ジョージアの2大住宅市場の2025年通年の実績が出そろった。ゴールト・アンド・タガートの年次レビューによる。
黒海沿岸のバトゥミは回復した。新築・中古の双方で取引が増え、合計1万7,478戸(前年比15.0%増)に達した。市場規模は13億ドルで23.8%拡大している。2024年の減速を反転させた形で、大型案件の新規着工と、住宅ストックの増加を背景とした中古取引の活発化がこれを支えた。
ただし同社は、この回復の中身に注意を促している。系統的に事業を展開する開発業者の実時間データによれば、新築市場の販売は2025年に改善したものの、2023年の記録的な水準には戻っていない。 未販売の住戸は増え続けており、多くの案件がなお計画段階にある。活動は改善したが、過剰な供給はまだ吸収されていない、というのが同社の評価である。
価格と利回りの関係にも歪みが生じている。新築価格の上昇が需要の伸びを上回っており、このペースを維持するのは難しい。新築価格は年平均9.4%上昇し、中古の6.9%を上回った。 価格が先行して上がれば、賃料収入に対する利回りは下がる。投資目的の購入が需要の中心を占めるバトゥミにとって、利回りの低下は需要そのものを冷やす要因になる。
首都トビリシは別の経路をたどった。2025年の年初は政治的な不透明感と心理の悪化で需要が冷え、購入を先送りする買い手が相次いだ。市場調整への懸念が語られた局面である。
しかし年後半に、先送りされていた需要が戻って販売が回復した。通年では2023年、2024年の水準を上回ったが、2022年のピークには届いていない。
供給側では建築許可の発行が年間では減少し、とくに第4四半期に急減した。それでも2015〜22年の健全とされる水準は上回っている。価格の上昇は落ち着いた。近年の許可発行が多かったことで競争が強まり、上昇率が安定したためである。開発業者はこれまでで最も練られた自社分割払いの仕組みを提示するようになった。
2026年について同社は、トビリシの需要が2025年とおおむね同水準で推移すると見込む。都市化の進行、世帯規模の縮小、魅力的な利回りという長期的な要因が支えになる。価格は安定した一桁の伸びにとどまり、その幅は供給側、すなわち計画中の大型案件と許可発行の水準に左右されるとしている。
2つの都市の違いははっきりしている。トビリシの需要は実際に住む人から生まれ、バトゥミの需要は投資から生まれる。前者は都市化という長い流れに支えられるが、後者は利回りが崩れれば止まる。
