ウランは原子力発電の燃料になる金属元素である。天然のウランのうち核分裂を起こす同位体ウラン235は0.7%にすぎず、残りはウラン238である。このため鉱山から出たウランをそのまま原子炉に入れることはできず、化学形を変え、ウラン235の割合を高める工程を経てはじめて燃料になる。ウランの商流と価格は、この分業の上に成り立っている。
鉱山が売る製品は金属ウランではなく、八酸化三ウラン(U3O8)を主成分とする粉末状の精鉱である。乾燥して200リットルのドラムに詰められ、色からイエローケーキと呼ばれる。この精鉱が転換工場で六フッ化ウランに変えられ、濃縮され、二酸化ウランのペレットに焼き固められて燃料集合体になる。
市場としてのウランには、他の資源と違う三つの性質がある。第一に、公開の取引所がない。売り手と買い手が相対で契約を結び、価格は調査会社が集めた情報にもとづく指標として公表される。第二に、取引の大半が3年から15年の長期契約で、スポット取引はその一部にすぎない。第三に、需要が景気ではなく原子炉の基数と運転計画でほぼ決まるため、他の資源に比べて予測がしやすい。設備投資が大きく燃料費の比率が小さい原子力では、いったん建てた炉を高い稼働率で回すことが経済的に合理的だからである。
この分野で中央アジアが占める位置は大きい。カザフスタンは2009年以来、世界最大のウラン産出国であり、2024年の生産量2万3,270トンUは世界の約39%にあたる。ウズベキスタンも4,000トンU(推計)で第5位にある。両国のウランはいずれも、坑道を掘らずに地下の鉱層へ薬液を注いで溶かし出す地下浸出法で採られている。
| 取引される形 | ウラン鉱山の製品は金属ウランではなく、八酸化三ウラン(U3O8)を主成分とする粉末状の精鉱である。乾燥して200リットルのドラムに詰められ、色から俗にイエローケーキと呼ばれる。ウランの含有率は通常80%を超える |
|---|---|
| 主な単位 | 金属ウラン換算のトン(トンU)と、精鉱の重さで測るポンド(ポンドU3O8)。資源量と生産量はトンU、価格はポンドU3O8で示されることが多い |
| 換算 | 1トンU=1.1792トンU3O8=約2,600ポンドU3O8。逆に1ポンドU3O8=約0.385キログラムU。1キログラムUあたり260ドルは1ポンドU3O8あたり約100ドルにあたる |
| スポット価格 | 1ポンドU3O8あたり89.68ドル(2026年8月末。カメコがUxCとトレードテックの月末値から算出する業界平均) |
| 長期契約価格 | 同96.50ドル(2026年8月末、同)。2026年は年初から長期価格がスポットを上回る状態が続いている |
| 過去の高値・安値 | 月末のスポットは2007年6月の136.00ドルが最高、2000年12月の7.10ドルが最低(カメコの集計。同社の系列は1988年1月から) |
| 世界の一次生産 | 6万213トンU(2024年、世界原子力協会)。2025年はカザトムプロムが6万6,490トンUと推計している |
| 世界の供給 | 8万1,800トンU(2025年、カザトムプロムの推計)。一次生産との差は在庫の取り崩しや再処理などの二次供給による |
| 原子炉の必要量 | 6万8,920トンU(2025年、世界原子力協会の集計) |
| 運転中の原子炉 | 441基・正味4億412万7,000キロワット。建設中79基、計画中124基(2026年9月2日時点、世界原子力協会) |
| 主な産出国(2024年) | カザフスタン2万3,270トンU、カナダ1万4,309、ナミビア7,333、オーストラリア4,598、ウズベキスタン4,000(推計)、ロシア2,738、中国1,600(推計) |
| 主な生産企業(2024年) | 各社の権益に応じた配分ベース。カザトムプロム1万2,463トンU(世界の21%)、カメコ1万193(17%)、オラノ6,815(11%)、ウラニウム・ワン5,829(10%)、CGN 5,761(10%)、ナヴォイ4,000(7%) |
| 採掘方式の内訳(2024年) | 地下浸出法(ISL、北米ではISRと呼ぶ)52%、露天掘りと坑内掘り44%、他の金属の副産物として回収するもの4% |
| 確認資源量 | 592万5,700トンU(1キログラムUあたり130ドルまでで回収できる確認資源量。2023年1月1日時点。OECD原子力機関とIAEAが隔年で出す「レッドブック」2024年版)。オーストラリア28%、カザフスタン14%、カナダ10%、ナミビア8% |
