解説 · 2026年8月時点
トランステレコム(Transtelecom)は、カザフスタンの通信・IT企業である。もとは国有鉄道カザフスタン・テミル・ジョリ(KTZ)の通信部門で、鉄道沿線に敷いた光ファイバー網を資産として独立した。現在は通信事業者としてだけでなく、IT、自動制御、電力分野のシステムインテグレーターとしても事業を広げている。KTZが25%の株式を持ち続け、KTZ向けの役務が収益の柱の一つになっている。
| 正式名 | АО «Транстелеком»(Transtelecom JSC) |
|---|---|
| 設立 | 1998年(同社サイトは1999年にカザフスタン鉄道の部門から分離したと記す) |
| 本社 | カザフスタン・アスタナ市エシル区ディンムハメド・クナエフ通り10 |
| 事業 | 通信サービス(インターネット接続、幹線・衛星回線の賃貸)、ITサービス、システムインテグレーション、データセンター |
| 光ファイバー網 | 約1万5,000キロ(2017年時点、同社サイト) |
| 売上高 | 888億4,000万テンゲ(2024年通期、前年比12.8%増) |
| 純利益 | 183億5,000万テンゲ(2024年通期、前年比71.1%増) |
| 従業員 | 2,764人(2024年、Forbes Kazakhstan集計) |
| 株主 | ТОО «Unit Telecom»(ガリムジャン・エセノフ氏、ドミトリー・ポクパテレフ氏)75%、カザフスタン鉄道(KTZ)25% |
| 上場 | カザフスタン証券取引所(KASE)に社債TCOMb1、TCOMb2を上場 |
| 順位 | Forbes Kazakhstan「カザフスタン私企業75社」2025年版で第35位 |
沿革
同社サイトによれば、1999年にKTZの構造部門が独立してトランステレコムとなった(Forbes Kazakhstanは設立を1998年としている)。当初の役割は鉄道通信システムの技術支援と近代化だった。2017年までに全州をカバーする約1万5,000キロの光ファイバー網を敷設した。鉄道の線路敷を使って幹線を引ける立場が、そのまま通信事業の基盤になっている。
事業
2024年通期の売上高888億4,000万テンゲの内訳は、通信役務(インターネット接続、幹線・衛星回線の賃貸など)が52%(463億テンゲ)、ITサービスが34.68%(308億テンゲ)である。2023年時点では売上の38%がKTZグループ向けだった。
データセンターはTier 3の基準に適合するとし、コロケーションとクラウドを提供する。鉄道分野向けのデジタル製品群「Aspan.pro」を展開し、旅客列車への衛星インターネット(Starlink)の導入も進めている。
株主構成と財務
株式の75%はUnit Telecomを通じてガリムジャン・エセノフ氏とドミトリー・ポクパテレフ氏が保有し、25%はKTZが持つ。2025年8月、それまでUnit Telecomの持分を通じて関与していたヌラリ・アリエフ氏が持分を売却し、エセノフ氏のJusan Mobileが買い手となった。取引額は公表されていない。
KASEの開示によれば、2026年上半期は営業収益274億800万テンゲに対し67億5,700万テンゲの純損失を計上した。総資産は2,779億1,000万テンゲ、自己資本は264億7,100万テンゲである(2026年7月1日時点)。
参考資料
- 75 крупнейших частных компаний Казахстана — 2025 — Forbes Kazakhstan ↗
- АО «Транстелеком» — Forbes Kazakhstan(企業ページ) ↗
- JSC "Transtelecom" (TCOM) — KASE ↗
- Транстелеком(公式サイト) ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。