ゴールト・アンド・タガートは2025年12月16日、ジョージア経済の2026年見通しを公表した。年央を過ぎた現在から振り返ると、予測と実績の差が示唆に富む。
同社の予測はこうだった。2026年の実質GDP成長率は6.0%。2025年1〜10月の7.6%成長からやや減速するものの堅調を維持する。牽引役は消費で、外貨の流入と安定したラリが支える。観光収入は49億ドル、公共投資は9.4%増、そして金融緩和が追加的な支えになる。中期的には潜在成長率とされる5.5%に近づいていく——という筋書きである。
物価については、2025年3月から上昇に転じ11月には4.8%へ達した圧力が、2026年3月以降に大きく和らぐと見込んだ。食品と医療費の押し上げが一巡するためである。2026年の平均インフレ率を3.0%と予測し、これにより国立銀行が金融緩和に着手できるとして、年末までに50ベーシスポイントの利下げで政策金利7.5%を見込んだ。
為替は安定を予想した。対外流入が堅調に続き、経常赤字がGDP比5%を下回り、世界的なドル安が続く前提で、平均レートを1ドル=約2.7ラリ、1ユーロ=3.13ラリとした。
実際の展開は異なった。
成長は予想を上回っている。2026年上期の実質GDP成長率は7.9%に達し、同社自身が通年見通しを7.5%へ引き上げた。当初の6.0%から1.5ポイントの上方修正である。
金融政策は逆方向に動いた。中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡の閉鎖でエネルギー価格が高騰し、インフレは想定した低下軌道に乗らなかった。国立銀行は2026年5月に25ベーシスポイントの利上げに踏み切り、政策金利を8.25%とした。7月末時点でも同水準を維持している。50ベーシスポイントの利下げという予測とは正反対の結果である。
同レポートは下振れリスクとして「政治的・地政学的な不確実性」を挙げていた。実際に見通しを狂わせたのは、まさにその地政学的要因だった。ただし狂い方は下振れではなく、成長は上振れ、物価は上振れという形である。
なお外貨準備については、2025年に過去最高の58億ドルを記録したと記している。2026年7月にはこれが75億ドルに達した。