| 転換工場を持つ国 | カナダ、中国、フランス、ロシア、米国の5か国。認可能力の合計は年6万2,000トンU(世界原子力協会、2024年11月時点) |
| 濃縮能力 | 年6,807万6,000分離作業単位(SWU、2025年)。ロスアトム2,913万3,000、ウレンコ1,730万、CNNC 1,378万9,000、オラノ750万 |
単位と換算
ウランの数量には二つの単位が並行して使われる。ひとつは金属ウランに換算した重さで表すトンU(tU)で、資源量、埋蔵量、生産量、原子炉の必要量はほぼこれで示される。もうひとつは精鉱の重さで測るポンドU3O8(lb U3O8)で、価格の表示と、北米企業の決算はこちらを使う。
換算の関係は決まっている。八酸化三ウランに占めるウランの重量比から、1トンUは1.1792トンU3O8にあたる。世界原子力協会が公表する生産統計では、2024年の世界の一次生産が6万213トンU、同じ量が7万1,006トンU3O8と両方の単位で併記されており、この比率がそのまま現れている。ポンドに直すと1トンUは約2,600ポンドU3O8である。
価格の単位についても同じ換算が使われる。OECD原子力機関とIAEAが「レッドブック」で資源を分類するときの区分「1キログラムUあたり40〜260ドル」には「1ポンドU3O8あたり15〜100ドルに相当する」という注記が添えられており、1ポンドU3O8がおよそ0.385キログラムUにあたることが読み取れる。1ポンドあたり90ドルのスポット価格は、1キログラムUあたりに直せば約234ドルである。
同じ資料の中で単位が切り替わることは珍しくないので、数字を引くときは末尾がトンUかポンドU3O8かを必ず確かめる必要がある。1.18倍または2,600倍の取り違えは、そのまま結論を変えてしまう。
価格は二本立て、実際には三つの数字がある
ウランには公開の取引所がない。カメコは、ウランは他の商品のように開かれた市場で取引されるのではなく売り手と買い手が個別に契約を交渉する、と説明している。したがって「ウランの価格」として流通する数字は、いずれも調査会社が取引情報を集めて作る指標である。指標を出しているのは米国のUxCコンサルティングと英国のトレードテックの2社で、カメコはこの2社の月末値の平均を業界平均として毎月開示している。
指標は二本立てである。ひとつはスポット価格で、1年以内に1回だけ引き渡す取引に対応する。もうひとつは長期契約価格で、いま新たに長期契約を結ぶとしたらいくらになるかを示す。カメコの集計では、2026年8月末のスポットは1ポンドU3O8あたり89.68ドル、長期は96.50ドルだった。2026年は年初から長期がスポットを上回る状態が続いている。
ここに三つ目の数字が加わる。実際に引き渡された燃料の値段である。米エネルギー情報局(EIA)は米国の原子力発電事業者の購入実績を毎年集計しており、2026年7月29日に公表された2025年分の報告によれば、購入量4,690万ポンドU3O8のうち13%がスポット契約で加重平均76.01ドル、残り87%が長期契約で加重平均55.91ドル、全体では58.46ドルだった。長期契約の55.91ドルは、同じ年の長期契約価格指標(80ドル台)よりはるかに低い。数年前に結ばれた契約が順に履行されているためである。
つまり、指標としての長期価格は「これから結ぶ契約の水準」であり、実績としての長期価格は「過去に結んだ契約の水準」である。生産者の決算に出てくる平均実現価格も後者に近い。カザトムプロムの場合、2025年の週次スポットの平均が72.75ドルだったのに対し、グループの平均実現価格は65.32ドルだった。価格が上がる局面でも、上限価格を含む契約条項があるため、実現価格はスポットに遅れて追いつく。ウラン価格の上昇が生産者の利益にどれだけ効くかを見るときは、この時間差を織り込む必要がある。
採掘方式 — 地下浸出法が過半を占める
ウランの採掘には大きく三つの方法がある。露天掘りは鉱床が地表に近いときに使い、坑内掘りは概ね深さ120メートルより深い鉱床に使う。いずれも鉱石を掘り出して砕き、硫酸やアルカリ溶液で浸出させてウランを取り出す。第三が地下浸出法(ISL、北米ではISRと呼ぶ)で、鉱石を掘らずに地表から井戸を掘り、薬液を鉱層へ注入してウランを溶かし、汲み上げた溶液から回収する。副産物として回収する方式もあり、オーストラリアのオリンピックダムは銅鉱山の副産物としてウランを産出する。
構成比は大きく動いた。1990年には世界の生産の55%が坑内掘りだったが、2024年には地下浸出法が52%、露天掘りと坑内掘りが44%、副産物が4%となっている。2000年の地下浸出法の比率は16%だったので、四半世紀で3倍を超えた計算になる。
