ウズベキスタン閣僚会議は8月18日、世界銀行の参加による「ウズベキスタンにおけるガス漏れ解消の仕組みの構築」事業の実施措置を定めた決定第444号を採択した。アリポフ首相が署名し、翌19日に施行された。
決定が新たに示したのは漏えいの現況である。世界銀行の支援で実施した調査により、ウズトランスガスの施設で1,000か所を超える欠陥点が見つかり、漏えいは最大3,500万立方メートルにのぼることが確認された。決定はこれを了承事項として記すが、対応する期間は示していない。
経済財務省と世界銀行が結んだグラント協定の額は1,060万ドルで、附属書1が3つの構成に配分した。実施期間は2026〜2028年である。
| 構成 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| A | ガスインフラの既存の損失量を減らすための修繕 | 960万ドル |
| B | 漏えいと排出削減の監視・報告に関する制度的能力の強化 | 50万ドル |
| C | 実施グループの設置、外国人専門家の招へい、実施の支援 | 50万ドル |
| 合計 | 1,060万ドル |
最終額は設計積算書と入札の結果で確定する。経済財務相は、世界銀行の同意を得たうえで、節約された分に限って構成間で資金を再配分できる。構成Aにはグラントとは別に、節約されたメタンに由来する資金が充てられる。
仕組みの中心は、止めた漏えいを金額に換えて積み直す循環にある。修繕の後、節約されたガス量と排出削減量は独立した検証を経て報告され、経済財務省が金額を確定する。資金は同省傘下の国庫サービス委員会に開くエスクロー口座に積まれ、経済財務省とエネルギー省の同意を得て、漏えい解消とガス系統の能力向上に再投資される。グラントを使い切った後は、この口座が主たる財源になる。削減された温室効果ガスは国が処分する。
循環が回るかどうかは料金の扱いにかかる。決定は内閣付属の省庁間タリフ委員会に対し、失われていた量が検証で確認された日から少なくとも2年間、ウズトランスガスが幹線輸送で自らの需要と損失を賄うために適用するタリフを減額せずに算定するよう求めた。損失が減った分だけ料金上の手当てが削られれば、節約は手元に残らない。決定が求めているのは減額しないことであって、料金水準を動かさないことではない。この2年の縛りが、浮いた分をエスクローへ向かわせる条件にあたる。
実施体制は小さい。ウズトランスガスは実施グループに5人の定員を割り当て、人件費と運営経費はグラントから出る。調整は経済財務次官を長とする9人の作業部会が担う。
2026年3月の世界銀行の発表によれば、修繕がなければ損失は2030年までに累計17億5,000万立方メートル、逸失収入は2億2,800万ドルに達しうる。同発表は2029年までに年4万7,500トンのメタンを回収できるとし、節減額を約1,800万ドルとしている。
世界銀行がグラントを承認してから5か月を経て、資金の流れと責任の所在が法令として固まった。1,060万ドルは規模としては小さいが、決定の要点は金額ではなく、修繕で浮いた分を次の修繕へ回す循環を制度に据えた点にある。独立した検証、エスクロー、料金を減額しない扱いのいずれかが崩れれば、循環は初回の修繕で止まる。
