解説 · 2026年8月時点
コカ・コーラ・ディストリビューションは、ジョージア国内でコカ・コーラ製品の卸売と配送を担う事業体である。Forbes Georgiaが2021年の財務諸表をもとにまとめた企業番付では、売上高1億6,333万8,000ラリで65位に入っている。同じ番付では、製造を担うコカ・コーラ・ボトラーズ・ジョージアが売上高2億8,367万6,000ラリで38位に別掲されており、ジョージアのコカ・コーラ事業は製造と流通が別の法人に分かれている。
ジョージアの清涼飲料市場は、国産の炭酸鉱泉水(ボルジョミ、ナバグレヴィなど)と国際ブランドの炭酸飲料が並び立つ構造である。ジョージア統計局の貿易統計によれば、2025年の鉱水・炭酸水(HS2201)の輸出は1億7,312万ドル、加糖の水・炭酸飲料(HS2202)は1億6,655万ドルで、飲料は同国の主要な輸出品目でもある。国内市場ではボトラーが製造し、地域ごとの流通会社が小売店へ届けるという構図になっている。
| 事業 | ジョージア国内におけるコカ・コーラ製品の卸売・流通 |
|---|---|
| 売上高 | 1億6,333万8,000ラリ(2021年通期、Forbes Georgiaの企業番付で65位) |
| 製造元 | სს კოკა-კოლა ბოთლერს ჯორჯია(JSC Coca-Cola Bottlers Georgia、企業登記番号201948063、1996年4月23日登記) |
| 製造元の本拠 | トビリシ市ツェレテリ通り114番 |
| 製造元の代表者 | ヴァフタング・ラギゼ(企業登記、2026年8月時点) |
| 流通の担い手 | 地域別に登記された複数の有限責任会社(カヘティ、イメレティ、エグリシ、南部グループ、ハシュリ、コブレティ、マルネウリなど) |
法人の構成
ジョージアの企業登記および会計・報告・監査監督局(SARAS)の報告ポータルには、「コカ・コーラ・ディストリビューション」という単独の法人は見当たらない。登録されているのは、地域名を冠した複数の有限責任会社である。コカ・コーラ・カヘティ(2004年10月21日登記)、コカ・コーラ・イメレティ(2006年4月5日)、コカ・コーラ・エグリシ(2008年10月28日)、コカ・コーラ南部グループ(2009年8月25日)、コカ・コーラ・ハシュリ(2013年11月5日)、コカ・コーラ・コブレティ(2014年9月29日)、コカ・コーラ・マルネウリ(2020年7月24日)、コカ・コーラ・ドライブ(2021年10月6日)などで、いずれも登記上の活動分類は「卸売・小売、自動車・二輪車の修理」である。
つまり、番付に載る「コカ・コーラ・ディストリビューション」の数字は、こうした地域会社の集合を指すとみられる。地域ごとに法人を分ける形は、ジョージアの流通業では珍しくない。地方の営業所を独立採算に近い形で運営し、地域の小売店との取引を現地で完結させるためである。
製造元
製造を担うのはコカ・コーラ・ボトラーズ・ジョージア(სს კოკა-კოლა ბოთლერს ჯორჯია)で、株式会社として1996年4月23日に登記された。企業登記番号は201948063、登記上の所在地はトビリシ市ツェレテリ通り114番、活動分類は製造業と不動産関連である。登記上の代表者はヴァフタング・ラギゼ(2026年8月時点)。
監査役会にはシャルヴァ・ギガイア、ギオルギ・アハラゼ、テムル・チコニア、ソフィコ・チコニアの4人が登録されている。テムル・チコニアはジョージアの飲料事業を築いた実業家として知られ、同社は国際的なボトリング会社の子会社ではなく、ジョージア資本のボトラーである。
コカ・コーラのボトリング事業は、原液の供給と商標の使用について本社と契約を結び、その地域での製造と販売を独占的に担う仕組みで成り立つ。ジョージアではこの権利を地元資本の会社が保有しており、周辺国で多国籍のボトリング会社(コカ・コーラHBC など)が担うのとは異なる形になっている。
公開されていない情報
地域の流通会社はいずれも非上場で、個別の売上高、利益、従業員数、担当地域の詳細は公開資料からは確認できない。製造元のコカ・コーラ・ボトラーズ・ジョージアも、公式サイトを現在は稼働させておらず、直近の財務は公開の画面では追えない。
番付の数字は2021年の財務諸表に基づくもので、その後の推移は本稿の作成時点では確認できていない。
参考資料
- სს კოკა-კოლა ბოთლერს ჯორჯია — 企業プロフィール(SARAS 報告ポータル) ↗
- 企業登記の検索(ジョージア国家公簿局 企業登記簿) ↗
- Georgian Exports by Commodity Positions(ジョージア統計局、2015-2026年、4桁分類) ↗
- The 100 Largest Georgian Companies by Revenue — Forbes Georgia(2021年決算に基づく、2024年1月9日) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。