解説 · 2026年8月時点
アスタナ国際取引所(AIX)は、アスタナ国際金融センター(AIFC)の中核として2017年に設立された取引所である。カザフスタン国内法ではなく英国コモンローの原則に基づく法域で運営され、独立規制当局のAFSAが監督する。上海証券取引所、シルクロード基金、ナスダックが出資し、取引システムはナスダック製である。国有企業の民営化案件の受け皿であると同時に、域外の企業を呼び込む上場先としての役割を担う。
| 正式名 | Astana International Exchange(AIX) |
|---|---|
| 設立 | 2017年(取引開始は2018年11月) |
| 所在 | カザフスタン・アスタナ(アスタナ国際金融センター=AIFC内) |
| 規制 | AIFCの枠組み。英国コモンローの原則に基づく法域で、独立規制当局のアスタナ金融サービス機構(AFSA)が監督 |
| 出資者 | AIFC、上海証券取引所、シルクロード基金、ナスダック |
| 取引基盤 | ナスダックの取引システム。決済はT+2 |
| 参加者 | 60社超の取引参加者・CSD参加者。うち約半数は国外の証券会社 |
| 税制 | 個人・法人とも証券の譲渡益、配当・クーポンが非課税 |
| 国際的な位置づけ | 英国歳入関税庁が「認定証券取引所」として認め、FTSEフロンティア指数シリーズの適格取引所でもある |
設計の狙い
AIXの最大の特徴は法域である。カザフスタン国内の法制ではなく英国コモンローの原則に立ち、上場規則も英国上場当局(UKLA)やドバイ国際金融センター(DIFC)の慣行を取り入れている。海外投資家にとって馴染みのある枠組みで取引できることが設計思想の中心にある。
投資家には、証券の譲渡益と配当・クーポンの非課税という優遇がある。証券会社はAIFCの免許を取らずとも、認定手続きを経てAIXで取引できる。取引参加者・CSD参加者は60社を超え、その約半数は国外の証券会社である。
英国歳入関税庁から「認定証券取引所」の扱いを受けており、英国の年金基金など機関投資家が参加できる。FTSEフロンティア指数シリーズの適格取引所でもある。
上場と役割
取り扱うのは株式、債券、仕組商品、ファンドである。政府の国有資産民営化プログラムに伴うIPOの受け皿として機能し、カザトムプロム(2018年)、カズムナイガス(2022年)、エア・アスタナ(2024年)はいずれもAIXへの上場を含む形で公開された。
国外企業の誘致にも力を入れており、代表例が金生産のソリッドコア・リソーシズである。同社は登記地を英ジャージー島からAIFCへ移し、AIXを主たる上場先としている。カザフスタン企業が国外の資本にアクセスする窓口と、域外の企業がカザフスタンで資本を調達する窓口の、双方向を狙った設計になっている。
参考資料
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。