地下浸出法が広がったのは、条件が合えば費用が安いためである。鉱石を掘り出して運び、砕く工程が要らないので初期投資も操業費も小さく、鉱滓(ずり)や廃石も出ないため地表の改変が限定される。半面、適用できる鉱床は限られる。ウランが透水性のある砂岩層にあり、上下を不透水層に挟まれ、地下水面より下にあることが条件になる。カザフスタンとウズベキスタンの砂岩型鉱床はこの条件に合う。
環境面の論点は地表ではなく地下水にある。溶液が鉱床の外へ広がらないよう、注水量を汲み上げ量よりわずかに少なくして内向きの流れを保ち、周囲の監視井で漏れを見張る。採掘後は操業前に定めた基準まで地下水の水質を戻すことが求められる。
薬液の種類は地質で決まる。鉱床にカルシウムが2%より多く含まれる場合はアルカリ(炭酸塩)浸出を、そうでなければ酸(硫酸)浸出を使う。酸浸出の回収率は70〜90%とアルカリ浸出の60〜70%より高く、操業費はおよそ半分である。カザフスタンの鉱山は酸浸出で、ウラン1キログラムあたりおよそ40キログラムの硫酸を使う。オーストラリアのビバリー鉱山の2007年の実績が7.7キログラムだったのと比べると桁違いに多く、硫酸の価格と調達量がカザフスタンの生産コストを直接左右する。
核燃料サイクル — 五つの段階と、その分業
鉱山から原子炉までの工程(フロントエンド)は、採掘、精錬(製錬)、転換、濃縮、成型加工の五つに分かれる。
採掘と精錬は普通は同じ場所で行い、鉱石または浸出液からウランを分離して乾燥させ、U3O8の精鉱にする。転換では精鉱を精製して六フッ化ウランに変える。六フッ化ウランは比較的低い温度で気体になるため、同位体を分離できる。濃縮は遠心分離機を数千本並べてウラン235の比率を高める工程で、軽水炉の燃料では3.5〜5%まで上げる。成型加工では濃縮した六フッ化ウランを二酸化ウランに戻し、1,400度超で焼き固めたペレットにして被覆管に詰め、燃料集合体に組み上げる。
費用の内訳は直感に反する。世界原子力協会によれば、原子炉に装荷される燃料の費用のうち、鉱山から出た天然ウランそのものが占めるのは約3分の1にすぎない。残りの大半は濃縮と成型加工の費用で、転換は小さい。したがってウランのスポット価格が2倍になっても、燃料費全体は2倍にならず、発電コストへの影響はさらに小さい。
各段階の担い手は集中している。転換工場を持つのはカナダ、中国、フランス、ロシア、米国の5か国だけで、認可能力の合計は年6万2,000トンUである。濃縮はロスアトム、ウレンコ、CNNC、オラノの4事業者でほぼすべてを占め、2025年の能力合計6,807万6,000SWUのうちロスアトムが43%を握る。EIAの集計では、2025年に米国の事業者が購入した1,300万SWUのうち外国産が77%を占め、その内訳はロシア26%、フランス18%、英国14%、オランダ8%だった。濃縮役務の地理的な偏りは、ウランそのものの産地の偏りより大きい。
カザフスタンは、転換と濃縮を除く各段階を国内に持つ。ウスチカメノゴルスクのウルバ冶金工場が原子炉級の二酸化ウラン粉末と燃料ペレットを製造し、中国広核集団との合弁ウルバFAが燃料集合体を年200トン(低濃縮ウラン換算)の能力で作る。濃縮役務はロシアとの合弁を通じて年最大250万SWUの利用権を確保する形をとる。IAEAの低濃縮ウラン銀行も同じ工場に置かれている。ウズベキスタンのナヴォイウランは探鉱・採掘・精錬・販売までを担い、転換以降の工程は持たない。
世界の生産と需要
2024年の世界の一次生産は6万213トンUだった。国別ではカザフスタン2万3,270トンU、カナダ1万4,309、ナミビア7,333、オーストラリア4,598、ウズベキスタン4,000(推計)、ロシア2,738と続き、上位2か国で62%を占める。企業別では、カザトムプロムが1万2,463トンU(世界の21%)で首位、カメコ1万193(17%)、オラノ6,815(11%)、ウラニウム・ワン5,829(10%)、CGN 5,761(10%)、ナヴォイ4,000(7%)の順である。生産の半分以上は国有企業が担っており、市場の条件よりも供給の確保を優先する主体が相当の比重を占めている点は、この市場を読むうえで重要である。
需要の側は原子炉の数で決まる。2025年時点で運転中の原子炉は441基・正味4億412万7,000キロワット、必要量は6万8,920トンUである。国別では中国が1万3,872トンUで最も多く、フランス8,389、ロシア6,251、韓国4,703、日本2,135と続く。建設中の79基の大半は中国にある。新しい原子炉は初装荷に通常運転の2〜3倍の燃料を要するため、新設は稼働の前から需要を押し上げる。
