解説 · 2026年8月時点
ハルィク銀行(Halyk Bank)は、カザフスタン最大の銀行である。総資産は20兆9,085億テンゲ(2025年末)で、同国の銀行部門で群を抜く規模を持つ。ロンドン証券取引所に預託証券を上場し、国際会計基準の四半期開示を行うため、カザフスタンの家計と企業の資金の流れを外から確認できる貴重な窓口でもある。
| 正式名 | Joint Stock Company Halyk Bank of Kazakhstan |
|---|---|
| 上場 | ロンドン証券取引所(HSBK)、カザフスタン証券取引所(HSBK、HSBKd)、アスタナ国際取引所(HSBK、HSBK.Y) |
| 事業 | 商業銀行。個人・法人向け融資、決済、保険、リースなど |
| 総資産 | 20兆9,085億テンゲ(2025年末、前年比12.7%増)。カザフスタン最大 |
| 純利益 | 1兆584億テンゲ(2025年通期、普通株主帰属。14.9%増) |
| 貸出残高 | 13兆7,147億テンゲ(2025年末、総額ベースで13.9%増) |
| 預金等 | 14兆3,388億テンゲ(2025年末) |
| 自己資本利益率 | 32.6%(2025年通期) |
| 経費率 | 17.5%(2025年通期) |
2025年の業績
2025年通期の普通株主帰属純利益は1兆584億テンゲで、前年比14.9%増えた。融資、決済、保険の各事業が伸びたことに加え、2024年に一時的な損失(KSF預金の早期返済に伴うもの)を計上していた反動もある。
利息収入は2兆6,950億テンゲと24.1%増えた一方、利息費用は32.4%増と伸びが上回り、純利ざやは7.2%から7.1%へわずかに縮んだ。最低準備率の引き上げと、基準金利上昇に伴う調達コストの再設定が理由である。自己資本利益率は32.6%、経費率は17.5%と、いずれも高い水準を保っている。
貸出は総額ベースで13.9%増え、個人向けが10.8%、法人向けが15.5%伸びた。不良債権に相当するステージ3の比率は7.7%へ上昇したが、これは2026年5月まで個人の不良債権を債権回収会社へ売却できない措置が続いていることと、一部の法人が区分変更されたことによる。
市場での位置づけ
ハルィク銀行は伝統的な総合銀行として、法人融資と国債運用を軸に規模を積み上げてきた。決済とECを軸に伸びたカスピ・ケーゼットとは事業の重心が異なり、両社が対照的な二極を形成しているのがカザフスタンの金融市場の特徴である。
3つの取引所に上場しているため、同一銘柄がロンドン、アルマトイ、アスタナで取引される。国内資本市場の指標銘柄でもあり、KASE指数の値動きに大きな影響を持つ。
参考資料
- Halyk Bank of Kazakhstan — Consolidated financial results for the year ended 31 December 2025(2026年3月19日) ↗
- Halyk Bank of Kazakhstan reports 2025 consolidated financial results — KASE ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。