解説 · 2026年8月時点
スチール・インターナショナル・トレーディング・カンパニー(SITC)は、トビリシに本拠を置く金属・原料の商社である。2018年の設立と歴史は浅いが、フェロアロイとコークスの取引でジョージア有数の売上規模に達した。2021年通期の売上高7億991万ラリはフォーブス・ジョージアの「100大企業」で第7位にあたり、同ランキングでは前年から41位を駆け上がった。
取扱品目は、シリコマンガンなどのフェロアロイ、マンガン鉱石、製錬スラグの輸出と、ジョージア国内の冶金向けに使う冶金用コークスの輸入である。ジョージアはチアトゥラのマンガン鉱山とゼスタポニのフェロアロイ工場を持つマンガン産業国で、SITCの商流はこの産業の入口(コークス)と出口(合金の輸出)の双方に関わる。
| 正式名 | LLC Steel International Trading Company(SITC) |
|---|---|
| 設立 | 2018年 |
| 本拠 | ジョージア・トビリシ |
| 事業 | フェロアロイ(シリコマンガン)・マンガン鉱石・スラグの輸出、冶金用コークスの輸入、NCTS(共通通過制度)に基づく通関・輸送 |
| 取扱地域 | NCTSを通じて37か国 |
| 売上高 | 7億991万3,015ラリ(2021年通期。フォーブス・ジョージア「100大企業」第7位) |
| 所有 | ギオルギ・チェリゼ(100%) |
| 傘下 | サクナフシリ(トキブリ炭鉱。2019年9月に取得) |
事業の構造
同社はジョージア歳入庁と接続したNCTS(共通通過制度)の認定通過事業者として、37か国にまたがる簡易通関手続きを扱うと説明している。商社としての売上規模に対して固定資産が軽い事業構成で、原料の価格と物流の差益が収益源になる。
冶金用コークスの輸入元と合金の輸出先は複数の国にまたがる。マンガン合金は電炉製鋼の脱酸・脱硫に欠かせない副原料で、需要は世界の粗鋼生産に連動する。したがって同社の業績は、鉄鋼市況とマンガン鉱石価格の変動に強く左右される構造にある。
トキブリ炭鉱の取得
2019年9月、同社はジョージア唯一の石炭採掘会社サクナフシリ(Saknakhshiri)を取得した。それまでの所有者はジョージアン・インダストリアル・グループで、西部イメレティ地方のトキブリにあるミンデリ、ジジグリの両坑を運営していた。
トキブリの炭鉱は死亡事故と操業停止、賃金未払いが繰り返された現場で、2019年には坑夫のストライキとハンガーストライキが起きていた。新たな所有者となったSITCが未払い賃金を支払ったことでストライキは収束したと報じられている。石炭は同国の火力発電と冶金の双方に関わる資源だが、採算と安全管理の両面で難しい事業が続いてきた。
所有
資本金の100%を個人のギオルギ・チェリゼが保有する。上場しておらず、監査済みの財務諸表は一般に公開されていない。売上高はフォーブス・ジョージアがグラント・ソントンの検証を経て集計した2021年決算の数字による。
参考資料
- SITC — Steel International Trading Company(公式サイト) ↗
- The 100 Largest Georgian Companies by Revenue — Forbes Georgia(2024年1月9日) ↗
- Mindeli Coal Mine — Global Energy Monitor ↗
- Miners' end protests demanding back pay in Tkibuli mining town — Agenda.ge(2019年) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。