解説 · 2026年8月時点
ハルク銀行(Xalq banki、「人民銀行」の意)は、ウズベキスタンの国有商業銀行である。高齢者への年金支払いと社会給付の配布を制度上の任務として負っており、この一点で国民生活との接点が他行より広い。同行は自らを「ウズベキスタンの領域に設立された最初の銀行」と説明し、タシケントの貯蓄金庫が1875年5月10日に業務を始めたことを起点として1世紀半の歴史を数えている。
総資産では国内第6位(2026年7月1日時点、中央銀行統計から算出)。中央銀行は2026年の「システム上重要な銀行」7行の一つに同行を指定している。
| 正式名 | Aksiyadorlik tijorat «Xalq banki»(JSC Xalq banki、People's Bank) |
|---|---|
| 起源 | タシケントの貯蓄金庫が1875年5月10日に業務を開始 |
| 本社 | ウズベキスタン・タシケント |
| 事業 | 年金・社会給付の支払い、個人向け預金、中小企業金融 |
| 総資産 | 57兆7,677億スム(2026年7月1日) |
| 貸出残高 | 37兆3,970億スム(2026年7月1日) |
| 預金 | 30兆7,154億スム(2026年7月1日) |
| 自己資本 | 11兆2,742億スム(2026年7月1日、銀行部門の7.6%) |
| 拠点 | 地域・地区の銀行サービスセンター234か所と出納所約10か所 |
| 株主 | ウズベキスタン共和国復興開発基金、経済財務省 |
年金支払いという任務
同行の中核業務は、年金と社会給付の受け取り口座を全国で保有し、支払いを滞りなく行うことである。ウズベキスタンでは「市民の積立年金保障について」の法律により、国家年金に上乗せする積立年金の制度が設けられており、同行はその受け皿として全支店を結ぶ電子基盤の整備を進めてきた。
この任務のために、同行は地域・地区(市)の銀行サービスセンター234か所と約10か所の出納所を維持している。同行の説明では、年間でウズベキスタンの人口の約30%、中小企業の約20%近くに何らかのサービスを提供している。
規模と財務
2026年7月1日時点の総資産は57兆7,677億スム、貸出残高は37兆3,970億スム、預金は30兆7,154億スム、自己資本は11兆2,742億スムである(中央銀行「商業銀行の主要指標」)。
特徴は資本の厚さで、総資産シェアが5.7%であるのに対し、自己資本は銀行部門全体の7.6%を占める。年金という性質上、短期で引き出される負債を大量に抱える構造であることが、この資本比率の背景にある。預金の部門シェア(6.5%)が総資産シェアを上回っている点も、個人の資金を集める銀行としての性格を示している。
所有と位置づけ
株式はウズベキスタン共和国復興開発基金と経済財務省が保有する国有銀行で、証券取引所には上場していない。政府の金融エージェントとして通貨・信用分野の改革に関与してきた経緯を、同行自身が沿革の柱として説明している。
ウズベキスタンでは2020年代を通じて国有銀行の民営化が政策課題とされ、ウズプロムストロイバンクやイポテカバンクなどが外部資本の受け入れに進んだ。ハルク銀行は年金支払いという公的な機能を抱えるため、この流れの中で扱いが異なる位置にある。
参考資料
- Xalq banki「Bank haqida ma'lumot」(公式サイト) ↗
- Xalq banki「Bank aksiyadorlari」(株主) ↗
- 中央銀行「Information on major indicators of commercial banks as of July 1, 2026」 ↗
- 中央銀行「List of Systemically Important Banks」 ↗
この解説は編集部がまとめたもので、2026年8月時点の情報に基づく。記事とは異なり、新しい事実が 確認できしだい随時更新する。誤りに気づいた方はお問い合わせください。