格付会社S&Pは2026年8月7日、ジョージアのソブリン格付けを「BB」に据え置いたうえで、見通しを「安定的」から「ポジティブ」へ変更した。ジョージアの調査会社ゴールト・アンド・タガートが8月10日付の週次レポートで伝えた。
S&Pが見通しを引き上げた理由として挙げたのは、力強い経済成長、財政運営の堅実さ、そして過去最高水準の外貨準備の3点である。これらが外的ショックへの脆弱性を低下させたと評価した。S&Pは、対外的な緩衝材がさらに厚くなるか、財政の結果が想定を上回れば、格付け自体の引き上げを検討するとしている。
外貨準備の積み上がりは実際に急である。ジョージア国立銀行の統計では、2026年7月末の外貨準備は前年同月比49.9%増の75億ドルとなり、過去最高を更新した。前月比でも5.7%(4億460万ドル)増えている。増加の要因は政府および銀行部門の外貨取引と、国立銀行がBMatchプラットフォームを通じて実施した外貨買い入れとみられる。準備のうち13.5%は金で保有されている。
物価は落ち着きを取り戻しつつある。7月の消費者物価は前月比0.4%下落し、前年同月比の上昇率は6月の5.8%から5.5%へ低下した。輸入物価の上昇率が6.1%から5.3%へ鈍化したことが主因である。ただし国内要因のインフレは5.7%から6.4%へ加速しており、食料・非アルコール飲料(+4.9%)と交通(+14.2%)が全体を押し上げている。
先行きには不確実性が残る。7月のホルムズ海峡封鎖により国際原油価格が大きく上昇したためで、ゴールト・アンド・タガートは2026年の平均インフレ率見通しを4.8%から5.1%へ引き上げた。エネルギー価格の落ち着きが想定より遅れる可能性を織り込んだ形である。
なお、ゴールト・アンド・タガートはロンドン証券取引所上場のライオン・ファイナンス・グループ(旧バンク・オブ・ジョージア・グループ)傘下の調査部門であり、市場参加者の一員である点は考慮して読む必要がある。
