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テンギスシェブロイル(TCO)

カザフスタン最大のテンギス油田を操業する合弁会社で、シェブロン50%、エクソンモービル25%、カズムナイガス20%、ルクオイル5%が出資する。1993年以降のカザフスタンへの支払いは累計約2,170億ドル。

Tengizchevroil LLP (TCO)
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

テンギスシェブロイル(Tengizchevroil、TCO)は、カザフスタン西部のテンギス油田を操業する合弁会社である。シェブロンが50%を出資し、エクソンモービル25%、国営のカズムナイガス20%、ルクオイル5%が続く。テンギスはカザフスタン最大の油田であり、TCOが政府へ支払う税・ロイヤルティは1993年以降の累計で約2,170億ドルにのぼる。この国の財政と外貨収入を語るうえで避けて通れない企業である。

正式名Tengizchevroil LLP(TCO)
設立1993年4月(カザフスタン政府とシェブロンの合弁として)
所在カザフスタン・アティラウ州テンギス
出資構成シェブロン50%、エクソンモービル・カザフスタン25%、カズムナイガス20%、ルクオイル5%
対象鉱区テンギス油田とコロレフ油田を含む約2,500平方キロメートル
可採埋蔵量原油14億トン(110億バレル。テンギス・コロレフ両油田の合計)
生産能力全設備の稼働時で年産約4,000万トンを見込む
カザフスタンへの支払い累計約2,170億ドル(1993年以降)。2026年上半期は約55億ドル
現地調達累計約530億ドル(1993年以降)

テンギス油田

テンギス油田は1979年に発見された。同年12月18日に最初の坑井が深さ4,045〜4,095メートルの岩塩層下から石油を産出し、1985年にテンギスネフチガス生産合同が設立されて開発が始まった。1985年6月にはT-37坑で火災が発生し、鎮火まで400日以上を要した。

1993年4月6日、アルマトイでカザフスタン政府とシェブロンの合弁設立の協定が調印され、テンギスシェブロイルが発足した。ソ連崩壊後の中央アジアに西側の石油メジャーが本格参入した最初の大型案件であり、その後のカザフスタンの資源開発の型をつくった。

テンギス油田の原始埋蔵量は31億トン(250億バレル)、コロレフ油田は2億トンとされ、両油田の可採埋蔵量は14億トン(110億バレル)と見積もられている。原油は硫化水素を多く含む「サワー原油」で、処理には高度な設備を要する。

設備の拡張

1991年に稼働した初期の処理設備(KTL)は5系列まで拡張された。2008年には第2世代拡張計画が完成し、第2世代プラント(SGP)とサワーガス圧入設備(SGI)が加わって、日量7万5,000トン(60万バレル)の原油と2,200万立方メートルのガスを処理できるようになった。SGIは産出したサワーガスの3分の1を超高圧で地層へ戻し、貯留層の圧力を保つ設備で、TCOの生産の約25%を支えている。

2025年1月24日、TCOは将来成長プロジェクト(FGP)の新設備である第3世代プラント(3GP)で原油の生産を開始した。これによりテンギスの原油生産は年間1,200万トン上積みされ、全設備が満稼働に達すればTCOの年間生産量は約4,000万トンになる見込みである。FGPでは現地企業から約195億ドル分の物品・サービスを調達し、1,250件超の契約をカザフスタン企業に発注した。建設のピーク時には約9万人の雇用を生み、約3万7,500件の訓練が実施された。

輸出ルート

TCOの原油の主要な輸出路は、テンギスから黒海のノヴォロシースク近郊のターミナルまで1,500kmを結ぶカスピ・パイプライン・コンソーシアム(CPC)である。補助的にバルト海側のパイプラインへの接続と、鉄道によるオデーサのターミナルへのアクセスを確保している。LPGと硫黄はいずれも鉄道で出荷される。

2026年上半期の販売実績は、販売用ガス約26億7,000万立方メートル、LPG約61万9,000トン、硫黄約116万トンだった。輸出の大半が単一ルートに依存する構造は、カザフスタンの石油輸出全体が抱える弱点でもある。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

テンギスシェブロイル(TCO)とは | Caspian Intelligence