アゼルバイジャンの国家税務局は8月24日、非居住のデジタルサービス提供者4社の税務登録が電子登録ポータルを通じて完了したと発表した。米国のAnthropic, PBCとAghanim Inc.、スイスのeBay Marketplaces GmbH、オランダのNetflix International B.V.で、付加価値税(VAT)目的の登録はいずれも2026年9月1日に発効する。
発表は「さらに4社」という書き出しで、今回が最初の登録ではない。同局は8月13日にも、Xsolla (USA), Inc.、Valve Corporation、Formula One Digital Media Limited、Cleverbridge GmbHの4社を登録したと公表しており、このうちValveとCleverbridgeは9月1日発効、残る2社は既に発効済みだとしていた。制度の説明部分は両日でほぼ同じ定型文である。
登録は今年に入って段階的に増えた。5月8日の発表では、スイスのEpic Games Commerce GmbH、ドイツのContabo GmbH、米国のChess.com LLCの3社が加わって累計10社に達したとされ、6月10日の発表もApple、Adobeなどを含む10社としていた。税務局が公表した分を足し合わせると、8月24日時点で18社になる。
今年の税法改正により、2026年9月から、電子商取引の形で役務を提供し国内での年間売上高が1万米ドルを超える非居住のデジタルサービス提供者には、税務当局での電子登録が義務づけられる。登録した事業者への支払いでは銀行が利用者の口座からVATを差し引かなくなり、事業者が自ら計算し、申告し、国庫に納める。6月10日の発表によれば、規律が及ぶのは電子的な形での作業と役務の提供に限られ、物品の販売や電子プラットフォーム経由の注文・配送は対象外である。
根拠は税法典にある。第33.8-1条は、インターネット上の情報資源を通じて電子商取引を行う非居住者の電子的な税務登録と申告・納付の手続きを、執行機関が指定する機関が定めると規定する。第169.8条は、この方式で登録した非居住者には従来の代理徴収を適用せず、本人が計算して納めると定める。法令データベース e-qanun の条文には、2026年2月13日付法律355-VIIQD号によるこの2条の改正が8月23日から効力を持つとの注記が付く。1万ドルという基準額や登録の期限はこれらの条文には書かれておらず、細目は執行機関に委ねられている。
日本の事業者にも関わる話である。アゼルバイジャン国内の利用者に有償のデジタルサービスを提供し、年間売上高が1万ドルを超えるなら、現地に拠点を持たなくても、9月以降は自ら登録して申告と納付を行う立場になる。登録の有無で決済時のVATの扱いが変わるため、価格表示や請求の設計にも影響する。
