドルにとどまる一方、輸入は48億2,900万ドル増えており、赤字の拡大は輸出の目減りより輸入の伸びによるところが大きい。統計委員会は、前年までの値を年次の通関・統計データで再計算したと注記している。

キルギス財務省は9月30日、2027年と2028〜2029年計画期間の予算法案の本文、説明書、附属書14件を公開した。法案第2条は2027年の歳入を7,282億9,555万3,600ソム、歳出を6,958億943万5,200ソム、黒字を324億8,611万8,400ソムと定め、説明書によれば歳入は2026年の当初予算法で承認された水準に比べて32.1%増える。歳入は、財務省が9月16日の公開予算聴聞会で示し、9月25日の閣議の発表でも使われた7,273億ソムから増えた。財務省は、閣議の結果として疾病の予防・早期診断と医薬品・抗がん剤の購入に10億ソムを追加計上し、閣議での決定と寄せられた提案を踏まえて2027〜2029年の歳入と歳出のパラメータを増額方向に修正したと書いている。資本投下は278億6,000万ソムで、うち178億6,000万ソムをイシク・クル州のバルスコーン〜ベデル道路の建設に充て、安定化基金へは200億ソムを繰り入れる。最低賃金は2027年に月9,800ソムとし、公的債務の上限は対GDP70%とする。2027年は、2024年12月18日の大統領令UP第370号で設けられた高地・遠隔地の多子世帯の母への一時金「バラ・ベレケ」の支給の初年度になり、趣旨説明書は計上額を33億790万ソムとしている。施行日は2027年1月1日だが、予算の水準が確定するのはジョゴルク・ケネシュ(議会)が法案を採択した後である。

カザフスタンの金生産会社ソリッドコア・リソーシズは9月30日、同日の株主総会で株式買付に関する3つの決議すべてが可決されたと発表した。賛成率は94.37〜99.11%で、会社は棄権を賛否の計算に入れないと注記している。満たされたのは、決議が可決されない限り買付による取得を行わないという9月8日に提案した時点の前提条件で、買付価格1株11.66ドル、還元額の上限12億ドル、上限1億291万5,952株は変わっていない。会社は上限を発行済み株式の約23.2%としており、この比率は今回の発表で示された議決権の総数4億4,314万6,134株(保有する自己株式1億2,340万8,853株を除く)を母数にすると再現できる。買付の完了だけによって生じる筆頭株主マーデン・インターナショナル・インベストメントSPCの持ち株比率の上昇を承認する決議3では同社の議決権が除かれ、賛成は議決権総数の43.42%だった。応募がどこまで集まっているかは発表に書かれていない。

カザフスタンの首相府と運輸省は9月30日、カザフスタンとウズベキスタンの運輸省とアラブ首長国連邦(UAE)のエネルギー・インフラ省の3者が、カザフスタンからウズベキスタン、アフガニスタンを経てパキスタンの港に至る鉄道構想「CASA」での協力に関する覚書に署名したと公表した。覚書が定めるのは技術・経済の調査と必要なインフラ整備の妥当性の検討で、建設を決めたものではない。作業部会の設置は「検討している」段階で、署名の日付と場所、路線の具体的な経路、費用、資金の分担、工期、輸送量の見通しのいずれも発表に書かれておらず、UAE側が資金を出すかどうかも示されていない。

カザフスタンのベクテノフ首相はミンスクを公式訪問し、首相府が10月1日に公表した(訪問の日付は書かれていない)。両国の貿易額は2026年1〜7月に7億2,300万ドルだったが、伸び率は首相が「我々の統計では」と前置きして述べた20%(2025年は27.7%)と、貿易統合省の発表の20.5%(同30%)で一致しない。同省の数字では1〜7月の輸出が1億8,030万ドル、輸入が5億4,270万ドルで、カザフスタン側から見て輸入が輸出の約3倍だった。同省は、自動車組立会社ヒョンデ・トランス・オートがベラルーシのRCM社と2027〜2028年に商用車790台、総額3,000万ドル以上の供給を詰めたと伝えたが、合意としており売買契約を結んだとは書いていない。

