アルメニアとアゼルバイジャンがホワイトハウスで共同宣言に署名してから1年が経った。3か国の高官が節目に合わせてワシントンで会合し、共同声明を発表している。ARKA通信が伝えた。
会合は2026年8月10日に行われた。出席したのはアルメニアのヴァハン・コスタニャン外務次官代行、アゼルバイジャンのエルヌール・ママドフ外務次官、そして米国のアリソン・フッカー国務次官(政治担当)である。
1年前の首脳会談では、トランプ大統領が主催するかたちで、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領とアルメニアのニコル・パシニャン首相が和平に関する共同宣言に署名した。米国、アルメニア、アゼルバイジャンの3か国が今回まとめた共同声明は、ワシントン宣言が両国に「和平を強化するための道筋」を与えたと位置づけている。
宣言や声明そのものは政治文書だが、本サイトの関心は経済の実態にある。その点で注目に値するのが、鉄道の動きである。
アゼルバイジャンのAPA通信は8月に入り、ロシア産の小麦がアゼルバイジャンを通過してアルメニアへ鉄道輸送されていることを繰り返し報じている。8月14日には6両、続いて8両が発送され、15日にも8両がアルメニアへ向けて送られた。
この輸送が持つ意味は小さくない。アルメニアとアゼルバイジャンの国境は長年閉ざされ、アルメニアはジョージアとイランを経由する迂回路に頼ってきた。アゼルバイジャン領内を通る鉄道が使えるようになれば、アルメニアの輸送コストと所要日数は下がる。宣言が紙の上の合意にとどまるのか、物流の経路として定着するのかは、こうした貨車の本数に表れる。
ただし現時点で確認できるのは1回あたり6両から8両という規模である。恒常的な輸送路として機能しているかを判断するには、まだ材料が足りない。
