ORGANIZATION · COMPANY

バンク・オブ・アジア(キルギス)

バンク・オブ・アジア(ЗАО «Банк Азии»)は、1998年2月10日に設立されたキルギスの商業銀行である。設立時に外国資本が100%を出資した、同国では数少ない例の一つとされる。融資、預金、国際送金、保証、モバイルバンキングを扱い、支店は7である。

Bank of Asia
公式サイト ↗

解説 · 2026年8月時点

バンク・オブ・アジア(ЗАО «Банк Азии»)は、1998年2月10日に設立されたキルギスの商業銀行である。設立時に外国資本が100%を出資した、同国では数少ない例の一つとされる。融資、預金、国際送金、保証、モバイルバンキングを扱い、支店は7である。

同行の特徴は、資本市場でのESG(環境・社会・企業統治)に配慮した資金調達である。キルギスで最初に女性起業家を支援するジェンダーボンドを発行し、雇用創出や労働条件の改善に資するソーシャルボンドにも取り組んでいる。2023年にはCbonds Awards CISで「キルギスの最優秀プライマリー発行案件」を受賞した。

正式名ЗАО «Банк Азии»(Bank of Asia CJSC)
設立1998年2月10日。キルギスでは数少ない外国資本100%の銀行として発足
免許キルギス国立銀行の免許第042号。免許登録簿への記載は1998年11月17日
本店キルギス・ビシケク市アアリー・トコンバエフ通り35
支店7(2026年8月14日時点、キルギス国立銀行の登録簿)
特徴キルギスで初めてジェンダーボンドを発行。ソーシャルボンドも扱う
上場キルギス証券取引所(KFB)のカテゴリーBにソーシャルボンドを上場(額面1,000ソム、8万2,000口)
受賞Cbonds Awards CIS「キルギスの最優秀プライマリー発行案件」(2023年)
財務総資産・純利益は公表資料からは確認できない

沿革と資本

同行は1998年2月10日に設立された。キルギス国立銀行の免許登録簿では、免許第042号の登録日は1998年11月17日である。同じ日付で登録された銀行にはユーラシア貯蓄銀行がある。

同行は自らを「外国資本の100%出資で設立されたキルギスでは数少ない銀行の一つ」と説明している。2026年8月時点の株主構成は公式サイトでは示されていない。

国立銀行の登録簿によれば、同行は2019年10月16日付で電子マネーの発行許可を、2019年12月18日付で貴金属業務の許可を得ている。貴金属業務では国立銀行が発行する計量地金に加え、他の発行体の計量地金を非現金の形で扱うことができる。

事業

個人・法人向けに融資、預金、国際送金、銀行保証、決済サービスを提供する。デジタル面ではモバイルバンキング「AsiaOnline」を運用し、同行によれば400を超えるサービスを扱う。オンライン融資、預金、電話番号やQRコードによる即時決済がその中身である。

支店は7で、規模としては中位から下位に位置する。経済専門紙エコノミストが2026年上半期についてまとめた資産の順位表では、同行は上位10行に入っていない。

同行は2026年に、事業者が環境技術へ切り替えるのを支援する取り組みを打ち出している。ESGの枠組みを、資金調達だけでなく融資商品の側でも使う構えである。

ESG債という選択

ジェンダーボンドやソーシャルボンドは、資金使途を社会的な目的に限る債券である。発行体は、資金の使い道と成果の測り方をあらかじめ定めて開示し、外部の評価機関から枠組みの妥当性について意見を得る。手続きの負担は普通の社債より重い。

それでも小規模な銀行がこの形を選ぶのは、国際開発金融機関や社会的投資家という買い手にたどりつけるからである。キルギスの銀行が国内の投資家だけを相手に長期資金を集めるのは難しく、目的を限定した債券は、国外の資金を呼び込む数少ない手段になる。

同行はまた、環境技術への転換を支援する融資も打ち出している。調達の側と運用の側の双方でESGの枠組みを使う構えで、キルギスの銀行部門ではこの分野の先行例として参照されている。ドス・クレドバンクのグリーンボンド、エルディク銀行の持続可能性債券(ESG債)など、同様の発行が続いている。

債券発行

同行はキルギス証券取引所のカテゴリーBにソーシャルボンドを上場している。額面は1,000ソム、上場口数は8万2,000である(2026年8月21日時点)。ソーシャルボンドは、雇用の創出、労働条件の改善、生活の質の向上といった社会的な成果に資金使途を限る債券である。

