遊牧の伝統を持つ畜産国キルギスが、食肉貿易では一方的な輸入国になっている。24.kgが伝えた2026年上半期の統計によると、食肉・食肉副産物の輸入額は約5,040万ドルに達した一方、輸出はわずか102万ドル(568トン)で、輸入が輸出の49.4倍に上った。
輸入の中心は鶏肉・鶏肉副産物で、4万2,617トン・約4,710万ドルと輸入額の93.5%を占めた。供給元は中国(2万1,894トン)、ウクライナ(6,210トン)、ロシア(6,910トン)が上位に並ぶ。豚肉輸入は585トンと物量で前年同期の2.45倍に増え、冷凍牛肉は322トンで27.4%減だった。
輸出急減の主因は牛肉だ。2025年上半期に553.6トン・約259万ドルあった生鮮・冷蔵牛肉の輸出は、65.4トン・約37万ドルへ9割近く縮んだ。仕向け先は全てロシアだった。背景には国内価格の安定を目的とした食肉・食肉加工品の輸出禁止があり、措置は9月8日まで有効だが、内閣は延長を提案している。輸出側で伸びたのは鶏肉(410トン、物量70.8%増)で、主にカザフスタンとロシアへ向かった。
食肉の貿易赤字は約4,940万ドル。黒字を保つ相手はタジキスタン(8.2万ドル)のみだった。輸出禁止は国内のインフレ対策としては機能するが、牧畜業の外貨獲得源を止める副作用も大きい。禁輸が延長されれば、羊・牛の生体在庫と国内価格の動きが次の論点になる。