同じ10月1日にはアスタナでカザフスタン・モンゴル政府間委員会の第10回会合が開かれ、貿易統合省によると、カザフスタンの輸出信用機関がモンゴルの貿易開発銀行に3,300万ドルの枠を承認した。枠の中でカザフスタン製の鉄道の無蓋貨車を供給する取引3件、総額約2,100万ドルを具体化しているが、締結済みとは書かれていない。7月22日に発効したユーラシア経済連合とモンゴルの暫定貿易協定の特恵の対象を、貿易統合省は367品目、農業省は約400品目と書いており、数が食い違う。農業省が伝えた貿易額を5億ドルへ増やす意向は新しい目標ではなく、4月の両国の大統領の会談でモンゴル側が、2024年に採択した行程表で掲げた課題として挙げていた。農業省によれば、2025年の両国の貿易は1億3,350万ドルで、カザフスタンの輸出が輸入の10倍を超えている。

カザフスタン国家統計局が10月1日に公表した9月の消費者物価は、前年同月比9.3%で、8月の9.8%から0.5ポイント下がった。前月比は0.6%で、7月から3か月続けて同じ値だった。部門別の前年同月比は食品が9.5%から8.5%へ1.0ポイント縮み、非食品は11.0%で3部門で最も高く、有料サービスは8.9%で変わらなかった。国立銀行は9月4日に政策金利を16.25%へ引き下げた際、2026年のインフレ率の予測を9〜11%に据え置いている。

年金では、積立金を民間の運用会社(UIP)へ最大100%まで委託できる制度が9月7日に始まり、統一積立年金基金ENPFは国営通信カズインフォルムの取材に、9月7〜22日に約3万9,870件・約690億7,000万テンゲの申請を受け付けたと明らかにした。申請は移管の完了ではなく、国立銀行の運用からUIPへ実際に移ったのは、制度改正前の6日間を含む9月1〜22日で194億テンゲ超・1万6,664件だった。9月1〜22日に最も多くの資金が移ったのはセントラス・セキュリティーズで、カズインフォルムの取材による5社の額を足すと194億2,590万テンゲになる。ENPFの運用報告によれば、9月1日時点でUIP6社が預かる年金資産は1,512億8,000万テンゲで、年金資産の総額28兆4,496億テンゲの0.53%にとどまる。移した積立金を別のUIPへ移すか国立銀行の運用へ戻せるのは、移管の日から1年を経たあとに限られる。

ジョージア統計局が9月30日に公表した速報推計で、8月の実質GDPは前年同月比6.3%増、1〜8月の平均は7.6%だった。7月の8.0%は改定されていないが、第2四半期は前回の資料の7.0%から6.9%へ改定され、前回の1〜7月の平均7.9%との差は8月の数値だけによるものではない。統計局は8月に寄与した部門として製造業、情報通信、金融・保険、不動産、卸売・小売、運輸・保管を挙げ、建設では減少が記録されたとしたが、寄与度の数値は示していない。速報推計は付加価値税の課税事業者の売上高などをもとにした月次の推計で、四半期ごとの国民経済計算とは別の系列である。

今後の予定では、ソリッドコアの株式買付は応募の撤回期限が10月8日午後5時、受付の終了が10月12日午後5時(いずれもアスタナ時間)で、結果の公表は10月14日ごろとされているが、会社はこれらの時刻と日付は変更されうるとしている。カザフスタン国立銀行の次の政策金利の決定は10月23日12時(アスタナ時間)に公表される。キルギスの2027年予算法案は議会の採択を待つ。法案第19条は、非常時の国家予算を除き改正を年2回までとし、1回目は6月1日、2回目は11月1日までに議会へ提出すると定めている。コスタナイ州の風力発電所は2027年春の着工、2029年末までの稼働を予定する。日付が示されていないものでは、CASAの作業部会の設置とその後の調査の日程、カザフスタンとベラルーシ、モンゴルとの間で具体化中の取引の締結の時期が、いずれも発表に書かれていない。

この記事の日付 2026年10月5日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年10月7日 1:34

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