同行はまた、キルギスで初めてジェンダーボンドを発行したと説明している。ジェンダーボンドは、女性が営む事業への融資に資金使途を限定する社会的債券の一種で、中央アジアでは発行例が少ない。

2023年、同行はCbonds Awards CISの「キルギスの最優秀プライマリー発行案件(Лучшая сделка первичного размещения Кыргызстана)」を受賞した。このほか、国内決済システム「エルカルト」の発展に対する国際決済センターの表彰を2017年と2018年に受けている。

同行は自らを「ESGの原則を域内で最初に導入した銀行の一つ」と位置づけている。キルギスの銀行部門でESGを名目とした資金調達が広がるなかで、その先行例として参照されることが多い。

開示の限界

同行は総資産、貸出残高、預金残高、純利益、従業員数を公式サイトで公表していない。上場しているのは債券であり、株式ではないため、株価に基づく規模の指標もない。

したがって、公表資料から確認できるのは設立日、免許番号、支店数、商品ラインアップ、債券の条件、受賞歴に限られる。読み手は、この銀行の規模を示す数字が確認できないことを前提にする必要がある。

設立時期の位置づけ

同行が設立された1998年は、キルギスの銀行部門にとって厳しい年だった。ロシアの金融危機の影響が中央アジアに及び、ソムは大幅に下落した。この時期に外国資本の出資で新しい銀行が生まれたことは、当時としては例外的な出来事である。

免許登録簿を見ると、1998年に登録された銀行は同行とユーラシア貯蓄銀行、そしてバカイ銀行(1998年12月29日)である。1999年のO!バンク(当時は別名)を最後に、2001年のKICBまで新規の免許登録は途切れている。1998年から1999年にかけての数行が、キルギスの銀行部門の第二世代にあたる。

