アルメニアが対外投資の呼び込みを二方向で進めている。いずれもゲヴォルグ・パポヤン経済相の会談として、ARKA通信が伝えた。
ひとつはイランとの農業協力である。同相はイランのアクバル・ファティ農業次官との会談で、農業の各分野における共同投資計画の実施を提案した。
この動きは孤立していない。同じファティ次官は8月14日にカザフスタンのサパロフ農業相とも会談し、カザフ産農産物の輸入を増やす意向を示している。イランは中央アジア・コーカサス各国に対し、農産物の取引と石油製品の供給の双方で関与を強めつつある。タジキスタンには年80万トンの石油製品取引を数倍に増やす構想を持ちかけた。
アルメニアにとってイランとの関係には固有の意味がある。同国は対ロシア貿易が約3分の1に縮み、中央銀行副総裁が「GDPの1.5〜2%が危うい」と警告する状況にある。農林水産業の総生産は上期に10.2%減った。輸出先と投資元の双方で代替を確保する必要がある。イランはアルメニアが陸路で接する数少ない隣国のひとつでもある。
もうひとつは観光・娯楽分野の大型投資である。パポヤン経済相は8月6日、グローバル・トライブ・ゲーミングの関係者と会談した。同社はドヴィン・ホテル・コンプレックスおよびセブン・ヴィジョンズ・リゾート&プレイセズと協力し、エレバンにホテル、娯楽、ゲーミング、観光の複合施設を建設する構想を持つ。規模は5億ドルとされる。
5億ドルという金額はアルメニアの経済規模からすれば大きい。同国の上期の対外貿易総額は95億7,000万ドルで、建設部門の上期実績は2,822億ドラムである。単一の案件としては相当な比重を占める。
ただしゲーミングを軸とした観光開発には、地域内で競合が生じつつある。ゴールト・アンド・タガートは、アゼルバイジャンでのカジノ合法化がジョージアのアジャラ地方の観光にとって競争要因になると指摘していた。中東からの訪問者がカジノを目的にバトゥミへ来ているためである。同じ客層をエレバンが取りにいく構図になりうる。
