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アゼルバイジャン、2026年の予算歳入見通しを393億マナトへ2.0%上方修正。非石油ガス部門の成長率は5.0%から3.1%へ下げ

アゼルバイジャン財務省が2026年の国家予算の年末見通しを改めた。歳入は承認額を2.0%上回る393億6,500万マナト。ガス価格の想定引き上げが効いた一方で、非石油ガスGDPの実質成長率予測は5.0%から3.1%へ下げ、平均インフレは4.8%から5.7%へ上げている。

資料写真:銀行の建物/Urek Meniashvili(CC BY-SA 3.0)出典
この記事が扱う国。国境は Natural Earth(パブリックドメイン)。点は本文に出てくる場所(シャフデニズ)。

アゼルバイジャン財務省は8月18日、2026年上半期の国家予算・連結予算の執行と年末見通しをまとめた文書(ミッドイヤー・レビュー)を公表した。年末の歳入は393億6,500万マナトと見込み、承認額を7億5,600万マナト、2.0%上回る水準に置いた。

増えるのは石油ガス部門である。同部門からの歳入は170億8,500万マナトで、承認額を6億5,000万マナト、4.0%上回る。歳入全体の43.4%を占める。対する非石油ガス部門は222億8,000万マナトで、上振れは1億600万マナト、0.5%にとどまる。構成比では56.6%と依然大きいが、上方修正のほぼ全量は石油ガスから来ている。

上振れの根拠は明示されている。2026年予算の歳入を算定する際、アゼルバイジャン産ガスの全仕向地平均販売価格を千立方メートルあたり35ドル引き上げ、296.0ドルに置き直した。この改定により、シャフデニズ鉱区の生産分与契約に参加する事業者から入る利益税が4億マナト、25.0%増えると見込んでいる。

税・手数料収入は177億6,000万マナトで、承認額を8億5,000万マナト、5.0%上回る。うち石油ガス部門が42億5,000万マナト(23.9%)、非石油ガス部門が135億1,000万マナト(76.1%)である。石油ガス部門の税収の内訳は、シャフデニズ鉱区の生産分与契約の事業者が20億マナト(47.1%)、アゼルバイジャン国営石油会社が17億5,000万マナト(41.2%)、アゼリ・チラグ・グナシリ鉱区の生産分与契約の事業者が5億マナト(11.8%)となる。

歳入全体の構成では、税・手数料が45.1%、輸入にかかる関税と税が67億6,200万マナト(17.2%)、国家石油基金からの移転が128億3,500万マナト(32.6%)、予算組織の予算外収入が10億2,100万マナト(2.6%)、その他が9億8,700万マナト(2.5%)である。

項目2026年末の見通し
国家予算歳入393億6,500万マナト(承認額比+7億5,600万、+2.0%)
うち石油ガス部門170億8,500万マナト(43.4%、+6億5,000万、+4.0%)
うち非石油ガス部門222億8,000万マナト(56.6%、+1億600万、+0.5%)
財政赤字14億9,760万マナト(GDP比1.1%)
GDP1,380億マナト(実質1.7%増)
うち非石油GDP1,000億マナト(実質3.1%増)
平均年間インフレ率5.7%(従来予測4.8%)
公的債務(2027年1月1日時点)276億410万マナト

実体経済の側は下方修正されている。2026年のGDPは1,380億マナト、実質成長率1.7%で、予算案を編成した時点の予測より名目で39億マナト多い。ただし非石油GDPは1,000億マナトと、名目では17億マナト少ない。非石油ガス部門の実質成長率の予測は5.0%から3.1%へ引き下げられた。財務省は建設と観光の伸びが想定を下回っていることを理由に挙げている。平均年間インフレ率の予測は4.8%から5.7%へ引き上げた。年初来の実績インフレ、国際的な商品・食料価格の輸入価格への波及、規制料金の改定などを織り込んだという。

財政赤字は14億9,760万マナトで、GDP比1.1%となる見込みである。増加分は国内借入、単一国庫口座の残高、目的別予算基金の残余で手当てする。連結予算の非石油基礎赤字の非石油GDP比は年末に17.5%となる見通しで、2026年について立てていた18.8%を下回る。

公的債務は2027年1月1日時点で、対外が48億3,300万ドル、国内が193億8,710万マナト、合計276億410万マナトと見込まれる。中長期公的債務管理戦略が定める債務返済費の上限、すなわち国家予算支出の10%以内という枠は上半期に守られ、比率は5.6%だった。対外公的債務の59.5%は5年まで、34.9%は5年から10年、5.6%は10年超で返済される見込みである。新規の対外借入は参照金利に0.5〜1.5%を上乗せした水準での調達を想定する。国内公的債務の55.3%は国内金融市場で発行した国債が占め、年末時点の残高は51.0%が満期5年まで、49.0%が5年以上となる。

改定の全体を並べると、財政の数字と実体経済の数字が逆を向いていることが分かる。歳入見通しの改善はガス価格の想定を上げたことに拠っており、非石油ガス部門の歳入の上振れは0.5%にすぎない。同じ財務省が非石油ガスGDPの成長率を5.0%から3.1%へ落とし、インフレ見通しを0.9ポイント上げている。1〜7月の石油ガス部門でも投資が33.6%増える一方で生産額は1.5%減っており、歳入の柱は数量ではなく価格に寄りかかっている。財務省が価格改定に帰しているのはシャフデニズ鉱区の利益税4億マナトで、これは歳入の上方修正7億5,600万マナトの半分を超える。想定した千立方メートル296ドルを実勢が下回れば、真っ先に細るのがこの4億マナトである。

この記事の日付 2026年8月18日 は、出典が発表された日です。

本サイトでの初出 2026年8月20日 0:28

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