タジキスタンの盆地部で7月中旬の気温が42〜47度に達し、電力網、輸送、公益事業、農業に負荷がかかった。アジアプラスが影響をまとめた。今夏の猛暑による経済的な損害の総額はまだ算定されていない。
電力への影響が最も直接的である。トゥルスンゾダでは6月1日から13日にかけて、パフタオボド変電所につながる送電線の1本が7回遮断された。変圧器T-2が過熱したためで、機器の温度は64〜70度に達していた。さらに温度が上がれば事故や火災、変圧器の故障につながりかねないため、電力作業員は最も暑い時間帯に数時間、負荷を落とす措置をとった。同様の停電はザラフション、チムテパ、ドゥシャンベ市内の一部でも起きた。
停電は小規模事業者に及んだ。ドゥシャンベのショフマンスール地区の小売店主はアジアプラスに対し、2か月にわたり1日に数回電気が止まったと述べた。インターネット接続やキャッシュレス決済が使えなくなり、営業に支障が出た。
輸送では季節規制が重なった。同国は5月1日から8月31日まで、気温が25度を超える日は6トン超の車両の舗装道路走行を10時から20時まで禁じている。熱せられたアスファルトが重量車両で傷みやすくなるためだと運輸省は説明する。7月には燃料販売にも影響が出た。ロシアからの供給が細っていた時期に、多くの給油所が安全上の理由から液化ガスの販売を一時的に絞った。加圧タンクに貯蔵する液化ガスは、気温が上がるとタンク内の圧力が高まるためである。
水力が電力の大半を占める同国では、猛暑は需要(冷房)と供給(河川流量)の双方に効く。S&Pが構造的リスクとして電力の水力依存を挙げているように、気候の振れが経済に直結しやすい。冬季の電力不足に加えて夏季の系統負荷という問題が可視化された形で、送配電設備の更新の緊急性を示している。