一次生産だけでは需要をまかなえていない。2024年の一次生産は必要量の90%にあたる。差を埋めるのが二次供給で、電力会社と政府が持つ在庫、使用済み燃料の再処理、濃縮の劣化ウラン(テイル)の再濃縮、そしてかつては解体した核兵器の高濃縮ウランを薄めた材料がこれに当たる。カザトムプロムは2025年の世界の供給を8万1,800トンU、一次生産を6万6,490トンUと見積もっており、その差1万5,000トンU余りが二次供給の規模感を示す。世界原子力協会の2025年版燃料報告書は、2024年末の在庫を米国4万2,000トンU、EU 4万トンU、東アジア6万5,000トンUと推計している。
資源量は当面の需要に対して十分にある。レッドブック2024年版では、1キログラムUあたり130ドルまでで回収できる確認資源量が2023年1月1日時点で592万5,700トンU(現在の消費水準でおよそ90年分)、260ドルまでを含めれば793万5,000トンUである。資源量は価格と技術の関数であり、価格が上がれば資源量も増える。
市場を動かす要因
第一に原子炉の増減である。新設と運転期間の延長は需要を増やし、閉鎖は減らす。建設中79基、計画中124基がそのまま将来の需要になるわけではないが、既存炉の運転認可が更新されるかどうかが中期の需要水準を左右する点は、原子力に固有である。
第二に供給の途絶と回復である。ウラン鉱山は価格が低い局面で操業を止め、価格が上がると再開する。米国の生産は2019年に58トンU、2020年に6トンU、2021年に8トンUまで落ち込んだ後、2024年には260トンUへ戻っている。逆にニジェールの生産は2019年の2,983トンUから2024年には962トンUへ減った。個別の鉱山の事故や原料不足も影響し、地下浸出法に不可欠な硫酸の需給が生産計画を止めることがある。
第三に在庫である。電力会社は燃料を数年分持つのが普通で、価格が低い時期に積み増し、高い時期に取り崩す。この在庫の厚みが短期のスポット価格の振れ幅を決める。
第四に金融の資金である。スポット市場の30〜40%は実需以外の参加者による。物理的なウランを買って保有するだけの上場会社も存在する。英領ジャージー登記でロンドンのAIMに上場するイエロー・ケーキは2026年9月時点で2,437万ポンドのU3O8を保有し、カザトムプロムとの枠組み契約により2027年12月31日まで、その時々のスポット価格で年最大1億ドル分のU3O8を買う権利を持つ。こうした買いはスポットの需給を直接動かす。
第五に貿易上の制約である。転換と濃縮の能力が5か国・4事業者に集中しているため、そのいずれかとの取引が政治的な理由で制限されると、価格より先に経路の問題として現れる。カザフスタンから西向けの出荷は従来ロシア経由の鉄道が主だったが、2025年末時点でその48%がカスピ海を横断する中間回廊へ移っている。
カザフスタンとウズベキスタン
カザフスタンのウランは国営のカザトムプロムが束ねる。2025年の生産量は自社と合弁相手の権益を合算した100%ベースで2万5,839トンU、権益に応じた持分ベースで1万3,519トンUだった。鉱床はクズィルオルダ州、トルキスタン州、北カザフスタン州、アクモラ州に分布し、埋蔵量の70.1%がクズィルオルダ州にある。
ウズベキスタンのウランは国営のナヴォイウランが担う。2019年にナヴォイ鉱山冶金コンビナートからウラン部門を分離して設立され、2025年の生産量は7,000トン、売上高は11億1,200万ドルだった。総現金コストを1ポンドU3O8あたり27ドル、持続可能コスト(AISC)を35ドルと開示しており、世界でも屈指の低コスト生産者にあたる。
両国とも、採掘への課税がウランの価格と連動する仕組みを2026年から導入または強化している。カザフスタンの新しい税法典は、ウランの鉱物採掘税を鉱区ごとの年間生産量に応じて4%から18%まで区分し、精鉱の加重平均価格が1ポンドあたり70ドルを超えると0.5ポイント、80ドル超で1.0ポイント、90ドル超で1.5ポイント、100ドル超で2.0ポイント、110ドル超で2.5ポイントを上乗せする。価格が上がれば税率も上がる設計になっており、生産者の手取りは価格の上昇ほどには増えない。
両国はいずれも国内に原子力発電所を持たないが、建設の計画を持つ。世界原子力協会の集計では、計画中の原子炉はカザフスタンが2基・240万キロワット、ウズベキスタンが4基・211万キロワットである。産出国が同時に消費国になれば、輸出に回る量と国内向けの量の配分が新しい論点になる。
