解説 · 2026年8月時点
SOCARは、アゼルバイジャンの国営石油ガス会社である。バクー油田という世界最古級の産油地を抱える同国のエネルギー部門を統括し、国家財政の柱を担う。近年は国外、とりわけトルコへの大型投資で存在感を高めており、単なる産油国の国営会社の枠を超えつつある。
| 正式名 | State Oil Company of the Azerbaijan Republic(SOCAR) |
|---|---|
| 設立 | 1992年 |
| 本社 | アゼルバイジャン・バクー |
| 事業 | 原油・ガスの探鉱開発、パイプライン、製油・石油化学、給油所網 |
| 売上高 | 863億マナト(2025年通期) |
| 主な海外資産 | トルコのSTAR製油所(年処理能力1,300万トン)、石油化学のペトキム、SOCARターミナル |
| 主な権益 | BTCパイプライン33.0%、シャフデニズ・ガス田、南ガス回廊の各事業 |
国内事業と国際コンソーシアム
国内では自社操業の油田・ガス田に加え、BP主導のアゼリ・チラグ・グナシリ(ACG)油田やシャフデニズ・ガス田といった国際コンソーシアムに参加する。輸出インフラでは、BTCパイプラインの33.0%を保有する最大株主であり、2025年末以降はBPから操業の主体を引き継ぐ協議が進んでいる。
欧州向けの天然ガスを運ぶ南ガス回廊(TANAP、TAP)でも中心的な出資者である。ロシア産ガスの代替をめぐる欧州の議論において、同社は供給側の当事者として登場する。
トルコへの大型投資
SOCARの特徴は、国外の下流部門への投資規模である。トルコ・イズミル近郊のSTAR製油所は年処理能力1,300万トンで、同国最大級の製油所となった。隣接する石油化学大手ペトキムの株式も保有し、製油所のナフサをペトキムの原料に回す一体運営を行っている。SOCARターミナルと合わせ、トルコにおける最大級の外国投資家である。
2025年通期の売上高は863億マナト。うちトルコ部門は165億マナトと前年比71.1%増えた。同社にとってトルコは、原油を売るだけでなく付加価値をつけて稼ぐ場になりつつある。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。