解説 · 2026年8月時点
ウズベクネフチガス(Uzbekneftegaz)は、ウズベキスタンの国営石油ガス会社である。同国は中央アジア有数の天然ガス産出国であり、その探鉱・生産・精製・輸送を束ねるのが同社である。近年は国内のガス生産が減退局面に入り、輸入に頼る構図へと転じつつある。この転換をどう乗り切るかが、同社だけでなくウズベキスタンのエネルギー政策全体の課題になっている。
| 正式名 | Joint-Stock Company Uzbekneftegaz |
|---|---|
| 本社 | ウズベキスタン・タシケント |
| 事業 | 原油・天然ガス・ガスコンデンセートの探鉱開発、精製、輸送、販売、石油化学 |
| 総収益 | 34兆1,270億スム(2024年通期)。うち石油・ガス・石油製品・石油化学の売上は28兆3,210億スム |
| 営業利益 | 11兆9,200億スム(2024年通期) |
| 純利益 | 5兆1,220億スム(2024年通期、前年は6,280億スム) |
| 株主 | ウズベキスタン経済財務省 |
| 資本市場 | 2021年に初のユーロ債。2025年4月にロンドン証券取引所で8億5,000万ドルを起債(利回り8.75%) |
事業と業績
国内の主要なガス田・油田の操業に加え、製油所と石油化学設備を運営し、合弁事業への出資も多い。2024年通期の総収益は34兆1,270億スムで、うち石油・ガス・石油製品・石油化学の売上が28兆3,210億スム、合弁会社・関連会社からの持分利益が5兆260億スムを占めた。営業利益は11兆9,200億スム、純利益は5兆1,220億スムで、前年の6,280億スムから大きく回復した。
利益が年ごとに大きく振れるのは、為替差損と金融費用の重さによる。2024年も為替差損が2兆1,630億スム、金融費用が5兆8,900億スム発生している。外貨建て債務を抱えたままスムが下落すると、営業段階の利益が財務段階で削られる構図である。
生産の減退と資金調達
同社が抱える最大の問題は、既存ガス田の減退である。2025年の生産見通しは341億立方メートルから265億立方メートルへ引き下げられた。減った分はロシアからの輸入で補われており、2025年のロシア産ガス輸入は64億8,000万立方メートルと前年の56億4,000万立方メートルから15%増えた。ガス供給国が輸入国へ変わりつつある。
2025年4月30日、同社はロンドン証券取引所で8億5,000万ドルのユーロ債を発行した。ウズベキスタンの単一発行としては過去最大で、応募額は19億ドルを超えた。ただし利回りは8.75%と、2021年の初回起債(4.75%)のほぼ2倍になっている。調達資金は既存債務の借り換えと、生産回復のための投資に向けられる。
投資家から見た読み方
同社はユーロ債の発行体としてIFRSに基づく連結財務諸表を公表しており、ウズベキスタンの国有企業では財務が最も詳しく読める部類に入る。ガスの生産量、輸入量、そして為替の三つが業績を左右するため、この三つを追えば同社の状況はおおむね把握できる。
参考資料
- Uzbekneftegaz JSC Consolidated financial statements for the year ended 31 December 2024(ロンドン証券取引所RNS) ↗
- Uzbekneftegaz(公式サイト) ↗
- Russia's gas exports to Uzbekistan may surge fourfold by 2030 — Kun.uz(2025年12月23日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。