数字の読み方
生産量には100%ベースと持分ベースの2種類がある。合弁で運営される鉱山では、鉱山全体の産出量(100%ベース)と、出資比率に応じて各社に配分される量(持分ベース)が大きく食い違う。カザトムプロムの2025年の生産量は前者で2万5,839トンU、後者で1万3,519トンUと、ほぼ2倍の開きがある。企業の規模を測るなら持分ベース、国の産出量を測るなら100%ベースが対応する。
価格を比べるときは、スポット指標、長期契約指標、実際の引き渡し価格、生産者の平均実現価格の4種類を混ぜないことが要る。いずれも「ウランの価格」と呼ばれるが、示している時点も対象も違う。
国別の生産統計には推計値が混じる。ウズベキスタン、中国、インド、南アフリカ、ウクライナの数字は世界原子力協会の推計であり、公表値ではない。表の脚注で推計かどうかを確かめたい。
資源量の数字は価格の前提とセットである。「1キログラムUあたり130ドルまで」と「260ドルまで」では総量が2割以上違う。前提の価格を書かずに資源量だけを引くと、比較にならない。
参考資料
- World Uranium Mining Production(世界原子力協会、2026年1月20日更新。国別・企業別・鉱山別の生産、採掘方式の内訳) ↗
- Uranium Markets(世界原子力協会、2024年8月23日更新。スポットと長期契約の関係、市場参加者の構成) ↗
- Supply of Uranium(世界原子力協会、2025年12月9日更新。資源量、二次供給、在庫の推計) ↗
- In-Situ Leach Mining of Uranium(世界原子力協会、2026年1月20日更新。地下浸出法の仕組み、回収率、硫酸の使用量) ↗
- Nuclear Fuel Cycle Overview(世界原子力協会、2025年9月23日更新。採掘から成型加工までの各工程) ↗
- Conversion and Deconversion(世界原子力協会、2024年11月20日更新。転換工場の所在地と能力) ↗
- Uranium Enrichment(世界原子力協会、2026年9月2日更新。事業者別の濃縮能力) ↗
- Nuclear Power in the World Today(世界原子力協会、2026年9月2日更新。国別の原子炉基数とウラン必要量) ↗
- Uranium 2024: Resources, Production and Demand(OECD原子力機関・IAEA、2025年刊。通称レッドブック第30版) ↗
- World’s uranium resources enough for the foreseeable future, say NEA and IAEA in new report(OECD原子力機関、2020年12月23日。資源区分の価格帯とポンド換算の注記) ↗
- Powering a resilient energy future: Insights from the 61st Uranium Group meeting(OECD原子力機関、2026年2月25日。レッドブック2026年版の作成状況) ↗
- Uranium Marketing Annual Report(米エネルギー情報局、2026年7月29日公表の2025年分。スポットと長期契約の実績価格、SWUの購入実績) ↗
- Uranium Price(カメコ。UxCとトレードテックの月末値から算出したスポットと長期契約の月次系列) ↗
- Integrated Annual Report 2025(カザトムプロム。2025年の世界供給・世界生産の推計、生産量、平均実現価格) ↗
- Navoiyuran announces 2025 Full Year Preliminary Results(ナヴォイウラン、2026年。生産量、売上高、コスト) ↗
- Our strategy(イエロー・ケーキ。カザトムプロムとの枠組み契約、保有量) ↗
- НАЛОГОВЫЙ КОДЕКС РЕСПУБЛИКИ КАЗАХСТАН(2025年7月18日 第214-VIII号。第781条にウランの鉱物採掘税の税率表) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年9月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。