カザフスタン国立銀行の金融政策委員会は10月23日、基準金利(政策金利)を年15.75%、上下1ポイントの回廊を伴う水準に設定すると決めた。9月4日の決定の16.25%から0.5ポイントの引き下げで、下げ幅は前回と同じである。国立銀行は6月5日に基準金利を18%から17.00%へ下げた後、7月24日に16.75%、9月4日に16.25%と引き下げを続けており(前回の決定)、今回で4会合連続の引き下げになる。
国立銀行は引き下げの理由に、年間インフレ率が12か月続けて下がり9月に9.3%となったこと、インフレ期待が下がったことを挙げた。1年先のインフレ期待は9月に11.8%で、8月の12.1%から下がった。市場参加者は2026年末のインフレの予想を10.0%から9.5%へ、2027年の予想を8.5%から8.3%へ引き下げた。
| 項目 | 今回の発表 | 前の値 |
|---|---|---|
| 基準金利 | 15.75% | 16.25%(9月4日の決定) |
| 1年先のインフレ期待(9月) | 11.8% | 12.1%(8月) |
| 市場参加者の予想(2026年末のインフレ) | 9.5% | 10.0% |
| 市場参加者の予想(2027年のインフレ) | 8.3% | 8.5%(8月) |
成長について、国立銀行は速報値として1〜9月のGDPが4.2%伸びたとし、非資源部門、とくに建設・製造業・運輸がこれを支えたと書いた。固定資本投資は7.0%増え、予算の資金を除く非資源部門への投資は25.0%増えた。消費の伸びは前年より緩やかだが、財政・準財政の刺激と高い投資活動が内需を高い水準で支えているとしている。
外部環境は物価を押し上げる方向にあるとした。中東情勢がエネルギー価格を高く保ち、FAOの食料価格指数は9月に136.0ポイントへ上がった(前月比1.5%、前年同月比5.8%の上昇)。発表は、欧州中央銀行が9月に今年2回目の利上げを行い、米連邦準備制度が2023年以来の利上げに踏み切ったこと、ロシア中銀が利下げを止めて金利を据え置いたことも挙げている。
先行きについて、国立銀行は物価の圧力がなお高く、リスクはインフレの上振れ側に偏っているとした。年末にかけては、規制料金の2025年の低い水準が比較の基数になるため、年間インフレ率がいくらか加速しうると注記している。2025年10月から2026年3月末まで公共料金の引き上げが凍結され、2025年10〜12月期には公共料金が14%引き下げられていた。そのうえで発表は、年末までに基準金利が変わる確率は低いままだとし、その後の引き下げの可能性は物価の圧力が持続的に弱まったと確かめられるかによるとした。インフレを2028年に目標の5%へ戻すという方針は変わっていない。
決定後の会見で、ティムール・スレイメノフ総裁は1ポイントの引き下げは委員会で検討しなかったと述べた(カズインフォルムの記者の取材)。総裁によれば、委員会では据え置き、0.25ポイント、0.5ポイントの3案が出て、委員の意見はそれぞれに分かれた。長い議論の末、0.25ポイントでは今の金利の水準では効果が足りないとして0.5ポイントを選び、委員会がこれに投票したという。票の内訳は報じられていない。
次の決定は12月4日12時(アスタナ時間)に公表される。9月4日の発表は、さらなる引き下げの余地は限られるとしていたが、年内に基準金利が変わる確率には触れていなかった。