参考資料

この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。

MENTIONED IN

キルギスの2027年予算案、歳入7,283億ソムで2026年当初予算比32.1%増。閣議の決定で10億ソムを上積み2026.09.30キルギス財務省は9月30日、2027年予算法案と説明書を公開した。歳入は7,282億9,555万3,600ソム(2026年の当初予算比32.1%増)、歳出は6,958億943万5,200ソム、黒字は324億8,611万8,400ソム。9月25日の閣議で10億ソムが加わり、歳入と歳出は9月16日の聴聞会の値から増えた。先週の中央アジア・コーカサス:EBRDがウズベキスタンの2026年成長率予測を7.5%へ上方修正、シルダリヤ州の新設火力で1,600メガワットが緊急停止(9月21日〜27日)2026.09.28EBRDが9月24日に公表した地域経済見通しで、中央アジア・コーカサス8か国のうち6月版から予測が動いたのはウズベキスタン(2026年を7.5%へ)とジョージア(6.5%へ)の2か国だけだった。25日にはシルダリヤ州の試運転中の火力発電所で1,600メガワットが緊急停止したとウズベキスタン・エネルギー省が発表した。カザフスタンでも合計962メガワットの負荷が遮断されたと、KursivがKEGOCのデータとして伝えている。ウズベキスタン大統領府はカラカルパクスタンとアンディジャンの事業を相次いで公表し、カザフスタンの銀行部門の1〜8月の純利益は13.6%減った。ウズベキスタンの新設火力で1,600メガワットが緊急停止。KEGOCのデータではカザフスタンで962メガワットの負荷遮断2026.09.25ウズベキスタン・エネルギー省は9月25日、シルダリヤ州にあるEDF社の新しい火力発電所で05時05分に1,600メガワットが緊急停止したと発表した。試運転中の発電所で、発表に原因の記載はない。カザフスタンでは962メガワットの負荷が遮断されたと、KursivがKEGOCのデータとして伝えた。EBRD、ウズベキスタンの2026年成長率予測を1.0ポイント上げ7.5%に。ジョージアも0.5ポイント上げ6.5%、他の6か国は据え置き2026.09.24EBRDが9月24日に公表した地域経済見通しの2026年9月版(題名「Running dry」)で、中央アジア・コーカサス8か国のうち6月版から予測が動いたのはウズベキスタン(2026年を1.0ポイント上げ7.5%)とジョージア(2026年・2027年を0.5ポイントずつ上げ6.5%・5.5%)の2か国だった。ウズベキスタン大統領府、アンディジャン州で6億ドルの物流団地と女性雇用の2,000万ドル基金を示す。輸出目標15億ドルは3年続けて同額2026.09.24ウズベキスタン大統領府は9月24日、アンディジャン州の会合で、クルガンテパとハナバードの6億ドルの物流団地、キルギスと合意した国境検問所、女性の雇用のための2,000万ドルの基金を示したと公表した。来年の目標に挙げた輸出15億ドルは、同じ州をめぐる過去の発表でも対象の年を変えながら同じ額が挙げられてきた。先週の中央アジア・コーカサス:韓国と中央アジア5か国がソウルで第1回首脳会議、アルメニア中銀が政策金利を6.75%へ引き上げ(9月14日〜20日)2026.09.21韓国と中央アジア5か国は9月16日、ソウルで第1回首脳会議を開き、2年に1度の開催を宣言に記した。カザフスタンのトカエフ大統領は訪韓中に約190億ドルの商業上の合意が署名されたと述べ、ウズベキスタン大統領府は署名や投資の決定に触れずに約120億ドルの有望プロジェクトが準備されたとしたが、どちらも案件ごとの金額は示されていない。アルメニア中銀は2022年12月以来の利上げで政策金利を6.75%とし、欧州議会は同国産品の従価税を免除する規則で第1読会の立場を採択し、理事会の承認と官報掲載を待つ。ジョージアの1〜8月の貿易総額は8.4%増の179億ドル、8月の輸出は前年同月比24.7%増2026.09.21ジョージア国家統計局が9月21日に公表した集計(暫定値)で、2026年1〜8月の物品貿易総額は前年同期比8.4%増の179億2,690万ドルだった。輸出は22.1%増、輸入は3.4%増。8月単月では輸出が前年同月比24.7%増の7億5,237万ドル、輸入が4.3%増の15億6,224万ドルだった。韓国と中央アジア5か国、ソウルで第1回首脳会議。宣言で2年に1度の開催に合意し、産業・供給網の協力で覚書2026.09.16韓国と中央アジア5か国は9月16日、ソウルで第1回首脳会議を開き、ソウル宣言を採択した。宣言は、首脳会議を2年に1度開くとし、カザフスタンが2028年にアスタナで第2回を開く用意を示したことを他の国が支持したと記した。産業・供給網の協力の覚書が結ばれ、産業相の協議体も設けられた。キルギス内閣、第三国からの建材の一部の輸入を6か月禁止へ。EAEU加盟国の領域からの搬入と通過貨物は対象外2026.09.16キルギス内閣は9月14日付の決議で、建築用ブロック・れんが、タイル、板ガラス、ケーブル・電線のうち附属書に挙げた品目について、第三国からの輸入を6か月の期間で一時的に禁止すると決めた。ユーラシア経済連合(EAEU)加盟国の領域から搬入されるものと通過貨物は対象外で、禁止は決議の発効から3日を経て始まる。先週の中央アジア・コーカサス:アゼルバイジャン中銀が8月に15億ドルの買い介入、ABBがダヴル銀行株51%の取得を完了(9月7日〜13日)2026.09.14アゼルバイジャン中銀は8月に15億ドルの買い介入を実施し、中銀によると外貨準備は過去最高の153億ドルになった。ジョージアの総国際準備も過去最高を更新した。ウズベキスタンでは、アゼルバイジャンのABBがダヴル銀行株51%の取得を完了し、国家資産の購入時の前払金を35%から15%へ下げる大統領令の内容も公表された。カザフスタンではKaspi.kzの臨時株主総会が、第2四半期の配当を1株1,000テンゲに増やす提案を承認した。キルギスのGDP、1〜8月は11.0%増の1兆3,968億ソム。鉱工業は8.8%増に鈍化2026.09.14キルギス国家統計委員会が9月14日に公表した2026年1〜8月のGDP速報値は1兆3,968億ソムで、前年同期比11.0%増だった。建設が61.0%増と伸びた一方、鉱工業生産の物量指数は1〜7月の111.2%から1〜8月は108.8%に下がった。消費者物価は1〜8月に2025年12月比で7.6%上昇した。アスタナ・ファイナンス・デイズ2026、AIXが炭素クレジットの取引を開始。AFSAはジョージア国立銀行と相互アクセスの覚書2026.09.10アスタナ国際金融センター(AIFC)が9月9〜10日に開いたアスタナ・ファイナンス・デイズ2026で、アスタナ国際取引所が自主的炭素クレジットの取引を始め、規制当局のAFSAは清算参加証書を適格投資に指定した。AFSAはジョージア国立銀行と相互アクセスの覚書を結んだ。取引量や金額はいずれも示されていない。