アルメニアの実体経済が、対ロシア貿易の急減とは対照的な数字を出している。統計委員会が8月に公表した一連の統計にもとづく。
鉱工業生産は2026年1〜6月に1兆5,225億201万ドラムとなり、前年同期比10.8%増えた。加工業だけを取り出すと9,467億5,790万ドラムで7.4%増である。6月単月の加工業の生産は1,626億ドラムで、前年同月比2.5%の伸びにとどまった。
最も伸びたのは建設である。上期の建設部門は2,822億ドラムに達し、24.5%増となった。都市開発委員会のエギアザル・ヴァルダニャン委員長が建設者の日にあたって明らかにした。
一方で減った分野もある。農林水産業の総生産は3,450億6,790万ドラムで、前年同期比10.2%の減少だった。
この組み合わせをどう読むか。同じ時期にアルメニアは、ロシアとの貿易が3分の1に縮み、中央銀行副総裁が「GDPの1.5〜2%が危うい」と警告していた。国内商業の取引額は上期に0.9%増と、インフレ率4.5%を下回る伸びにとどまっている。
つまり、貿易と消費が停滞する一方で、生産と建設は伸びている。建設の24.5%増という数字は、投資が続いていることを示す。ただしその原資が何かは、この統計だけでは分からない。対ロシア貿易で失われた分を、国内の建設需要が一時的に埋めている可能性もある。
農林水産業の10.2%減は別の懸念を示す。アルメニアは農産物の対ロシア輸出で制限に直面しており、政府は輸出先の多角化に取り組んでいると与党議員が説明していた。輸出が細れば生産も縮む。減少幅の大きさは、その影響がすでに生産段階に及んでいることを示唆する。
一次産業が縮み、鉱工業と建設が伸びる。この構図が持続するかどうかは、対ロシア関係の行方と、代替市場の開拓がどこまで進むかにかかっている。
