ORGANIZATION · MEDIA ORGANIZATION

カズインフォルム

カザフスタンの国営通信社。

Kazinform
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

カズインフォルムは、カザフスタンの国営通信社である。起源は1920年にさかのぼり、大統領府、議会、政府、地方自治体、国有の金融・産業組織の日々の活動に関する公式な情報源であると自ら位置づけている。カザフ語、ロシア語、英語、中国語、ウズベク語で配信し、カザフ語はキリル文字のほかラテン文字とアラビア文字の表記でも提供している。

カザフスタンの政策や統計を英語で読むとき、この通信社の記事が最初の入口になることが多い。ただし国営であり、大統領テレビ・ラジオコンプレックスの一部である点は、記事の性格を判断するうえで押さえておく必要がある。

正式名Kazinform International News Agency(カザフ語表記はQazaqparat/Qazinform)
起源1920年8月13日、ROSTA(ロシア電報通信社)のオレンブルク・トゥルガイ支局として設立
現在の位置づけカザフスタン大統領テレビ・ラジオコンプレックス(国営)のメディア群の一部
本社アスタナ
言語カザフ語(キリル文字・ラテン文字・アラビア文字)、ロシア語、英語、中国語、ウズベク語
取材網国内17州に記者網。ロシア、中国、トルコ、欧州、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、キルギス、ヨルダンに支局
ウェブqazinform.com

沿革

同社の年表によれば、カザフ最初の通信社は1920年8月13日にROSTAのオレンブルク・トゥルガイ支局として設立された。1925年にKazROSTAへ改称、1937年にカザフSSR閣僚会議の下にKazTAGの名で移された。

1992年、KazTAGはカザフSSR閣僚会議付属の通信社からカザフ国家通信社へ改組され、名称は維持された。1997年9月10日、大統領令第3629号によりKazTAGは廃止され、同年10月30日の政府決定で共和国国営企業「カザフ通信社」(後にKazAAG)が設立された。

2002年11月8日の政府決定第1186号により、KazAAGを基礎として国民会社「カザフ通信社」=カズインフォルム株式会社が設立された。2004年からカザフ語名QazAqparatが使われるようになった。

2008年7月3日の政府決定第668号で国民情報持株会社アルナ・メディアに加わり、2010年5月5日にアルナ・メディアが清算されると、傘下企業とともに通信情報省へ移管された。2012年には共和国テレビ・ラジオ公社「カザフスタン」への統合により再編され、2013年にカズインフォルム国際通信社有限責任事業組合となった。

2019年8月27日の政府決定により株式会社へ改組され、カズコンテント株式会社が加わった。2022年には非商業株式会社「カザフスタン共和国大統領テレビ・ラジオコンプレックス」への統合により再編され、2023年に同コンプレックスが経済管理権にもとづく共和国国営企業へ改組されて、カズインフォルムはそのメディア群の一部となった。

報道の範囲

サイトの区分は、カザフスタン(地域、社会、司法、文化、スポーツ)、政治(大統領、政府、議会、国際関係)、経済、分析、世界(中央アジア、ユーラシア、中東、アメリカ、アフリカ)、事件である。

経済の記事は、国家統計局の統計、中央銀行の決定、省庁の発表、国有企業の公表にもとづくものが中心である。大統領の演説や政府会議の内容は、同社の記事で英語版が早く出ることが多い。

国内は17州に記者網を持ち、ロシア、中国、トルコ、欧州、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、キルギス、ヨルダンに支局を置いていると説明している。中国語版とウズベク語版を持つ点は、周辺国と中国向けの発信を重視していることの表れである。

歴代の責任者

同社が公開する一覧によれば、KazTAG時代の責任者はアルカジー・ヴャチッチ=キリロフ(1937〜1938年、1938年に銃殺)、コンスタンチン・ネフョードフ(1939〜1940年)、ジュシプ・アルタイバエフ(1953〜1958年)、ケネスバイ・ウセバエフ(1959〜1960年)、カスィム・シャリポフ(1961〜1974年)、カキムジャン・カズィバエフ(1977〜1982年)、ジュマガリ・イスマグロフ(1982〜1987年)、アマンゲルディ・アフメタリモフ(1987〜1997年)である。

カズインフォルム/カザクパラット期は、ガディルベク・シャラフメトフ(2003〜2004年)、ジャナイ・オマロフ(2004〜2006年)、ダウレン・ディヤロフ(2007〜2016年)、アセル・トゥレゲノワ(2016〜2017年)、アスカル・ウマロフ(2017〜2021年)、エルドス・ナシラリ(2021〜2022年)が務めた。

2022年4月1日以降は大統領テレビ・ラジオコンプレックスの総責任者としてラウシャン・カジバエワが、2023年9月1日以降は同コンプレックスの長として同じくカジバエワが記載されている。

言語と表記

同社はカザフ語、ロシア語、英語、中国語、ウズベク語でニュースを提供している。カザフ語についてはキリル文字に加え、ラテン文字表記とアラビア文字表記も用意しており、後者は国外に住む同胞向けだと説明している。

カザフスタンはカザフ語表記のラテン文字への移行を進めており、同社のラテン文字版はその流れに沿ったものである。アラビア文字版について同社は、国外に居住する同胞に向けた提供であると説明している。

サイトのアドレスはqazinform.comで、カザフ語の綴りにあわせた「Qazinform」「Qazaqparat」の表記も併用されている。

出典として使うときの性格

カズインフォルムは国営であり、大統領テレビ・ラジオコンプレックスのメディア群に属する。政府・大統領府の発表を伝える公式の経路であって、政府の判断そのものを検証する立場にはない。読み手はこの点を念頭に置いておく必要がある。

経済統計を扱う記事は、国家統計局や中央銀行の公表を要約したものが多い。数字を引くときは、発表主体の資料に遡って確認するのが確実である。

英語版は日本語圏からも読みやすいが、カザフ語版・ロシア語版に載る細部(地域別の内訳や発言の全文)が省かれていることがある。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

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